塾長です。
昨日(米国12/15)の米株市場は、久しぶりに全セクターが真っ赤。経済指標がとてつもなく悪い。ラガルドECB総裁が予想以上にタカ派だったとも言われているが、欧州は良く分かりません。
S&P500、3,895(-2.49%)
Nasdaq、10,810(-3.23%)
【米国市況】株続落、米欧が利上げ継続警告-ドルは137円台後半に上昇 - Bloomberg
原油、76.23
10年債、3.4500
ドル円、137.7570
Bitcoin、17.344
11月 小売売上高[前月比]、-0.6%(-0.1%)
11月 小売売上高・コア[前月比]、-0.2%(1.0%)
12月 NY連銀製造業景気指数、-11.2(予想-1.0)
12月 フィラデルフィア連銀景況指数、-13.8(-10.0)
11月 鉱工業生産指数[前月比]、-0.2%(0.2%)
11月 設備稼働率[前月比]、79.7%(79.8%)
米小売売上高、11カ月ぶりの大幅減少-市場予想も下回る - Bloomberg
11月はホリデーショッピングで買い物が増える時期。感謝祭翌日のブラックフライデーなどには小売り各社が玩具や衣料品、家電などさまざまな商品を値引きした。
こうした中で、アマゾン・ドット・コムのような電子商取引を含む無店舗小売りは0.9%減となった。
E-commerce含め、クリスマス商戦惨敗だった模様。
来期決算が・・・。
■ 労働市場は切迫したまま;
米新規失業保険申請、予想外の減少-9月以来の低水準に - Bloomberg
コロナでどんな業界が雇用を増やした(or 減らした)のか、The Transcriptがチャートにしていた;
US labor market: https://t.co/1r43amejtb pic.twitter.com/aQo5AMXkYl
— The Transcript (@TheTranscript_) 2022年12月15日
上位3つが「Transportation and warehousing(運輸・輸送)」「Professional & business services(管理職)」「Information(情報)」。これら以外はコロナ前と比べて横ばい。
運輸輸送に関しては、Amazon、FEDEXがリストラし始めている。
情報も、Twitter、Facebookの例を引くまでもなく、リストラが盛ん。
管理職は・・・分解が難しい。
Statista、Macrotrends.netによると、Amazon従業員数は(コロナ前の)2019年 798Kから、2021年 1,608Kまで増加したことになっている;
すなわち、比率にして102%増、絶対値で810K増!
コロナによる一時的人員増はどれくらいだったでしょう?もしコロナがなければ2021年の適正従業員数はいくらでしょう?
従業員数は2017→2018年 +14.4%、2018→2019年 +23.24%になっている。その中間を取って、18.82%が(コロナに影響されなかった場合の)正常増加割合だと考えると;
798K×118.82%×118.82%=1126.6K
これから推測できる余剰人員は;
1,608K-1126.6K=481.4K
48万人というのは、どれくらいの大きさでしょうか?
11月雇用統計によると、失業者数 6,011K。失業率 3.7%。
Amazonが”正常化”し、48万人のクビを切ったら、失業者数は6,491K、失業率 3.9%になる。別の言い方をすると、失業率を0.2%押上げる。
これにCisco、Meta(Facebook)、Twitter・・・と言った情報産業のリストラ推進組を加えて行けば、失業率4.6%※というのは早く達成できそうデス。
※:FED SEP December/2022で示された2023年失業率予想中央値
The Fed - December 14, 2022: FOMC Projections materials, accessible version
ECB、BOEがそれぞれ0.5%利上げ;
ECBが0.5ポイント利上げ、大幅利上げ継続へ-QTは3月開始 - Bloomberg
英中銀、0.5ポイント利上げで政策金利3.5%に-14年ぶり高水準 - Bloomberg
日本は、プーチンや習近平に攻められる前に、自滅しそう。岸田さんを見ていると腹が立ってくるが、民主主義国家なので、その責任は有権者にある;
防衛費増額財源 自民税調が法人・所得・たばこの増税了承 | 毎日新聞
米、中国YMTCやAI半導体企業を禁輸リストに 計30社超 | ロイター
米政府、中国テク企業数十社を事実上の禁輸リストに追加 - Bloomberg
■ 個別株に大きなニュースはありませんでした。
■ そして、Morgan Stanley マイク・ウィルソンは弱気なままでした;
こんな感じ;
- FED利上げ、リセッションへの恐れがマルチプルを押し下げ、株価は下がってきた。これからは企業利益が下がり、さらに株価は下がる。
- 企業は利益を15~20%ミスるだろう。多くの2023年ガイダンスを見直してこなかった。2023/1Q決算でやらざるを得ない。それがサプライズになる。
- 2023/1Qで下落したところが、買いの機会だ。
■ そして、ジェレミー・シーゲル教授は「FEDは間違っている、一貫性が無い」と叫んでいた;
ーパウエルは昨日も金利を高く保つと言いました。彼らはそうできないと思っていますか?
・そうだ。彼らは1年前のFOMCにおいて、FFレート1%以上を予想したおは2人だけだった。興味深いことに、今回のFOMCにおいて、来年の今頃、金利が5%以下になると言っているのは2人だけだ。彼らは同じ間違いを犯している。かつては金融環境を緩和させすぎ、その後、金利を上げた。そして今や(金融環境を)締め付け過ぎている(way too tight)。
パウエルが述べた金融引締めの理由に失望している。彼は住居費に時間差(lag)があると認めている。それがデータに表れるのに2023年半ばまでかかる。それがデータに出てから金利引き上げをpouseするかどうか決めると言っている。year over yearを考えれば、11か月の古いデータと1か月の新しいデータで構成される。その最新1か月の住居費は時間差があるのだ。
ーしかし、1か月のデータだけを見て「インフレを征服した」とは言えませんよね?それはトレンドを作らない。なので長期で見る必要がある。前年比(year over year)はホットだ。
・FEDは先読みをすべきなのだ(FED should be forward-looking)。
では、賃金について話をしようではないか。彼は賃金が問題だと言っている。賃金はインフレ率よりも低く伸びている。直近では、ほんの少しだけインフレ率を上回っているが、パンデミック期間全体で見ると、インフレ率より低いのだ。それがインフレを押し上げる力になっているとは理解できない。
さらに重要なことがある。彼は新しい点を持ち出した。労働力供給に構造的な変化が起きているかも知れないと言った。
経済学では、供給が減った時、価格は上がるのだ。経済学の基本(economic 101)だ。FEDは供給側の問題があったとき、抑圧的になるべきではない。1.5年前、パウエルは「供給側の問題なので、インフレ問題に対応しない」と言っていたのを覚えているだろうか?そして今彼は「労働市場における供給問題があるので、賃金を抑え、インフレを破壊する」と言っている。まったくもって、彼の金融政策には一貫性が無い(怒)。
FEDは大きく金融政策を外してしまったので、信頼を取り戻すには、議長を変えるのが良いと思うのですが、そうなりませんネ。
日本も同じですが。
ここが個人的には一番不思議に思っている点だったりします。
ちなみに、もっとシーゲル教授の話を聞きたい人は、こちらもどうぞ。利上げを止めて欲しいキャシー・ウッドがシーゲル教授を呼んで、話を聞いている;
いつもと同じ事を言っている(←当然です。逆に、毎回意見が変わっている人の話など聞きたく無い)ので、半分くらいで見るのをやめてしまいました。
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