塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【元ダラス連銀総裁 リチャード・フィッシャー】10年債金利は6%へ。リスク資産価格は下落。FEDの介入には期待するな。

塾長です。

昨日(米国10/13)から米国決算シーズン突入。”好決算続出で株高!”を予想していたが、指数はサゲ。センチメントが悪い。

 S&P500、4,327(-0.50%)

 Nasdaq、13,407(-1.23%)

【米国市況】S&P500続落し国債上昇、中東情勢を懸念-149円台半ば - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油87.72

 10年債、4.6290

 ドル円、149.5150

 Bitcoin、26,820

 

 

経済指標:

 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数、63.0(予想67.6)

米消費者1年先インフレ期待、5カ月ぶり高水準-ミシガン大調査 - Bloomberg

 

 

金融政策:

■ハーカーのハト派発言;
フィラデルフィア連銀総裁、政策金利の据え置きを改めて主張 - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

北朝鮮、ロシアにウクライナで使用する兵器を搬入-米NSC調整官 - Bloomberg

 

 

個別株:

■JPMorgan、BlackRock、Wells Fargo、Citi、UnitedHealthが決算発表;

JPモルガン、7-9月純金利収入が最高-通期見通し上方修正 - Bloomberg

JPモルガンのローン残高は前年同期比18%増。預金は1%減だった。

  同行は純額で15億ドルの貸し倒れ償却を計上し、クレジットカードローンが貸し倒れ増加の理由だったと説明した。ダイモン氏は先月、カードローンの損失増はここ数年の例外的な低水準からの「正常化」だとし、同行は「クレジットで稼ぎ過ぎ」ていると述べていた。貸倒引当金はアナリストが積み増しを予想していたのに反し、1億1300万ドル減少した。

株価は+1.50%、148.00ドル。

 

米ブラックロック、第3四半期は利益増 資金流入減で株価下落 | ロイター

第3・四半期の純資金流入額は25億7000万ドルと、前年同期の169億ドルから減少した。機関投資家向けのインデックス株式から490億ドルが流出したのが響き、1社で190億ドルが流出した顧客もあった。

株価は-1.34%、627.66ドル。

 

ウェルズ・ファーゴ、7-9月純金利収入は予想上回る-金利上昇で - Bloomberg

株価+3.07%、40.96ドル。

 

シティグループが決算受け上昇 FICCが好調 NIIの見通しも上方修正=米国株個別 -

・貸倒引当金:18.4億ドル(予想:19.1億ドル)

株価-0.24%、41.43ドル。

 

ユナイテッドヘルスが決算受け上昇 医療費が予想下回り見通し上方修正=米国株個別 | 個別株 - 株探ニュース

ガイダンスも公表し、通期1株利益の見通しのレンジ下限を上方修正した。

株価+2.64%、539.40ドル。

 

 

MicrosoftActivision買収完了;
マイクロソフト、ゲーム大手アクティビジョン買収完了-10兆円超 - Bloomberg

株価は-1.04%、327.73ドル。

ちなみに、MSに関してはこんな報道もありました(10/12付け);
マイクロソフトに4兆円強の追徴課税-IRS決定に不服で審査請求へ - Bloomberg

Activision買収に10兆円。脱税で4兆円・・・。

 

 

■〆は元ダラス連銀総裁リチャード・フィッシャー;

www.youtube.com

PPI、CPIが予想より高く出た。イスラエルウクライナの件もある。全てを考慮して、FEDは来月何をするだろう?

・もし私がFOMCにいるとするならば、「じっと座っていろ(sit still)」と言うだろう。長期債により金融が引き締まっている。財政政策により負債が積みあがっているからだ。$1.7Tの国債発行が予定されている。それが[金融]政策を引き締めている。ある計算によると、10年債の20bptは[FFレート]25bptに相当する。多くの金利上昇があったという事だ。7月、10年債は3.6%程度だった。今は4.6%程度。上昇するプレッシャーが存在する。ハマスの攻撃で一旦金利は下がった。人々がドルに駆け付けた。それは今戻している。金利カーブはフラットになっている。投資家はそうした見方をしているかどうかは分からないが。そのエッセンスは、[長期債金利上昇が]FEDの仕事をしている、という事だ。[FEDが]動く必要があるとは思えない。CPI、PPIのコアで予想を上回る上昇があったが、それでも正しい方向に向っている。私なら、金利カーブが私のために仕事をしてくれるのを見守る。それと同時にバランスシートの減少を行う。それは$8Tを下回ったところだ。市場がFEDのために仕事をしてくれる。FEDが多くをする必要は無い。タカ派的な声明を出すだろう。2%に向けた決意を示す。 

ージェイミー・ダイモンが今朝コメントを出した。彼はrisk managerだ。彼は、インフレが高くなり、その結果金利はさらに高くなる可能性があり、労働市場はタイトで、ウクライナイスラエルで何が起きるか分からない、米国債務を心配している、とした。あなたも同じように心配しますか?

・私は心配している。我々は金利上昇を目にしている。イールドカーブをぞっとさせている。私は彼に反対することは稀であるが、彼は数週間前にインドで10年債が7%になるかも知れないと言った。私はそれ程弱気ではない。6%に向かうとは思う。6%を超えるかも知れない。来年に利下げするかはFEDに決断をさせようではないか。イールドカーブがフラット化し、正常化するかも知れない。それが起きると言っているのではない。その可能性はある。彼が言及した不確実性、危険性は正しいと思う。不確実性は決断の敵である。ボラタリティーを生み出す。我々は債券、株に多くのボラタリティーを見ている。私は彼に異議を唱えない。

ー6%だろうが、7%だろうが、それは恐ろしい。いつそれが起きると思いますか?

・10年債の夏から、いや春からの動きを見ると・・・、さらにその内側にある2年債、5年債との差を見ると・・、これ(10年債)は不確実性がある中でリスクフリーのとても魅力的(な投資先)である。あなたのカネを置く場所として。MMFは5%以上。2年債も5%以上。毎度言うが、将来キャッシュフローの現在価値が変わったのだ。金利がゼロに張り付いているときは、いくらでも先の将来を語れる。金利が上がれば・・・、金利はほぼ正常に戻っている。歴史的に見て、ほんの少し下回っているだけだ。これは正常化だ。人々、投資家が財産の価値を計算する方法を変える。その道の半ばにある。銀行の決算、特にWells Fargoは商業不動産のdelinquencyについて語っている。これは業界に関わらず起きている。ベンチャー[キャピタル]から不動産まで。これから修正が起きる。それは心地よい(pretty)ものではない。新たな正常化に向けて。ジェイミー・ダイモンは正しい。

FEDは状況が困難になってもQEを続けるだろうか?

・先ほども言ったように、彼らのバランスシートは$8Tを下回った。前回のレポート時と比べて、変化は少ない。来月のレポートを見てみようではないか。しかし、彼らがミッションを先延ばしにすべきとは思わない。私が一つ確信して言える事は・・・、私は10年間FOMCに参加し、パウエル議長を良く知っているし、多くのメンバーを知っている。彼らは政治的プレッシャーに負けない。

ー誰が政治的プレッシャーをかけるのですか?

マサチューセッツ州上院議員の話を聞いてみれば良い(笑)。

エリザベス・ウォーレンですね。

・そうだ。彼らは政治的プレッシャーに屈しない。それは彼らのメンタリティーの一部だ。これ(債券利回り上昇)は財政問題であり、財政に職権を持つ者が解決する。彼らが国債を発行し続けるなら、市場が利回りを決める。それがあるべき姿である。

まとめると・・・、

長期金利上昇が金融引締めをFEDに代わって行っているので、私なら来月のFOMCで利上げしない。インフレ率2%ゴールに向けた決意を示すステートメントを出すだけ。

・10年債金利はさらに上昇する。6%を超える可能性もあるが、7%にはならない。

・10年債金利5~6%というのは歴史的に見て正常(ゼロ金利が異常だった)。投資家は金利正常化(10年債金利5~6%が固定化)に合わせて、将来キャッシュフローの現在価値を減額する。するとリスク資産の価格が下がる。その様はprettyとは言えないものになる。

国債金利上昇を抑えるためにFEDは介入(QEをやめる等)しない。政治的プレッシャーに屈しない。これは議会と政府の責任で対処する問題だ。

 

と、カッコいい事を言っているが、FED議長・メンバーも人の子。政治的な鞭には耐えられても、ニンジンには釣られる。

さらに明確に言うと、彼が気張った言い方をすればするほど「もっとニンジンをくれ」と要求しているように聞こえる。

フィッシャーは現在Barclaysのシニア・アドバイザー。天下りですよネ?

 

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