塾長の資産運用

アメリカ株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

ジム・チェイノス、Teslaで損失膨らむも、新たに中国EV、IBMをショートしている模様

塾長です。

12/4、テスラ空売りで有名なジム・チェイノスがBloombergのインタビューを受けていたヨ。

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・多くの投資家が、2020年は無かったものだと考えている。2020年の業績を基準に判断していない。2021年以降を見ようとさえしている。2022年が、もっと正常化した世界だと考えているからだ。それはそうだと思う。

・この情況で、空売り対象を見つけるのは簡単だ。

 ただそれがうまく行くとは限らない。

 多くの企業が、単に株価が高過ぎるというだけでなく、問題を抱えている。市場は気にしていないようだ。

空売り投資家にとって、ゼロ金利は、金利5~6%よりも悪い環境だ。もっと大切なのは心理学だ。投資家は、FEDが支えてくれるので、ダウンサイドリスクがほとんど無いと考えている。非常に危険な環境だ。以前にも見た。2007年、2000年。グリーンスパンバーナンキが支えてくれると思っていた。今はパウェル

・投資家は(空売りではなく)FEDを保険だと感じている。人々は空売りに興味を持っている。なぜなら、彼らが見ているものと、私が見ているものが同じだから。しかし、肩をすくめて「(空売りは)要らないかな。政府がなんとかしてくれるので。」と言ってくる。「私の人生の中で、金利が高くなることはない」「市場が下がれば、政府がかけつける」など。

・彼らには、市場は常に不確実だ、と返すようにしている。FEDプットは、効率的な市場とは相反する。FEDが常に支えてくれると言うのは、非常に危険な仮定だ。もしその視点がひっくり返ったら、全員がボートの片側から、もう片方に走り出す。

・今は、我々を含めて、多くの空売りファンドにとって困難な状況だ。誰も”保険”を欲しいと思っていない。家が火事になるまではね。一般的に言って、ファンダメンタルのショートは上昇相場の中でも利益を上げてきた。今は、2018年クリスマス以来の、ユニークな状況。中央銀行の緩和的な政策と、一般投資家の投機が戻ってきた事による。

・通常、我々のポジションのうち、2/3がうまく行く。70%の場合もある。今はその逆だな。1/3が上手く行っていて、2/3が上手く行っていない。株価の面で。

・我々はレストランをショートしていない。クルーズラインも。コロナ前から弱い兆候を見せていたビジネスに対してショートしている。コロナが加速させる。今はre-opening tradeで持ち直しているが、それらのビジネスを見てみると、2019年、そしてワクチン後の2022年、バリュエーションは馬鹿げている。非常に興味深い。それら企業は債務を増やすか、株を増発。パンデミックを乗り越えるため。資本構造が変わっている。

 例えば、ラスベガスのカジノを見てみろ。キャッシュフローに対してバリュエーションが最も高い状態。

・人々は長期に渡ってナンセンスを信じることはできるだろう。ポーカーのテーブルについたとして、カネを持っていれば馬鹿なかけをし続けられる。あなたが適切にポーカーをプレイするならば、馬鹿な奴と逆に賭けたいはずだ。今、人々は馬鹿なカネの使い方をしている。しばらく続くかもしれない。多くの手を失うだろう。最終的には、適切にポーカーをプレイしている方が勝つと望んでいる。

・巨大テック企業は良いビジネスをしている。AppleGoogleFacebook、政治はリスクかも知れないが、資本に対して非常に高いリターンを得るビジネスをしている。ほとんどが現金での利益を得ている。私はそれに問題を感じていない。キャッシュフローに対して20倍くらいで取引されているだろうか。この低金利下では、適切な評価と言えるかも知れない。我々は、それらを空売りしていない。他に、素晴らしくないないビジネスをやっている企業、そしてバリュエーションが高い企業はたくさんある。

・我々は、規制リスクがあるからと言って、巨大テックに空売りはしない。新政権になって規制がかかると予想し、それに賭ける人もいるかも知れない。我々は、企業分割とか、そう言ったことに興味はない。

・新政権は、反市場主義ではない。悪者(bad actors)にタフだと思う。私は今の環境を”詐欺(fraud)の黄金時代”と呼んでいる。新政権で、取り締まりがキツクなるのを期待する。それは良いことだ。

・今は2000年、2007年より酷い状況だ。私は金融市場での詐欺について大学で教えている。詐欺のサイクルは、金融サイクルに少し遅れてやってくる。ブルマーケットが長く続けば続くほど、人々から不信の感覚が消えて行く。そして、「本当だとは思えない程良い」事を信じだす。今それを目撃している。かつてないほどに。

 詐欺の証拠を目の前にしても、市場は詐欺株を買っている。Wirecardがその例だ。今年の初めの事だ。我々はショートしていた。18か月の間、空売り勢とジャーナリストが詐欺を指摘していた。Wirecardが6月に詐欺を認めてようやく株が100ユーロから一桁に暴落した。その前からあなたが知るべき事は、公になっていた。同じような企業がたくさんある。我々はショートしている。特に中国株。多くの詐欺が風景に紛れて隠れていて、投資家がそれらを買っている。まだその企業が詐欺を認めていないので。まったく驚くべきことだ。

・企業が詐欺を認めるまで、市場が詐欺を信じないのは、まったく新しい現象だ。私が「詐欺の黄金期」と呼んでいるのは、そのためだ。かつては詐欺の疑いがあれば価格が下がった。今は詐欺を認めるまで、株が買われる。これはまったく新しい現象だ。人々が思っているより、リスクが高まっている。犯罪人がその罪を認めるまで信じ続けるのだとしたら、それは非常に投機的市場と言わざるを得ない。

・合法的な詐欺の最高の例はエンロンだ。彼らがやったことは会計的に合法だった。なので、彼らは会計的な詐欺では起訴されていない。投資家に嘘をついたことで、起訴されたのだ。会計的に、規制的に合法だとして、その企業が騙し通そうとしているか程度の問題。別の例は、Valeant Pharmaceuticals。10ドルから260ドルに上昇し、10ドルに戻った。投資家に対して、見積上の一株当たり現金利益(pro forma cash earnings per share)が12ドルだと信じ込ませた。実際は、赤字だった。規制や会計ルール上、それらは合法だった。

・我々がショートしている中で会計報告書に問題があると考えている割合は、かつてない程高い。合法かどうかは関係ない。2か月前にチェックしたときは、ポートフォリオのうち30~35%がそういった企業だった。それは、我々にとって高い割合だ。

 通常は10~15%といったところだろう。ショートする多くの企業は、ビジネスモデルに問題を抱えている企業だったり、ビジネス環境に問題を抱えている会社。今は多くの詐欺を目にしている。

・(ショートしている)テスラは(詐欺ではなく)EVのカテゴリーだ。Teslaはビジネスモデルと評価に問題を抱えている。会計上にも問題あると思っているが。この会社は0.5兆ドルの企業価値で取引されている。今年の売上は$30B。誰が何を言おうと、車を作る会社。他の車を作っている会社と競争している。他の会社もEVを作り始めている。どんな市場でも、人々が願いをかけて買う株があるものだ。ドットコム時代はCisco、Yahoo、JDSU他だった。今回はTeslaというだけ。ある人はEVの会社だと言い、ある人はクリーンエネルギーの会社、ある人は自動運転の会社だと言う。誰が何を信じたくとも、マスクが何と言おうとも、このバリュエーションは高すぎる。この12か月間、テスラは車でカネを稼いでいない。Tax creditsを売っているだけだ。平均50,000ドルの車を売っているが、そこからカネを稼いでいない。

・マスクに会った事はない。もし会って話ができるとしたら、「今の所うまくやってるね」と言いたいね。

・我々は、もう、最大限にテスラをショートしていない。まだショートしているが、他にたくさんやる事がある。EV領域にも。Teslaよりもクレイジーなものがある。痛みを伴いつつ、まだTeslaをショートしている。2015年からショートし続け、最初の4年間は悪くなかった。ここ12か月は状況が違う。株は5、6倍になった。我々も他の人達と同様リスク管理しなければならない。しかし、今はTeslaの威光に同乗しようとしている企業がある。Nikolaは、前にも言った通り。ショートしている。他にも、まだ公にしていないがショートしている会社がある。

・我々のリスク管理は、資産の割合で決めている。損切りではない。そんなことをしたら、この世界では、毎回損切りが必要になる。Enronも最初は30も我々に不利な状態だった。タフなルールだが、資産の割合で判断する方が我々にとってはうまく働く。

・TeslaがS&P500に入るということで、多くの人がTesla株を買った。私が指摘したいのは、ベンチマークを超えたいからTeslaを持っていたのだろう、多くのファンドがS&P500に入っていないという理由でTeslaを持っていた。これは指摘しておくべき事だと思う。

・Tesla以外にもたくさんの機会がある。私のhighest convictionは視聴者を驚かせるあろう。誰も聞いたことがないかも知れないが、IBMだ(笑)。Value trapだ。安く見えるかも知れないが、根源的な問題を抱えている。Exxonなども同様だ。IBMのビジネスは縮小し続けている。会計的にも問題がある。なので、IBMに魅了されている。IBMの会計はどんちゃん騒ぎだ。全てを隠している。IBMは今年9ドル(一株当たり)稼ぐ見込みと言っている。真の数字は6ドルだ。IBMのoperating earningsを見れば、すぐわかる。Operating earningsにintellectual property royalitiesを加え、net interestを引き、税率21をかければ、2020年利益は6ドルとなる。IBMは9ドルと報告しようとしている。来年、我々は5ドルに下がるとみている。IBMは約12ドルと言っている。Bloomberg Terminalにそう出ている。2022年、我々は4ドルと見積もり、Bloombergは13と言っている。どうやったら、4ドルが13ドルになるのだろう。売上が減っているというのに。IBMはゲームをしているようだ。最近のそれは、一部事業の切り出し(スピンオフ)。Adjusted earningsを計算する時、それを戻して計算すると言っている。実際のGAAP earningsを良く見せるために。IBMは5年前にもやった過去がある。かつて一株あたり20ドル稼ぐと言っていた。株価は200ドル近辺だった。2015年だったか、2016年に、期待値をリセットし、10~12ドルだと言った。株価は200から120に下げた。今のその辺だ。どうやら、今回も同様にリセットしようとしているようだ。「9、12、13ドルではなく、6、5、4ドルでした」と白状するだろう。これが今後2年のうちに起こる。

・我々は今も商業不動産(commercial real estate)に興味がある。Reopeningはホスピタリティーにとって有益だ。小売りにとってはそうでもない。ワクチンやパンデミックは、我々の考えになかった。都市のオフィスを見てみてくれ。2018年がピークだ。2018年以降、賃料は下がっている。コロナ前の事だ。小売りは2014年以来プレッシャーに晒されている。デパートに至っては2000年がピークだ。コロナ前から商業不動産はプレッシャーがあった。しかし、商業不動産のストーリーは、あなたが思っているのと違うかもしれない。我々が商業不動産にネガティブなのは、金利のせいだ。Cap rates、不動産業のキャッシュフローを価値算出するときに使うレートが、最低レベルに下がっている。キャッシュフローあたりの価値が最高レベルという事。FEDのおかげ、人々が金利は二度と上昇しないと信じているおかげだ。

オフィスビルディングのcap rateが5%とした場合、今のREITsがそんあものだ、SL Green、Vernado、Brookfield Propertiesなど、2018-2019年の下値に戻っている。REITsがまだそれより下がるのは、キャッシュフローが30%も下がっているから。人々は、パンデミック前にキャッシュフローが減っている事を無視している。オフィスや小売りの供給過多でプレッシャーは減らない。しかし、マルチプルは史上最高だし、cap ratesは最低だ。それが商業不動産のリスクだ。彼らは私的所有地と競合する。これは$17Tの市場規模。米国の資産クラスで最大。キャッシュフローを分析すれば、あるサブセクターにおいて、キャッシュフローが継続的に減少すると分かるだろう。オフィススペース、小売業の用地は、今後5年に渡って厳しい状態が続く。小売業は廃業し、土地所有者は賃料を下げざるを得ない。ワクチン後もだ。プライベート市場に比べて、公に取引されている市場に機会がある。商業不動産の株が下がっているのは、良いことだ。

 

 

確かに中国EV、IBMは怖くて買えない。違った意味で。

そして、REITはダメですか・・・。

まぁ、そうかもね。

あとは自分のポートフォリオ管理の問題。全てS&P500に投入するわけにもいかないので。