塾長です。
楽天 三木谷社長がBloombergに出てた。まずは日本郵政からの出資の話から:
ーなぜ今資本を増やすのか?
・我々の成長は速い。去年4月からモバイルサービスを開始した。革新的、完全仮想化ネットワーク、誰もやったことがない。電子商取引のロジと、モバイルの投資のために、資本が必要。
ーモバイルが楽天のエコシステムのキーストーンだと言った。そこに全てのの資本が行くの?
・明らかに全国にネットワークを張ることが重要だ。我々は完全仮想化ネットワークを作った。海外に輸出する計画もある。なので、カネはモバイルに行く。それと、ロジスティクスのネットワークだ。
ー投資が必要なのはわかったが、損失が増えている。黒字化への道筋は?
・我々は財務予想を公開していない。今の売上は$50Mくらい。年率20%の成長。これは速い成長だ。成長の余地は大きい。後に、大きな利益となって返ってくる。
ーなぜそんなにワイヤレス・モバイルに楽観的なのか?日本政府は料金を安くしろと圧力をかけている。厳しいのでは?
・そうでもない。約1億人の登録会員がいる。ゼロから始めているわけではない。世界で最初の仮想化ネットワークを作った。他社のように、高価なレガシーハードウェアに依存していない。他社に比べて、資本投資はすごく少ない。オペレーションはほぼ自動化されている。オペレーションコストは低くなる。顧客獲得コスト、オペレーションコスト、資本投資は、他社よりとても低い。そして、アグレッシブな価格を先月発表した。サブスクライバーの申し込みは、びっくりするほどだ。
ーあなたのエコシステムに対するvisionを教えて。
・巨大な通信事業者を見てほしい。彼らがやっていること。リライアンス、Geo(?)、Verizon、など。彼らはモバイルサービス上にエコシステムを構築しようとしている。我々は、そういったサービスをすでに持っている。通販で1番、オンライン銀行で1番、旅行会社で1番、クレジットカードで1番、証券会社で2番。70の競争力のあるインターネットサービスがある。日本で1番のリワード・プログラム。これらをネットワークサービスと組合わせると、パワフルになる。顧客にリーチする能力がある。一部の顧客は、我々のサービスからポイントを得ることで、モバイルが無料になる。
ーそれでは、通販事業について教えて。日本郵政との関係。
・24年前、私が世界で初めてマーケットプレイスを始めた。インターネットでの買い物は、普通の買い物の代替となった。デリバリーが重要だ。コストがかかるのは都市部ではない。地方だ。我々は全国にデリバリーする能力が必要。我々自身で70%の人口をカバーしている。残りの30%は非常に高価。日本郵政は素晴らしいパートナーとなる。共同で、最も効率の良いルートを探すAIを作る。
ー去年無料配送を後退させた。アップデートはあるか?
・もちろん。無料配送となるラインを設定。約90%の商店が参加。約$40以上買えば、ほぼ全ての配送が無料になる。残り10%の商店を説得する計画だ。一回の買い物で約40ドル使えば、ほとんどの場合無料になる。
最もコストがかかるのは、地方へのデリバリー。このパートナーシップは我々にとって素晴らしいものになる。
ー中国市場はどうか?
・我々はそれほど真剣に中国の国内市場を考えていない。しかし、中国は製品、コンテンツにとって大きな市場。日本製品、日本のコンテンツは中国で人気。日本企業にとって、中国に製品、コンテンツを輸出するのは難しい。テンセントとのパートナーシップが、我々の商店にとって良いチャネルになるだろう。
ーもう少し具体的に。
・テンセントはWeChatショッピングを作っている。成長が速い。彼らと協力する。我々の商店は、WeChatショッピング経由で売ることができる、などだ。今後数か月のうちに、パートナーシップ戦略を発表する。
ー日本の電子化をどうみているか?まだ処方箋にFax使ってるらしいじゃないか。
・重要なのは、日本ではインターネットショッピングは速く成長している。インターネットショッピングの全消費に占める割合は6から7%。一方、他の会社(←companiesと言っているが、countriesの間違いだろう)では約20%。すなわち、3倍成長する余地がある。消費者のマインドセットが変わってきている。実店舗からオンラインへと。私はインターネットショッピングに非常に楽観的。ストリーミングなど全てについても。政府の電子化については、そう簡単ではないが、出来る限り協力していきたい。
ーサステイナビリティは重要だ。Dow Jones Sustainability World Indexに採用された。その点に関して教えて。
・私はこの会社の創業者であり、24年間経営している。我々は世界的なコミュニティー、ソサエティーに貢献したい。サステイナビリティにも。我々はアジアの中で最もダイバーシティの進んだ会社の一つ。17か国からの社員。社内言語を日本語から英語に変えた、8年前に。社会のcontinuity(?)に貢献したい。
彼の英語は合格点。
もう少し明るくしゃべれるといいネ。
内容的には、楽天銀行、証券、トラベルなどを複合的に提供していると(Amazonとの違いとして)言えていて良かった。
海外投資家目線では、日本以外の市場をどうするの?というのが気になるかな。「日本は人口が減っていくダメな市場」というのが一般的評価なので。中国ではテンセント経由でモノ・コンテンツを売る、というのは分かったけど、クーパン、グラブ、Yahoo-LINE、アリババ・・・に出資しているソフトバンクGの方が投資先としては良く見えるかも。