塾長です。
昨日(米国10/12)の米株市場は、狭い範囲で上下に動いて、最後はサゲ。決算待ち。
S&P500、4,350(-0.24%)
Nasdaq、14,465(-0.14%)
【米国市況】株3日続落、決算シーズン控え-インフレ懸念も重し - Bloomberg
債券、為替、コモ:
原油、80.33
10年債、1.5800
ドル円、113.5400
Bitcoin、56,296
重要経済指標の発表なし。
金融政策:
こうやって金融政策の”偉い人達”の言う事を聞いていても、結局数か月先の景気、物価も分からないんだ、という事が良く分かる。そして、こういう人達が政策判断を下してしまうので、彼らの発言に注目し続けなければいけないのは、残念でならない。
クラリダFRB副議長、米経済のスタグフレーション見込まれず - Bloomberg
アトランタ連銀総裁、米インフレは一過性ではなく拡大している - Bloomberg
個別株:
Appleの話題が2件。
アップルは「iPhone13」生産目標下げ方向、半導体不足で-関係者 - Bloomberg
アップル「MacBook Pro」5年ぶりに刷新-10月18日に新機種発表 - Bloomberg
最後は、サプライチェーン混乱と物価上昇の先行指標となるかも知れない輸送のお話と、スーパーマーケットのお話。まずは輸送から。
・投資家は、コンテナ輸送がブームになっているのを見て、多くの興味を持っている。しかし、コンテナ輸送大手Mearskの株価は先月に高値から11%下落した。会社が利益予想を$3B引き上げたにも関わらずだ。
現在の米国の状況は、次の通り。ロサンゼルス港に140隻が停泊中。そのうち83隻が過去24時間以内に到着。今後30日間で63隻の到着が予想されている。一方、アジアから米国西海岸への発送価格は先月から20%下落した。企業が休暇シーズンに向け米国への輸送を競っている最中にも関わらず。
輸送会社(shipping companies)の株も下がっている。中国企業のCOSCO、台湾企業のEvergreenは先月2桁の下落。Hapag LLoydは10%以上下落。これらの企業とMearskで、世界の輸送の1/3を担っている。
これらの理由の一つが、中国のゴールデンウィークによるスローダウン。一時的に生産が減った。
何人かのアナリストは、この急騰が思ったよりも早く終了すると予想。ドイツ銀行はコンテナ船が増加して、2023年までに輸送容量が22%上昇すると言っている。
その一方、米国で港からの輸送を担っているトラック輸送会社の株は上昇し続けている。Knight Transportation、JB Hunt、Werner、Schneider Nationalなど。
次は、米国北東部に展開するスーパーマーケットGiant Food Stores社長兼CEO ニコラス・バートラム:
ーあなたのお店の棚から、物価、インフレ懸念はどう見えますか?
・我々も物価上昇を感じている。今年6月には、生産者から2020年と同額の値上げを要求された。その傾向は加速している。我々の買付チームは押し戻しているし、コスト増を吸収しようとはしているが、全ての値段が上がり続けている。
ー消費者はどのような商品で値上げの痛みを感じるでしょうか?
・今は特に食肉だ。畜牛(cattle)の価格が昨年に比べて20%上昇。食肉で8%のインフレだ。良いニュースとしては、我々はThanksgiving用ターキーを前もって買い付けているので大丈夫。牛肉以外では、シーフード。ストーン・クラブなどのカニ。果物や野菜など地域で採れたものは大丈夫。輸送コストがかからないから。
ー全ての価格上昇を消費者に転嫁しているわけではないですよね。どれくらい価格上昇は続くと思いますか?
・メディアに取り上げられているので、消費者は価格上昇に気付いている。我々は全ての消費者に転嫁しているわけではない。プロモーションを展開している。ロイヤリティプログラムもある。ガソリンも売っている。給油特典は、ガソリン価格が上昇しているので、とても良い。
ー納入業者が値上げの要因にしているものは何でしょう?
・以前は原料、投入減価だった。我々のエコノミストによれば、そのピークは過ぎた。今は輸送だ。ディーゼル燃料は1年前に比べて34%上昇。コンテナ輸送コストも、船が滞留していて、運ぶのに時間がかかっている、コストが高くなっている。先週、一つの製造業者は、彼らの製品に必要なフィルムを輸送するのに飛行機を使ったと言っていた。全ての企業が製品を得ようとして努力している。多くのケースで、それがコスト増を招いているようだ。
ー顧客は店に足を運んでいるか?それともオンライン利用が増えているか?
・我々は電子商取引を最初に始めたスーパーマーケットの一つであり、成長している。店頭受取、デリバリーは増えている。先週Instacartと提携し、30分配送をアナウンスした。実際、良く分散しているように思う。多くの人が店に来ている。ファーストフード、高級レストランを見てみても、まだ以前ほどの選択肢はない。このパンデミックで良い事の一つは、多くの家庭で料理を楽しみ、家族で一緒に料理をするのがいかに楽しいか、良い材料を使っていかに健康的になれるかを発見したことである。
フムフム。皆が一斉にモノを買いだしたので、一時的にモノの値段は上がったけれど、落ち着いた。輸送の問題(港が混んでいる、トラックドライバー不足)は残っている、と理解しましたヨ。
未だに米国ではトラックドライバーの組合(International Brotherhood of Teamsters)の力が強いのでしょうか?この辺りが怪しいのかも知れません。
港湾労働者の組合もありましたネ。International Longshore and Warehouse Union。
関連する話として・・・。今Southwest Airlinesが欠航を出しまくって大変な事になっているらしい。予定されていた飛行機の2割、3割が飛んでない:
CNN.co.jp : 米サウスウエスト便の欠航相次ぐ、ワクチン義務化で操縦士スト説も 組合否定
CNBCでもCEOやパイロット組合のインタビューをしているのだが、言い分が食い違っていて『藪の中』の様相。もともとパイロットの配置に関してパイロット達(組合)は文句があったらしいのだが、会社経営者側が取り合わず不信感が溜まっていたところに、会社側がワクチン義務化を相談なく決めたのに対し、組合がキレた(ホリデーシーズンを前に、航空需要が回復しているタイミングを利用し、交渉を有利に運ぼうとしている)、という構図っぽい。
組合がらみです。
政治含めて、何やら怪しい・・・。
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今晩はアメリカの労働紛争について映画で学び直そうと思いマス: