塾長です。
昨日(米国11/22)の米株市場は、クローズ前にドーンと落ちて、マイナス圏でフィニッシュ。
S&P500、4,682(-0.32%)
Nasdaq、15,854(-1.26%)
【米国市況】S&P500が終盤に下げに転じる、ハイテクの売りかさむ - Bloomberg
債券、為替、コモ:
原油、76.37
10年債、1.6250
ドル円、114,8600
Bitcoin、56,582
米国が戦略石油備蓄を放出へ、他国と協調で-関係者 - Bloomberg
経済指標:
10月 中古住宅販売件数[年率換算件数]、634万件(予想620万件)
同[前月比]、0.8%(-1.4%)
米中古住宅販売、10月は予想に反し増加-9カ月ぶり高水準 - Bloomberg
米国では、人々がインフレに備えて家を買いあさっているみたい。
金融政策:
パウエル氏を次期FRB議長に再指名、ブレイナード氏は副議長に - Bloomberg
パウエル氏続投、メルトアップ市場では望み通り-市場関係者の見方 - Bloomberg
インフレとの闘いが最優先事項-パウエル、ブレイナード両氏が強調 - Bloomberg
パウエル議長は、「高インフレが家計に大きな打撃を与えていることは承知している。特に、食品や住宅、交通手段といった生活に欠かせない部分でのコスト上昇への対応能力が相対的に低い人々には厳しい状況だ」「われわれは、経済と力強い労働市場を支援するとともに、インフレ高進が定着しないようツールを活用していく」
テーパリング加速、利上げ前倒しですかネ・・・。
個別株:
多分、利上げが意識されて、金融株が上昇、テクノロジー株(高PER株)が下落。
こちら金融株一覧:
(低valuationである)銀行株が上昇し、(高valuationの)Visa、Masster、Paypal、Squareが下落するという対比が面白い。
高インフレ、金利上昇局面でも、消費者がしっかりしていれば経済は大丈夫。ということで、最後は、小売り業のお話。JP Morganマット・ボス:
ーあなたが今年4月ジム・クレイマーに言った事を思い出した。「複数の波が来ている。Q3はエキサイティング。キャリアの中で最も良いBack to Schoolシーズン※1になる」と。その調子はホリデーシーズン※2にまで延長されるのか、それともサプライチェーンの問題が影を落とすのか?
・そうだ。我々は先週Global Brands Conferenceを開催した。最も大きな話題は、消費者の強さである。JP Morganは消費者のクレジットカード利用状況を追っている。ホリデーシーズンに向けてピークを付けている。消費は、コロナ前に比べて、20%増加している。宿泊、航空機利用も20%改善している。あなたが言ったように、Back to Schoolからホリデーシーズンに向けて、消費はピークを迎えているのだ。
ーホリデーシーズンに向けて、在庫はどうか?
・需要が供給を上回っているのが、今の状況だ。しかし、在庫はある。ワ我々のキャリアの中で、最も良いホリデーシーズンとなるだろう。同店舗売上が7%上昇。我々がカバーしている領域;アパレル、靴、アクセサリーにおいて、2倍。ここ2年続いているテーマがある。カジュアル化は強い。デニムは何年にも渡るサイクル。アクセサリーのポジションは良い。個々の小売店、品物でみれば、状況は違うだろうが、在庫は豊富。全体で見れば強い消費が見られるだろう。
ーサプライチェーンの問題は改善しているだろうか?
・我々は20社の小売業と会話したところだ。彼らが言っているのは、生産はそれほど問題ではない、東南アジアの生産は90%。この先、ベトナムの心配をする必要がないだろう。今は、輸送コストの方が心配。我々の輸送系の分析者は、2022年後半に正常化すると言っている。小売業は価格上昇を消費者に転嫁しているので、マージンの改善が見込める。輸送の問題は一時的。生産はほぼ戻ったと言って良い。
ーあなたは多くの銘柄をover wightしています。優先順を付けなければいけません。
・先ほど述べたとおり、複数のメガトレンドがある。まずカジュアル化だ。アクティブウェアのNike、Lulu Lemon、Under Armour。デニムのLevi's、American Eagle。
2番目のテーマは、実店舗(brick and mortar)。価値と利便性がある。特にミドル層、低所得者層に影響があるインフレを伴う場合には。安売り小売店のDollar General、Five Below。Off-prices(何と訳すべきか・・。ブランド安売り店?)のBurlington、TJX、Ross。
最後に、電子商取引は世界的なブランドにとって変革をもたらす。マージンの向上につながる。特に、アクセサリーであるTapestry(Coach)、Capri Holdings。
米国は景気良さそうで、ウラヤマ・・・。いやいや、米国消費者が強いのを確認できたのは良かった、良かった。
3つのテーマは、日本在住個人投資家にも理解しやすいお話でした。カジュアル化でユニクロの名前が出なかったのは残念。逆に言うと、注目されていないのは、ファストリ株を買うチャンス?ファーストリテイリングのPERは43~44倍。LululemonのPERはナント73倍。
少し理解しにくいのは、Dollar General。名前から100円ショップと勘違いしてしまいそうですが、(比較的)人があまり住んでいない地域にあるヘンテコなスーパーマーケット。日本人の目から見ると、大型のコンビニ。この辺のビデオを見ると分かりやすいと思いマス:
米国版「買い物難民問題」に対応して出てきた/伸びている業態。
株は既に買われてしまっていて、直近1年くらいのスパンで見るとほぼヨコ。長期(直近5年)で見るとイイ感じ:
長い目で見ると、良い買い物になるかも知れません。
アクセサリーはまったく分からないので、スルー。
※1:米国では9月に新学期が始まるのに合わせて、小売店は”Back to Schoolセール”を行う。
※2:基本的に、Thanks Giving(11月第四木曜日、2021年は11月25日)からクリスマス、もしくは翌年1月1日まで。