塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【カイル・バス】私は中国弱気派ではなく、中国現実派なのです。

塾長です。

昨日(米国1/13)、久しぶりに(?)カイル・バスがCNBCに出演していたので、ご紹介しちゃいますヨ。

動画内でも言われているように、彼は長年の中国弱気派。最近(でもないか)、香港ドルで大損こいた、なんて報道されていたので(※1)、大丈夫か?と思っていたところ、元気そうでなにより。

※1:香港ドルのショート巨額損失か、カイル・バス氏-バノン氏関連資金も - Bloomberg

 

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原油価格は今日下がったが、先月は大きく上昇。エネルギーセクターは約14%上昇。この方向性は今後も続くと思うか?

・政策と現実に大きなミスマッチがある。炭化水素の需要と石油の需要を見て欲しい。今後20年、2040年までの需要は、一旦上昇し、今のレベルに戻ると考えている。過去6、7年、石油から資本を引き抜いてきた。代替エネルギーに替えたいからだ。誰もが風力、太陽光といった、安く、クリーンな電力を欲しいのだ。そこで問題になるのは、炭化水素を突然やめる事はできない。40年、50年といった時間がかかる。シートベルト締めるべきだ。原油価格は100ドルを超えるだろう。原油価格がマイナスを付けた時と同じ事が起きる。オミクロン変異種のピークは1月終盤だろう。世界で、今年半ばには経済再開が行われる。需要は最高レベルに戻る。突然油井のスイッチをオンにすることはできない。そのカネもない。プライベート・エクイティー、公開市場のカネが退いている。石油に投資しているのは、ファミリー・オフィス(family offices、超富裕層の資産管理)だけだ。すぐにでも超高値を目にすることになるだろう。それは誰にとってもよろしく無い。

ーその通り。特に政権は(原油高、ガソリン高が)大嫌いだ。

 WTIが100ドルを超えると予想するのか?

・100ドルを大きく超える(well over 100)だろう。

ーそうだとしたら、何を買う?石油株か?

・資本が不足している。石油株を買っても良い、原油先物を買っても良い。再度言うが、経済再開すれば、原油価格は人々が準備できていない水準に上昇する。

 

ーあなたは常に中国に弱気ですね。中国株は大きく下げたので、ここから上昇する可能性はあるでしょうか。

・私は中国弱気派なのではなく、現実派なのです。

 中国経済の1/3以上が不動産市場によって駆動されている。習近平は、米国のように紙幣を刷ると、不動産投機が蔓延してしまう事を理解したのだ。不動産価格が上昇して、出生率が下がっている。1.2まで低下した。人口を維持するのに2.1必要だ。人口減少は、男性が家を買えないからだ。家の価格が平均年収の20倍、30倍に達している。彼らは親の家の地下に住んで、子供を持てない。今行われているのは、市場の取り締まりではない。大金持ちの取締まり、汚職取締りという面はあるだろうが、まぁ、それは中国では無限に続くものだ。しかし、一番重要なのは、習近平は不動産価格を下げ、下げたままにしたいのだ。反発に賭ける人もいるが、馬鹿のゲームだ。中国株は西側の会計監査を通していないし、どうやって習近平のリスクを見積もるつもりだろうか?去年それを目にしただろうに。中国株に投資するのは、投資家に対してフィディーシャリー・デュティーを破っている※2。

※2について補足。個人が自分のカネで中国株を買うのは自己責任なので、勝手にやれば良い。しかし、年金基金などが中国株に投資するとなると話は違ってくる。怪しい金融商品に手を出しては、受益者の利益最大化を目指した行動とは言えないでしょ、と諫めているのです。

参考ニュース:

GPIF、中国恒大に96.7億円投資-「年金運用に大きな影響なし」 - Bloomberg

世界の投資家、中国投資で7月に数千億ドル失う - WSJ)。

 

中国では、不動産を打ち出の小槌として使う錬金術が限界に来ている、との主張。程度の差はあれど、どこの国でも取る手法ではある。かつて日本も大々的に行い、バブル収束に失敗、その後浮上できず・・・。あの時、橋本龍太郎が、日銀が、と思わずにいられない。問題はバブルを制御できるか、どうか。

さて、中国はどうなるでしょうか?少なくとも日本の失敗からは学んでいるはず。中国不動産市場規模は、4~5兆ドルくらい?そこに不動産企業、地方政府、一般市民・・・がむらがっているのだから、下手な小説、映画よりもよっぽどワクワクする。