塾長です。
昨日(米国3/15)の米株市場は、大幅反発。先物は下げている。ボラが高いなぁ。
S&P500、4,262(+2.14%)
Nasdaq、12,948(+2.92%)
【米国市況】株が大幅上昇、原油続落-FOMCの政策決定に注目 - Bloomberg
原油、95.40
10年債、2.1600
ドル円、118.3120
Bitcoin、39,486
3月8日から停止しているニッケルの取引が、今日(16日)再開。
魔の「18分間」頭から離れず-ニッケル市場大混乱、存続懸かる各社 - Bloomberg
2020年4月、原油価格がマイナスになったのに続き、商品先物相場の恐ろしさを教えてくれます。数%動いたくらいで「ボラが高いなぁ」などと呑気な事を言っていられる株式市場とは大きな違い。
2月 PPI[前月比]、0.8%(予想0.9%)
同[前年同月比]、10.0%(10.0%)
2月 PPIコア[前月比]、0.2%(0.6%)
同[前年同月比]、8.4%(8.7%)
3月 ニューヨーク連銀製造業景気指数、-11.8(7.0)
NY連銀製造業景況指数、3月はマイナス11.8-20年以来の低水準 - Bloomberg
新規受注と出荷の指数がともに低下。雇用者数の伸びは鈍化した。入荷遅延が11ポイント余り上昇し、サプライチェーンがなおぜい弱なことが示唆された。
米PPI、前年比で10%上昇-FOMCの利上げ軌道を後押し - Bloomberg
今回の統計は、前月比での財の価格上昇が2009年にさかのぼるデータで過去最大となったことを反映した。その3分の2はエネルギーコストの上昇が要因だった。食品価格も上がった。米国でのインフレ高騰を示唆する最新の例となったが、これ以降にロシアのウクライナ侵攻を受けて一部の原材料価格が高値を更新しており、コスト上昇はさらに加速する見通しだ。
FOMC1日目が終了。日本時間、明日午前3時頃、パウエルさんの会見。
なし。
今日もウクライナ侵攻関係のニュースがたくさん。
【ウクライナ】ロシアとの協議中断、15日再開へ-米、中国に懸念表明 - Bloomberg
昨日のblogにて「なぜイラン核合意が停滞しているのか」について書きましたが※、米国がいともたやすく折れました。
制裁はイラン原子力事業を妨害せず、「書面」で米保証-ロシア外相 - Bloomberg
バイデン大統領として中間選挙に向けてなんとしてでもガソリン価格を下げたいのでしょうが、このように弱腰な姿勢を見せていると・・・。
※:
一方、中国の動きが素晴らしい。
ロシアは中国に武装ドローン提供要請、米が欧州に警告-関係者 - Bloomberg
中国は対ロシア制裁の影響受けないことを望む-王外相 - Bloomberg
人民元が反転上昇、サウジが元建て石油販売を検討とのDJ報道で - Bloomberg
上のニュースを串刺して読むと、中国は「ロシアに武装ドローンを売るけど、見逃してね」と言いつつ、西側から経済制裁を課せられた場合に備えて、原油を自国通貨建てで買えるよう交渉している。ドローンを売ったとしても「いや、俺は売っていない」としらを切るでしょう。
西側は、戦闘機をウクライナに送るかどうか、公に議論しちゃってる(東欧諸国の対ウクライナ戦闘機供与、有力議員が米政権に支援要請 | ロイター)。こういう事は黙ってやるものでしょ・・・。
昨日は弱気派マイク・ウィルソンを紹介したので、今日は強気派WedBush ダン・アイヴスとFundstrat トム・リーをご紹介。
まずはダン・アイヴスから。
(要約版)
・Palo Alto Networksの目標株価はベースケースで$625、ブルケースで$700。
・ロシアからのサイバーアタック懸念を背景に、企業はサイバーセキュリティーにカネを使う。その他では、Zscaler、CrowdStrike、Tenable、Varonis、Fortniet、CyberArk、Palantir、Checkpoint、Salipointを勧める。
・その他グループの方が高値からの下落幅は大きいので良さそうに見えたとしても、Palo Altoの方が顧客基盤が大きく、企業の質が高い。現在の相場では、積極的に攻めるよりも守りに入った方が良い。なので、Palo Altoの方が優れていると考える。
こちらPalo Altoの1年チャート。
チャート上からは、全然買い時に見えませんが・・・。逆に考えると、この相場では、これくらいしかお勧めできるものが無い(超優良株しか勧められない)、という事なんですネ。ある意味、弱気になっている。
次はトム・リー。
ー次のゲストは、2022年初めは不安定だが、後半には上昇して終わると言っていたトム・リーさんです。あなたは、株に強気過ぎたと認めますか?
・はい。我々のベースケースは、年の初めは不安定と予測した。しかし、それは予想以上に悪かった。経済見通しが悪くなっている。リセッションに向かっていると予想されている。それは我々が予想していなかったことだ。しかし、今年残りの輪郭(contours)は変わらないと思う。米国がリセッションになる、もしくは、経済が縮小するとは考えていない。
ーゴールポストの位置は変わった(訳注:年末時点の目標株価を下げた)けれど、ここからの方向性は変わらないというのですね。しかし、FEDはインフレに対応するため金融引締めをする、企業収益は下落する方向にある。経済は下向きなのではないか。それでも株は上がるのでしょうか?上がるのだとしても、何故ですか?
・部分的には見方の問題。石油が100ドルというのは、2014年のレベルだ。ダイエット・コーラは同じ量で200ドルくらいする。ペットボトルに入った水は300ドルする。石油はまだ安いと言える。(原油値上がりによる)重圧は、まだ軽いと言える。
FEDの金融政策は、戦争とサプライチェーンの混乱次第だと思う。コンセンサスは、FEDがタカ派に転換するとなっているが、私はそう思わない。FEDは適切な金融政策を見つけようとするだろう。コンセンサスは、FEDが金融引締めをし過ぎて、リセッションに陥る、となっているが。この点は、私と他の人達では見解が異なる。
次に、オリガルヒ(oligarch)に対する制裁である。外部によって管理されているオリガルヒの資産額は$300B程度。それを、ヘッジファンドは凍結するか、償還しなければならない。これが市場の売り圧力となっている。この点において、下押し圧力は一時的だと考えている。
「強気過ぎた」と素直に認めている点は好感が持てます。そして、強気継続!
「石油、100ドル/バレルは高いのか・安いのか?」「FEDがどの程度金融を引き締めるか?」は様々な議論がありますが、3番目の点「オリガルヒの資産を管理しているヘッジファンドが、それを売っているので、株が下がっている」説は初めて聞きました。
昨日、英国がロシア人370人の追加制裁(金額にして£100B≒15.5兆円?)を発表している。
UK to impose sanctions on 370 more Russians | Foreign policy | The Guardian
停戦合意がなされるまで、欧米は制裁を加え続けるでしょう。トムの説を信じるのであれば、これらによってまだ株が下がるという事ですネ。ふ~む。
蛇足ですが、英語でのoligarchの発音は”オゥリガーク”。