米国株続落。Pelotonがヤバイ。

・あなたが言うように、ボラの高い取引になっていますね。Pelotonは需要が見極められないでいるのだ。去年は先食い需要が大きかった、売上が前年比３倍になった。それが衰え始めた。崖から落ちていると言って良い。私が入手したドキュメントによると、Pelotonは継続的に需要予想を引き下げている、在庫を多くかかえているが、それを捌く需要がない。Pelotonは、在庫レベルが調整されるまで、バイクとトレッドミルの生産を一時的に停止した。先週末から今週にかけて報道があったように、PelotonはMckinseyと協力してコスト削減の道を探っている※１。それは人員削減、店舗閉鎖を含むものになるだろう。

ーこの報道が出る前、配送と設置料金引き上げを発表していた。

・ある意味、方針を180度転換したことになる。思い出して欲しい、Pelotonは去年バイクの値段を引下げた※２。その時彼らが言ったのは、より求めやすい価格にして、TAM（total addressable market）を拡大し、Pelotonがその需要を獲得するというものだった。私が入手したドキュメントによると、それは計画通りに行っていないし、インフレによるコストを消費者に転嫁しなければいけなくなっている。2月より、バイクの価格が250ドル上昇、トレッドミルが350ドル値上げされる。

ーある意味同情する。パンデミックにより、需要が急拡大。PRECORを買収し※３、バイクの増産に励んだ。それが急に反転。もしかしたらバイクに特化すべきなのでは？GUIDEというStrengh Projectをやったり※４。トレッドミルに子供が巻き込まれて死亡する事故もあった※５。頑張りすぎではないだろうか？

・そうですね。オハイオ州の施設に$400M投資すると発表し、最近着工した。2023年に竣工予定。その目的は生産拡大。今となっては、その増産は必要なのだろうか？Pelotonは投資されたカネをそれや、PRECOR買収に使った。需要が普通に戻ろうとしている今、それら増産計画が必要だったか疑わしい。

　GUIDEは去年販売開始予定だった。入手したドキュメントによると、今年4月まで延期になったそうだ。Pelotonは、発表によって得られた消費者の興味が十分でなかったと言っている。

※１：Peloton reviews cost structure with McKinsey, may cut jobs - CNBC | Reuters

※２：Pelotonから現行より大幅に安価なトレッドミルと20万円以下のハイエンドエアロバイクが登場との噂 | TechCrunch Japan

※３：新型コロナで絶好調のPeloton、業務用フィットネスマシンメーカーPrecorを434億円で買収へ | TechCrunch Japan

※４：Pelotonがコネクテッド筋力トレーニングシステム「Peloton Guide」を発表、約5万6000円 | TechCrunch Japan

※５：Peloton recalls all treadmills after a child's death and 70 injuries - CNN

確かに、この報道だけ聞くと「そっかー、Peloton頑張ってるけど、ちょっと調子に乗り過ぎちゃったんだな。可哀そうに。」と思ってしまう。たまっごち（バンダイ）や、ヤーマンの美顔器を連想しちゃったりして。

では、併せて一昨日出た報道もどうぞ：

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［ジョー・ケルネン］Pelotonの株価が過去6か月下がり続けている。今は約30ドルだ。市場価値は$9B。Pelotonの何人かの重役は、この株価下落を知っていたか、非常にうまく計画的に株を売ったという事だね。彼らは株価下落をうまく避けた。ロバート・フランクが詳しく教えてくれる。まぁ、去年のうちに売れば、どの時点でもうまいタイミングだと言えたのかも知れないが。とは言っても、ねぇ。

［ロバート］その通り。これはPelotonに限った話ではない。Peloton株は昨日3.5%下げた。昨年の高値から80%下落した。しかし、Pelotonの重役（executives）は、大きく株価が下落する前に、合計$500Mの価値の株を売った。ジョー・ホーレイ（Joe Foley）、Peloton共同創業者兼CEOは$119Mぶんの株を売った、2020年末から2021年秋までの間に。ほとんどの売却は、株価が$110以上の時に行われた。今の株価は30ドル近辺。Pelotonにコメントを求めたが、回答がない。

　SECへの提出資料によると、フォーレイは事前売却スケジュールを2020年9月に開始した。「個人的なファイナンシャル管理」が理由。その計画は、2.4Mの株を2022年10月までに売ることになっている。今まで1M株を売った。最後の売却は、去年8月。他のPeloton重役も、最高値近辺で株を売っている。全て売却プログラムで計画されていたもの。Chief Legal, Culture Officerは$90M、Chief Product Officerは$60M、COOは$28Mを（株を売って）現金にした。去年、インサイダーによる売却額合計は、$496Mになった。このサイズの会社にとっては巨額だ。売却は、株価$100以上の時に実行された。バックミラーを通して見れば、非常に良いタイミングだったと言わざるを得ない。

［ジョー］$500Mは大きいね。アンドリューはPelotonを持っていたね。

［アンドリュー］Pelotonのトレッドミルを持っている。気に入っている。10B5-1※Aでは、事前に株の売却を決めておいて、後から売却をキャンセルする事はできたのだっけ？事前に売却をスケジュールしておいて、株価が下がった時にキャンセルする、なんて使い方がされているのではないでしょうね？

［ロバート］良いポイントだ。SECがどの程度の自由度を認めるのか。Pelotonの場合、（事前に決めていた株の）売却を一時停止（pause）するだけでなく、売却する株の上乗せをしていた。株売却を止めておこう、後で売ろうと決めただけでなく、事前に言っておけば、いくら売るかを変えられるようだ。SECが調べるのではないだろうか。

Peloton株価、直近１年間の動きをチャートで振り返ってみましょう。