塾長の資産運用

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【地政学】DW「ドイツはプーチン戦争の共犯か?」

塾長です。

週末、ドイツの英語放送局DWが「Is Germany complicit in Putin's war in Ukrain?(ドイツはプーチンによるウクライナ戦争の共犯者か?)」と題した動画をYoutuneに載せてたので、見てみましたヨ。ドイツ国内の対ロシア政策議論を直接聞いてみたいのだが、ドイツ語はチンプンカンプンなので、これで我慢。

www.youtube.com

大きく2部構成になっていて、最初はPolitico マシュー・カーニチニック(Matthew Karnitschnig)記者にドイツの政治的失策を語らせている。彼はこの記事(↓)を書いた人で、彼の発言はこれをなぞったもの。
Putin’s useful German idiots – POLITICO

記事の方が詳しいので、要約してみると・・・、

  • 「German is no stranger to the wrong side of history(歴史上、ドイツは何度も間違った側に立ってきた)」と、パンチの効いた書き出し。
  • ドイツは自国のエネルギー政策を優先させるため、これまで数々のロシアの蛮行(ジョージア侵攻、シリア戦争犯罪・・・)を許してきた。
  • メルケル元首相が最も批判を浴びるべきだが、他の政治家や政党も非難を逃れることはできない。
  • 現在の首相ショルツもノードストリームを支持していた。緑の党もノードストリーム2に反対していたが、理由は環境問題だけだったし、戦争開始までキエフへの武器供与に反対していた。(他にもロシア寄りの政策を支持した政治家・政党の実例を上げている)
  • CDU財務大臣ウルフギャング・シェーブル(Wolfgang Schauble)は「私は間違っていた。みんなが間違っていたのだ」と新聞に語ったが、同盟国は何年も危険だと警告を発してきた。
  • ウクライナ大統領ゼレンスキーの国会演説に拍手喝さいを送ったあとは、通常業務に戻り、二人の国会議員の誕生日を祝ったりもした。
  • 2008年、ドイツは、ウクライナジョージアNATO加盟に拒否権を発動し、プーチンの”役に立つバカ(useful idiots)”となった。
  • 第二次世界大戦中、ドイツはウクライナ人口の15%を殺害した。彼らは決して忘れないし、許さない。
  • ドイツがメルケルプーチン時代の誤りを認めない限り、大西洋間同盟において真の信頼を得る事はできないだろう。
    ドイツ自身が良く知っている通り、一時的に歴史から身を隠すことはできても、逃れる事はできない。

さらに、動画の中では

  • ドイツは、第二次世界大戦に関してロシアに負い目がある。(注:ドイツは、不可侵条約を破りロシアに侵攻。独ソ戦におけるロシア人死者は2000万人以上と言われている)

とも付け加えている。手厳しい。

 

後半では、保守系キリスト教社会同盟CSU)トーマス・シルバーホーン(Thomas Silverhorn)議員との質疑。こんな内容。

Q:ロシアによる侵攻前、多くの米国政治関係者は、ドイツが信頼できるパートナーなのか疑念を抱いていた。彼らになんと言うか?

A:NATOにおいて、ドイツは常に信頼できるパートナーである。そして、新政権は防衛費2%ルールを守る。

Q:ドイツを批判する人々は、ドイツはロシアに関して数十年間間違った側についてきた、と言う。

A:欧州、ドイツが学ぶべき教訓は、融和策は失敗だった、という事。西側の自由民主主義と、ロシアや中国のような独裁体制の間に、明確な区別をする必要がある。彼らと協力する必要はあるが、常に敵対関係が存在する

Q:米国政治関係者はノードストリーム2が誤りだと言ってきたが、メルケルは支持した。誤りは正すべきか?

A:誤りは正されている。ロシアがウクライナに侵攻した後、様々な問題が議論のテーブルに乗っている。我々が立つべき場所は、西側の民主主義であり、これ以上明らかなときは無い。

Q:米国政治、特にペンタゴンはドイツの防衛費増額を喜ぶだろう。それと同時に、NATO最高司令官(で合ってるかな?)は米国議会に増派を要請。ドイツはどのような役割を担うのか?

A:100Bユーロ増額は大きな前進だ。しかし、100Bユーロで戦闘可能な軍隊が可能になるわけではない。これから2031年までの計画期間において、さらなる出費が必要である。GDPの2%出費が必要な理由はここにある。

うすら笑いを浮かべながら淡々としゃべる感じは、これぞ欧州の官僚主義者という感じが出ていて、素晴らしい(素晴らしい?)。

中身の方は、ロシアへの融和政策を止めるのは当然として(本当にロシアからのLNG輸入を止められるかは疑問ですが)、中国への融和策を止めると言っているのが新しい。中国関係については聞かれてもいないのに。ただ、こちらも対ロシアと同じく、関係を絶てるかどうか・・・。

 

ということで、ドイツを始めとする欧州株には引き続きネガティブ(ガンドラックは欧州株に強気だったが、今はどうでしょう???)。防衛株はポジティブ。新興国株は(まだ)手放しませんが、欧州・中国関係へのアンテナを張っておこうと思いましたワ。

 

 

ところで、2013年、CIAがメルケル首相(当時)の電話を盗聴していると話題(事件?)になった時「アメリカ、同盟国に対して何やってんの?」でしたが、今から考えれば「なるほどね」という感じがします。
コラム:ドイツを敵に回す米スパイ活動、その目的は | ロイター

 

 

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