塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ピーター・ティール】長老政治が米国を動かしている。Bitcoinで革命を。

塾長です。

先週(4/6~9)、暗号資産のカンファレンス「Bitcoin 2022」がマイアミで開催されました。報道によると、ピーター・ティールが基調講演を行い、バフェット、ダイモン、フィンクがBitcoinの普及を妨げているとして、名指しで批判したらしい;

www.bloomberg.co.jp

記事を読むだけでは文脈や、雰囲気が分からないので、実際の映像を見てみましょう;

www.youtube.com

ティールが舞台に上がる前、1999年の彼の講演(スマホ・インターネット/通信・通貨・銀行口座が政治的な影響を受けない形で融合し、ドルが支配する、的な事を言っている)を紹介。登場した彼が何を語ったかというと・・・

Paypal創業時の投資家向け説明(investor pitch)では、片手にドル紙幣を持って始めた。moneyというのは奇妙なものだ。(ここで手に持っていた紙幣を、会場の人に投げる)今でも紙幣が機能するのはクレイジーだ。

・我々がPaypalを創業したとき、金融システムについて理解していなかった。1999年2月、Payplaシードラウンドピッチ(創業のタネ銭を得るための投資家説明)で、このスライドを使った(PaypalのMobile Walletが財務省通貨発行権の一部を奪い、$1B/年を売上る、と書いてある)。その時財務省FRBの違いも分かっていなかった。

 2002年、Paypal IPOでは、そのビジネスモデルを漏斗(funnel)に例えたスライドを使った(注:Paypalユーザ間でカネをやり取りする時、いちいち銀行口座を通さなくて良い。その方が素早く、効率的である、という主張)。

 この2つのスライドの違い、すなわち、閉じたループとfunnetから今日の話を始めたい。

・当時のpaypalはそれほど野心的でなかった。カネを素早く動かす事だけを考えていた。その後様々な事を考えて、分かった事がある。資産の価値(value)は、その価値の速度(velocity)の逆数である、と。1999年のPaypalでは、速度が低く・価値を保持する資産を狙った。2002年のPaypalは資産を素早く動かす(velocityが高い)ことを狙った。

 ゴールドとVISAの関係もそうだ。ゴールドはめったに移動せず価値が高い。Visaは素早く多額の資産を動かすが、それ自身がカネを持っている必要は無い。

 人々はこの2つの側面(velocityとvalue)を混同して考えてしまっている。人々はマネーというと、先ほど見せた百ドル札を想像する。現金は奇妙なカネの形だ。ゴールドとVISAの中間に位置する。現金を保管するためには、マットレスに隠すだろう。レストランの支払には使えるが、家を買うのは難しい。支払いにも保管にも最適でない、その中間にある。

 BitcoinとEthereumの関係もそれで説明できる。Bitcoinは価値の保管に適し、ゴールドを置き換えるものだ。Ethereumは価値を素早く動かす仕組みである。正直に言わせてもらうと、Bitcoinは最も速度が遅く、最も価値の高いものである。Ethereumについては、あなたは速度が速く、摩擦の無い支払いに向いていて、さらには多くの価値を内在(intrinsic value)していると言うだろうが、辻褄が合わない。

・BTCとETHを市場価値でくらべると、BTCは$831B、ETHは$386B。ETHとVisaの市場価値ほぼ同等なので、公正に評価されていると言えるだろう。

 一方ゴールドの価値は$12Tであり、BTCがゴールドを置き換えるというなら、なぜBTCはそれほど価値が低く見積もられているのか?

 一歩下がって見てみよう。ゴールドは$12Tの価値があるのだろうか。1970年代、ゴールドの価値が急上昇した。一方で株は振るわなかった。1980年1月、ゴールドの市場価値は$2.5Tであり、全世界株の合計市場価値は$2.5T。1:1の比率だった。2022年、ゴールド$12T、株$115Tである。1:10の比率になった。この比率はどうあるべきか?

 一つの単純な説明は、1970年代現金や債券はゴミだった。株も同様。それは多くの規制があり、高インフレ、高税率の環境においては、税金を取られた上にインフレに追い付かず、投資としては悪手だった。2010年代、ゴールドは良かった、Bitcoinは非常に良かった。Bitcoinの真の競争相手はEthereumではない。Ethereumは支払いシステムだ。ゴールドでさえない。競合はS&P500や株式全体である。なので、株が上がれば、Bitcoinも上がる。日々の値動きはハイレバのNasdaqのようなものだ。

 そして今、1970年代のような環境だ。高インフレ、多くの規制がある。現金や債券はダメだ。株もそう。企業は政府にコントロールされている。Bitcoinは、政府にコントロールされたりしない。

 しかし、Bitcoinと株を比べると、市場価値は1:10。なぜだろうか?不換通貨の価値は下がり、高税率がかかるのに。私はBitocinが100倍になると望んでいる。

 しかし、Bitcoinの値動きを予測するのは難しい。しかし、Bitcoinは最も正直な市場であり、最も効率的な市場である。炭鉱のカナリアであり、インフレが来ることを予見していた。中央銀行が破綻すると言っている。不換通貨の時代の終焉だ。中央銀行、パウエルはBitcoinに感謝すべきだ。これが最後の警告である。彼らは無視しているが。数年後その代償を払う事になる。

・今一度この質問に戻ろう。なぜBitcoinは$100,000、$1Mと値が上がらないのか。なぜゴールドや株を置き換えないのか。そのためには何が必要なのか。Bitcoinについて、その技術が素晴らしいと良く言われる。しかし、政治についても考えるべきだ。何がBitcoinを政治的に止めているのか。そこで私は、敵の名前を挙げていきたい。実際は多くの敵がいる。名前の無い、顔の無い、官僚主義の陰に隠れている人達だ。Bitcoinを10倍、100倍にするのを妨げているのは・・・、

 最も悪い敵は、ウォーレン・バフェットだ。彼は、オマハから来た社会病質的年寄り(sociopathic grandpa from Omaha)。彼らは帳簿のことを考え、Woke企業の株を持ち、不換通貨システムをロングする。マネー・マネージャーは常に投資が複雑な振りをする。あなたがすべき事はBitcoinを買うだけなのに。それが実現すれば、彼らが職を失うからだ。ゴールドについても同じ。彼らはゴールドを決して好きにならない。彼らは画一的な偏見と、左寄りの思想を持っている。

 もちろん、NYの銀行家にもバイアスがある。ジェイミー・ダイモンだ。ラリー・フィンクもそうだ。全ての機関投資家は、Bitcoinポートフォリオに入れる必要がある。米国の年金基金Bitcoinを買わないのは、政治的な選択である。我々はそれを押し返さなければならない。ラリー・フィンクはblockchainに賛成だが、Bitcoinには反対だ。これは非常に典型的である。blockchainは素晴らしが、Bitcoinはそうでもない、と言う。

 そして彼らが考え出したラベルが、ESGである。ESGは真の敵と言って良いだろう。ESGは憎悪を作り出す工場(ESG is just a hate factory)だ。敵の名前を作り出す。彼らがそうするのを許してはならない。常にESGとCCP(中国共産党)の違いは何か?問いかけるべきだ。あなたがESGと聞いたら、それはCCPだと思うべきだ。ESGは驚くほど包括的だ。エネルギー企業とBitcoinを攻撃する。他の企業、特に公開企業は政治的に正しい事が期待される。私はCEOに対して、企業を公開するのは政府の支配を受け入れる事だとアドバイスする。CFO、理事会、会計士、弁護士、HR、彼らはある意味政府の手先である。ESGがその傘の役割を担っている。

 Bitcoinの素晴らしさの一つは、Bitcoinが企業でないこと。取締役会は存在しない。Satoshiが誰かさえも知らない。予知能力があり、2020年のインフレを予見した。

 現状を一言で表すと、長老政治(gerontocracy)である。金融的長老政治がESGと言った用語を使い国を動かしている。一方、我々は革命的な若いムーブメントである。我々はこのカンファレンスから飛び出して、世界を取り戻さなければならない。

ということで、彼のリバタリアンとしての姿勢が良く表れた演説(?)でした。

BTCは保管向き、ETHは決算向きと言っている部分、2つの住み分け論としては綺麗だけれど、Ethereumは保管用途としての価値が低いと言ってしまうと、Ethereum信者からは反論を受けるでしょうネ。彼としては、一つの(非中央集権的)仮想通貨がベースとなり、まとまらなければ、(彼の)革命は成功しないと思っている印象を受けました。

Bitcoin機関投資家から買われるべきで、それを邪魔しているのはバフェット、ダイモン、フィンクのような現状のシステムから利益を得ている(だから現状を変えたくない)人達だ、と。2割くらいは賛同しますが、長老政治大国日本から見れば、バフェットもダイモンもフィンクも素晴らしいヨ、と言いたい。Bitcoinがカネになると思えば、彼らも宗旨替えするでしょう。一昔前、Occupy Wall Street、We are the 99%という運動がありましたが、その勢力を取り込みたいと考えての発言かも知れない。残念ながら、彼らは左寄りを指向しそうですが。なんだかんだ言って、彼らは貧しくないし、国は豊かだから。

 

Bitcoinが通貨として広まるルートとしては、本当に貧しい国や、おかしな政治体制を持った国からでは?と思いマス。こちら(↓)のパネルでは、脱北者(女性)、現在もフランス植民地主義に苦しんでいるトーゴーの女性、汚職が蔓延しイスラエル通貨を使っているパレスティナ人の男性が、Bitcoinが解決策になる、と夢を語っている。通貨のコントロールは、重要な政治権力なので、政治的に狂っている国の人達が、政治家から権力の一部を奪いたいと思うのは当然。ぜひ頑張って頂きたい。

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しかし、局所的には正しくても、世界規模で見れば、世界基軸通貨はドル。ドルをコントロールしているのは米国。米国がドル支配体制に穴を開ける運動を見逃すとは思えません・・・。

 

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