塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【リチャード・フィッシャー】FEDは馬を納屋から放った。高インフレ、高金利が続き、低金利を前提とした会社はつぶれる。

塾長です。

昨日(米国6/15)の米株市場は、FOMCを通過してアゲ。

 S&P500、3,789(+1.46%)

 Nasdaq、11,099(+2.50%)

【米国市況】株が上昇、議長発言で安心感-ドルは133円台後半 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、116.16

 10年債、3.3950

 ドル円、134.0820

 Bitcoin、22,544

 

 

経済指標:

 5月 小売売上高[前月比]、-0.3%(予想0.3%)

 5月 小売売上高(自動車除く)[前月比]、0.5%(0.7%)

 6月 NY連銀製造業景気指数、-1.2(3.1)

 6月 NAHB住宅市場指数、67.0(68.0)

米NAHB住宅市場指数、2年ぶり低水準-需要後退とコスト高で - Bloomberg

 

 

金融政策:

FOMCは0.75%利上げを決定し、終了。次回ミーティング(7/26、27)でも0.75%らしい;

FOMC声明:インフレ率を目標の2%に戻すことに「強くコミット」 - Bloomberg

FOMC、75bp利上げ-7月は75か50bpの公算大とFRB議長 - Bloomberg

パウエル議長の発表、QA全編はこちら;

www.youtube.com

だいたいこんな事を言いましたヨ

  • インフレとインフレ期待が高過ぎるので0.75%利上げ。次回も0.5ー0.75%利上げとなるだろう。
  • 前回FOMCでは0.5%利上げ予定と言ったが、高いCPIデータと、高いインフレ期待(ミシガン大学調査など)が出たので0.75に変えた。2%に戻す。
  • FEDが操作できるのは需要側。今のインフレは供給側に起因する要素が多いが、何とかする(ように求められている)。
  • 失業率は今より上がるのは仕方がない。それよりインフレ退治の方が重要。物価安定あってこその経済成長である。
  • (小売売上減少のデータを引き合いに、需要が弱まっているのでは?という質問に対して)消費はモノからサービスに移行している。全体的に消費は過熱ぎみという認識。
  • SEP(Summary of Economic Projections)が示しているのは、今年の終わり時点、FFレートを若干引締め気味の3.4%にして、2023年にはインフレが2%台に乗るという予想。年末まで6か月あるので、変わる可能性はある

今回はSEPへの言及が多かったので、そちらへのURLも載せておきましょう;
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20220615.pdf

 

 

今回のFOMC/パウエル発言に対して、デイビッド・ザボスやガンドラックもコメントしているが、一番良い事言っている元ダラス連銀総裁リチャード・フィッシャー(Richard Fisher)を取り上げます;

www.youtube.com

FEDはインフレをまったく制御できていないように見えますが?

・完全に制御を失ったとは言えない。

 一つパウエル議長に合意できない点がある。彼は賃金上昇の連鎖(スパイラル)が起きていないと思っているが、どの会社のCEO、CFOと話ても、会社の大きさに関わらず、公共でも民間でも、労働者を見つけるのが難しく、高い賃金を払わなくてはならず、生産性が下がっている、と言っている。私は、賃金上昇の連鎖は始まっていると思う。

 ここでやらなければいけないのは、我々の経済を蝕むインフレを退治すること。不快で、精密な外科手術が求められる。パウエルはそれを率直に語ったと思う。彼らは、私が「納屋から馬を放つ(the horse out of the barn)モデル」と呼ぶ政策を行った。それはインフレが起きるのを待って、対処するという方策のことだ。実経済で結果が出るのは18か月かかる。株式市場の反応は素早いが、実ビジネスはどうは行かない。仕入れや求人や様々なことをやる必要がある。どの企業も値上げが必要だと言っている。NFIBが昨日発表したサーベイを見て欲しい。利益確保のため、もっと値上げをすると言っている。彼らは公開企業ではない。私企業だ。米国民の半分がこのような企業で働いている。この流れは長く続くだろう。4%(のインフレ)が続くだろう。パウエルが言ったように、ウクライナ情勢や中国のロックダウンは制御不能だ。しかし、制御可能な部分に対して行動を起こす必要がある。それは厳しい薬、手術になるだろう。

ー彼らはインフレが起きるのを懇願していた。それが得られた今、制御しなければいけない、となっている。尊大(hubris)だったのではないか?

・先に言ったように、彼らは馬を納屋から出すアプローチをとったのだ。2年前のジャクソンホールで、そう決めた。私は間違いだと批判した。インフレが一時的かどうか見極めてから、行動する(のでは遅すぎる)。私はもちろん、アラン・グリーンスパンベン・バーナンキ、ジャネット・イエレンも間違いを犯してきた。見通しを誤って、間違いを起こした。時には正しく、時には間違った。いずれにせよ、先制攻撃を講じた(pre-emptive measures)。これは後からの対応(post measures)である。よって、時間がかかるし、難しい。年金や低所得者を痛めつける。

 金持ちにとって厳しいと言える面もある。去年、何も持っていない会社が1,500社も上場した(多分SPACの事を言っている)。(借入)コストがゼロな状況がそれを許した。金融市場が心配である。重大な失敗、重大な修正を見ることになるだろう。大きなストレスだ。(質問しているCNBC出演者を指して)あなた達のような頭の良い投資家にとっては良いだろうが、市場に大きな混乱が起こるだろう。誰かが救済しなければいけない事態になるかも知れない。それが金融政策なのか、規制なのかは分からないが。

ーそれはシステミック・イシュー(金融システム全体を揺るがすような問題)となるか?

・システミックと言えるかどうかは分からないが、これだけは知っている。マネーのコストがゼロであれば、将来のキャッシュフローの価値は無限大になる、のだ。仮想通貨業界、Fintech業界、ミーム株を見て欲しい。多くの一般投資家、若い人達は、永遠にマネーが無料だと考えた。彼らは大きな怪我を負うことになる。重大事故となるのか、FEDか誰かが対応しなければいけなくなるのか、見守る必要がある。ブラックスワンの可能性がある。

ということで、リチャード・フィッシャーは、4%程度のインフレ率が数年に渡って続くので、金利も高い(FFレートにして3~4%?)が続く。そうなれば、低い借入コストを前提にしていた会社が潰れて行く、株や社債相場が荒れるという予想。

積立放置で証券口座を開けない期間がどんどん長くなる予感。

 

 

財政政策:

U.S. Senate finance chair to propose tax on excess oil profits | Reuters

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

大きなニュースはないので、マイク・ウィルソンのコメントを簡単に紹介してオシマイ。

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  • 我々の見立ては変わらない。利上げしてもインフレ問題はすぐに解決しない。経済のスローダウンに向けて利上げするのだから、リセッションの可能性が増した。
  • S&P500は3,400~3,500のレベルまで落ちる。利益の引下げがあるだろう。ソフトランディングが可能なら、もっと強気になれるのだが。
  • NasdaqはPERがS&Pより高かったし、コロナの反動需要を取り込めない分だけ、もっと落ちるだろう。

だ、そうですヨ。

株が安く買えるようになりそう。

 

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