塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

DoubleLineによる雇用統計解説。Oracleが大規模レイオフを計画。

塾長です。

昨日blog記事にて、ジェレミー・シーゲル教授とボスティック総裁の6月分雇用統計に対するコメントを紹介しました;

alibertarian.hatenablog.com

その時は、彼らがそれぞれ「表向きの数字は良いが、蓋を開けてみると弱い」「経済は減速し始めた事を示している」と言っていたのが良く分かっていませんでした。

その後、DoubleLine(ジェフリー・ガンドラックの会社)の解説を読んで少し理解が進んだので、そちらを貼っておきます;

こんな事が書かれている(下線・太字は筆者による);

・6月分の雇用統計はマチマチ(mixed signals)だった。

・非農業部門雇用者数はコロナ直前の2020年2月に対して、まだ524K(0.34%)少ない。

・6月、非農業部門雇用者数は+372Kとなり、予想以上だったが、4,5月分の数字が22K下方修正された。

・民間セクターで381K増加(注:政府セクターのみ減少した)。
 professional and business services、leisure and hospitality、health careが突出して増加。

・家計調査(the household survey、農業部門・個人事業主を含めた数字が出る)において、労働者数が315K減少した。これは非農業部門の増加分(372K)にとても近い数字である。

・失業率は3.6%で変わらなかった。ちなみに、コロナ直前の2020年2月は3.5%だった。

・驚くべき事に、U-6失業率(注:フルタイム労働したいのにパートタイムで働かざるを得ない人を失業率の分子に加え、仕事が見つからなくて求職を一時的に止めてしまった人を分母に加えた、超広義の失業率)は7.1%から6.7%に減少した。

・労働力は約350K減少した。労働参加率は-0.1%減少して62.2%となった。

・働き盛り(25-54歳)の労働参加率は-0.3%して、82.3%。

・人口に対する雇用者数の比率は、コロナ後最も大きく減少した。60.1から59.9と変化した。

原文(ツイート)にはグラフが入っていて読みやすいので、そちらを参照して欲しい。

 

・表向きの雇用者数は伸びたが、その中身はコロナで失職し個人事業主となっていた人達が雇用に入ったに過ぎないのでは?

・失業率はコロナ前と同じ水準であるが、労働参加率は大きく下回っている。FEDは「求人倍率が2倍を超えているから労働市場はタイト。だから利上げしても大丈夫」と言うが、低賃金職や医者・看護師の求職が多いだけなんじゃないの?

って事かな。(U6の低下は、分子が減ったのか、分母が増えたのか、分からなかったのでコメントできません・・・)

 

また、シーゲル教授が心配していた週間労働時間については、@MacroAlfさんが長期のグラフを作ってくれていました;

コロナ後、人手不足で残業を余儀なくされていたのが、ほぼコロナ前の労働時間に戻っている(人手は足りてきた)のが分かる。

 

 

最後に、一つの企業の話でしかありませんが、数が多いのでこの話題を。Oracleは早ければ8月にも、$1B(1千300億円)のコストカット、”数千人”の解雇を予定しているのだそうだ;

seekingalpha.com

解雇される人の雇用費用を$250Kと仮定すると(少な過ぎるかな?)、$1Bは4千人分。

多分世界中で人員削減するので、仮に米国は2/3とすると、2.66千人。

8月の職増加が300K辺りだとすると、約1%の下押し圧力となる計算。

 

 

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