塾長です。
昨日(米国8/5)の米株市場はホットな雇用統計で一旦下げて、なぜか回復。
昨日「雇用統計で株価が動く」と当たり前の事を書いたつもりでしたが、それさえもハズレました。猿ダーツよりも当たらない。(自分の能力がその程度だと分かっているので、投資の大部分は定期積立にしている)
S&P500、4,145(-0.16%)
Nasdaq、12,657(-0.50%)
【米国市況】S&P500が週間で上昇、雇用統計は好調-ドル135円付近 - Bloomberg
S&P500種指数は一時1.1%安まで下げる場面があった。だが同指数とナスダック100指数は週間ベースで3週連続高となり、4月以来の長期上昇局面となっている。
原油、88.53
10年債、2.8400
ドル円、134.9700
Bitcoin、23,256
7月 非農業部門雇用者数[前月比]、52.8万人[予想24.9万人]
7月 失業率、3.5%(3.6%)
7月 平均時給[前年比]、5.2%(4.9%)
同[前月比]、0.5%(0.3%)
7月米雇用者数、予想大幅に上回る伸び-リセッション懸念和らぐ - Bloomberg
7月の統計は、人手不足に悩むサービス業を中心に多くの産業で労働需要が旺盛なことを示唆する内容。宿泊および飲食サービス、ヘルスケアなど広範囲で雇用が伸びた。
それにしてもエコノミストの予想は外れ過ぎ。
なし。
なし。
中国、ペロシ米下院議長に制裁-8項目の対抗策も発表 - Bloomberg
8項目の対抗策は以下の通り。
- 米軍幹部との対話取りやめ
- 米国防総省との作業会合中止
- 海の安全巡る米国との会合取りやめ
- 犯罪対策の対米協力停止
- 不法移民送還に関する米国との協力停止
- 米国との司法協力停止
- 麻薬との闘いでの対米協力停止
- 気候に関する米国との協議停止
下線部が重要そう。それぞれ
- 中国からの粗悪品、模造品の輸出を増やして、米国の産業を壊します。
- 中国からの麻薬(フェンタニル)の輸出を増やして、米国民を殺します。
- バイデン政権が支持者に訴えたい気候変動には協力しません。中間選挙で負けてしまえ。
と言っているように聞こえました。
AmazonがiRobot買収;
アマゾン、16.5億ドルでアイロボット買収へ-「ルンバ」メーカー - Bloomberg
米アマゾン・ドット・コムは、ロボット掃除機「ルンバ」を製造する米アイロボットを16億5000万ドル(約2200億円)で買収することで同社と合意した。
iRobotoは興味の範囲外だったので知りませんでしたが、2,200億円で買えることにビックリです。2,200億円くらいならブランド料だと考えて買う中国・台湾・韓国メーカーがあっても良さそうだったのに。
景気を占う上で、昨日の決算で注目していたのは、Western Digital。彼らの第4四半期はというと・・・;
Western Digital (WDC) Q4 Earnings Beat Estimates, Revenues Miss
- 企業向けが好調。小売・消費者向けが不調。
- 利益は、Zacksのコンセンサスは上回ったが、前年同期比17%減、前期比8%上昇。
「リセッションがくるぞ!」的な内容ではありませんでした。
Warner Bros. Discoveryの決算会見についてのレポートがいくつか出ていました。Yahoo FinanceとCNBCの言っている事を総合すると・・・;
- 過去数年、AT&Tの元で行われた経営は間違いだった。これから正すつもり。
- 来年夏までにHBO MAXとDiscovery+を一体化する。それまでの間、それぞれのチャンネルでコンテンツをシェアする。
- 広告付きサブスクリプションを導入して、価格に敏感な消費者を取り込む。
- プロフィットを重視する。
NetflixやDisneyのように、コンテンツ制作に無限にカネを突っ込まない。既存コンテンツを有効活用する。ストリーミング専用のコンテンツは作らない。
海外で売って行く。
株価チャート(YTD)がこちら;
Wanrer Bro. Discoveryとして取引開始されたのは4月初旬だったので、それ以降(チャートの中央辺り)を見た方が良いでしょう。
ずっと右肩下がりで、7月の上昇相場に相乗りした分を全て吐き出した。
逆に言うと、底は割れていない(ポジショントーク)。
今後は、Netflix、Disney+でも導入されると言われている広告付き(安価もしくはゼロ円の)プラン次第でしょうか。
「結局ビジネスモデルは広告収入なのネ」と寂しい気持ちになりました。いくら良いコンテンツを作っても、結局過剰消費の上にしか成り立たないのね、と。
一人の消費者としても、広告(費)は無駄なコストとして商品に乗ってくるので、嬉しくない。
ちなみに、ナショナル・ブランドとプライベート・ブランドがあれば、プライベートを選ぶ派デス。
車もプライベートブランドがあれば良いのに、と思う。唯一Teslaだけは広告を出さないらしいですネ(世界中のテレビ、新聞・雑誌、Internetを見て回ったわけではないので、本当かどうかは知りません)。
最後は、かつてハイイールド債で大儲けしたハワード・マークスのインタビュー;
ー今の経済や市場をどう見ていますか?
私は多くの人とは違った見方をする(contrarian)。多くの人が言うのと違い、私は経済がどこに向っているか分からない。FEDが何をするか分からない。リセッションになるか分からない。
賢く立ち回る時でない時に、賢く立ち回ろうとしてはいけない。リスクは通常と同じ範囲だろう。
それゆえ、Oaktree Capitalは通常と同じことをする。過度に積極的にならないし、過度に守りに入らない。
ー分からないと言うなら、何をすべきだろうか?
あなたもいつもと同じ事をすべきだろう。リスクを上回る利益が見込めるものを買う。我々も時には積極的になるし、時には守備を固める。今はどちらの時でもない。
ー中国株はどうでしょう?最近の情勢もあり、中国への投資は人気がない。米国株式市場から締め出される可能性もある。
我々は主に中国の債券を扱っている。個別の株については意見を持たない。
しかし、私は他の人がやらない事をやってキャリアを築いた。こんにち、中国は”投資不可能(un-investible)”と言われている。5年前、high yield bondは投資不可能と言われていた。通常、”投資不可能”と言われるモノの中に、割安(bargain)が見いだせる。これは”投資不可能”を買えと言っているのではない。他の人が触りもしない場所が、bargainを見つける所だと言っているだけである。
ーそれではSPACはどうか?
もし私が株の投資家であれば、そうするだろう。
ーInfration Reduction Actの中に、Carried Interest Loopholeを無くす提案があり、それが削除されそう。どう思いますか・
Carried Interestはファンド運営者が投資家から預かったカネを長期運用して得た利益を、キャピタルゲインとして扱うものだ。私の個人的な意見では、キャピタルゲインは、あなたが長期投資をして得た利益のことである。他の人のカネを運用して得た利益は、キャピタルゲインとは言えない。
ということで、テレビ(CNBC)に出演する人が「株は上がる・下がる、金利はこうなる、FEDはこうする」等々言うのを諫めています。
投資家(我々)も下手に「株は底に向かう」「いや、上昇する」などと予想せず、淡々と売買すればよいのだと。
テレビ的にはまったく面白くない内容(これを言ったらCNBC、Bloomberg等はほぼ成り立たない)ですが、真実でしょうネ。
Carried Interestの件は・・・、どこかで時間があれば書こうと思います。