塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【DoJ】GoogleがAppleにカネを払っているのは独占禁止法違反、【マルコ・パピック】FEDはハト派転換するので株を買え

塾長です。

昨日(米国9/8)、S&Pが4,000を回復。

 S&P500、4,006(+0.66%)

 Nasdaq、11,862(+0.60%)

【米国市況】株続伸、FRB議長発言タカ派的も驚きなし-144円付近 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、82.95

 10年債、3.2920

 ドル円、144.0000

 Bitcoin、19,322

 

 

経済指標:

米新規失業保険申請、4週連続で減少-5月以来の低水準に - Bloomberg

米国では新規の失業保険申請が4週連続で減少し、5月以来の低水準となった。経済の先行きが不透明であるにもかかわらず、健全な労働力需要が続いていることが示唆された。

 

 

金融政策:

パウエルさんの発言;
FRB、大幅利上げが視野に-パウエル議長がタカ派姿勢を維持 - Bloomberg

労働市場において需要は依然極めて強い。雇用者数は高い水準での伸びがなお続いており、賃金は高止まりしている」
「われわれは政策介入により、経済成長が潜在成長率を下回る期間を得たいと考えている。それにより、労働市場はより良いバランスを取り戻し、賃金は2%のインフレ目標とより整合した水準へと下がっていく」

労働市場逼迫、賃金上昇を懸念。

逆に言いうと、賃金上昇が抑えられれば、利上げは止まる。

労働市場は経済サイクルの中で比較的遅れて反応するので、金融引締め過ぎとなる可能性が高い。う~む。

 

 

財政政策:

米国からウクライナ周辺諸国に対し、武器$675Mを含む$2.7Bの支援を発表;
Ukraine war: US approves $2.6bn in aid for Ukraine and allies - BBC News

 

 

日本では、またバラマキ;
【速報】物価高対策で「5万円給付」低所得世帯に 岸田首相が表明(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース

 

UKの新首相は、高騰する電力料金に制限をかけるとバラマキ発言;
https://www.cnbc.com/2022/09/08/british-pm-liz-truss-announces-a-cap-on-energy-bills.html

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

9月8日に行われたGoogleの反トラスト法(独占禁止法)訴訟前ヒアリングにおいて、DoJの主張は「Google(Alphabet)が自社サーチエンジン and/or ブラウザをデフォルトとするために、スマホメーカーAppleSamsungや、携帯電話会社AT&T、Verizon、T-Mobileに多額のカネを払い、独占的地位を確立しているのは、反トラスト法違反だ」というものでした、とさ;
Google Pays ‘Enormous’ Sums to Maintain Search-Engine Dominance, DOJ Says

AppleSafariブラウザにGoogleサーチエンジンを使うことで、Alphebetから大金を受取っている」というのは広く市場で共有されてきた情報なので、その点は否定できない(争点とならない)でしょう;
Google Accounts for a Huge Amount of Apple's Profits | The Motley Fool(2021/9/8付け)

Apple collected around $10 billion in TAC payments last year, according to estimates from Bernstein analyst Toni Sacconaghi. He expects that number to climb to $15 billion this year, and it could reach $20 billion next year. He estimates Google's payments will account for about 9% of Apple's gross profits in fiscal 2021.

Bernstein トニー・サコナギの推計によると、Appleは去年(2020年)TAC(trafic acquisiton cost)として$10Bを受取り、今年(2021年)は$15B、来年(2022年)は$20Bに達する。
2021年において、Apple売上総利益の9%を占める。

この手の裁判は曖昧なまま決着することが多く、落し所の方が気になりますネ。
特にAppleが自社製サーチエンジンを提供し、自社広告ビジネスを伸ばすのか?辺り。

 

 

 

最後はClocktower マルコ・パピック。地政学をベースにしたストラテジスト;

www.youtube.com

長いので、まず超訳すると、こんな事を言っている;

  • 米国株に強気である。
     インフレはピークを越え、FEDは大統領選挙18か月前には大幅利上げできず、CPI4%程度でハト派転換する。CPI4%の世界では、利上げ幅が少なくなっただけでも、株にとっては追い風となる(FED PUT)。前提条件は、headline CPIを左右する石油価格が下落すること。
     QTは債券利回りを低下させるので、しばらくの間、株にとっては逆風とならない。
  • 欧州株にも強気である。
     欧州危機でもユーロはドルと等価(1ユーロ=1ドル)にならなかった。今は1ユーロの価値は1ドル以下となっている。それは最悪の状況が織込み済みである事を示している。

 

以下、(ほぼ)全訳;

ーあなたは逆張りの意見を持っているようですね。インフレはピークを迎えた、FEDは政策転換(pivot)するので、株を買うべきだと。しかし、パウエルはpivotを完全否定しています。

・単純に、私は彼を信用していない。むしろCPIの方が重要だ。CPIがピークを迎えた後、株がラリーしなかったのは、2008年、1987年だけだ。どちらも非常に深いリセッションだった。私はFEDがそのようなリセッションを作り出したいと望んでいないと思う。来年のある時期、CPIが下落し、政治的に利上げペースを落とすべきと圧力がかかるだろう。CPIが5,4%になった時点で、ある種のPED Putとなるだろう。

ーしかし、5、4%ではFEDの目標の2倍もある。

・そこが私が疑っている点だ。私が間違っているならば、米国経済は壊滅的な(calamitous)リセッションに陥るだろう。

FEDが利上げを継続した場合という事ですね?

・そうだ。

 そして、FEDは本選挙(general election - 2024年大統領選挙を指している)の18か月前に大きな利上げはしない。それも考えに入れるべきだ。

ーということは、強気なのですね?

・株に対してはYes。CPIがピークを越えたというのが正しければだ。その多くは原油価格に依存している。需要と供給以外にも、地政学リスクに影響を受ける。来年に向けて原油価格が下がるなら、CPIも下がる。

 このサイクルで興味深いのは、この点だ。原油価格との関連性が反転してしまった。かつては、正の相関があったが、今は負の相関関係にある。

原油価格が下落するのは、中国、欧州経済がスローダウンし、その後米国も続くからですか?

・そうだ。そして、原油価格下落が、FEDの行動を誘発する。前回のサイクルとは違う。前回のサイクルでは、原油価格の変動とFEDの行動に関係は無かった。しかし、7月15日、パウエルはheadline inflationを注視していると言った。すなわち、原油価格を含むという事だ。昨日が良い例だと思う。昨日、原油価格が下落し、株が上昇した。

ー昨日の株価上昇をそう見ているのですね。国債利回りの低下も同じ理由ですか?

・そうだ。同じストーリーで語れる。

ー来年、FEDは利上げを止めるだけではなく、利下げするでしょうか?

・そこが重要なポイントである。CPIが4%のとき、FEDのPUTとはどういうものだろうか?金利(FFレート)を上げる・下げるというのは重要ではない。投資家にとって重要なのは、実金利が上がるのか、下がるのか、同じ(sideways)なのか、である。これまで金利は大幅に上昇した。CPI4%の世界においては、金利をより少ない幅で上げる(hike less)だけで、実質金利の上昇は止まる。

 私の考えでは、0.75%利上げから、0.25%利上げにするだけで、FEDは「まだインフレと戦っています」という態度を維持できると同時に、FED PUTとなるだろう。

ーQTもあります。バランスシート削減の影響が出ると、多くの人は心配している。

・皮肉なことなのだが、株式市場にとって最悪なことはなんだろう?債券利回りが急上昇することだ。QTが行う事は、QEの逆である。QEは、あなたに債券を売らせ、株を買わせる。その逆なのだから、ある意味、株にとって逆風であるが、実際は債券利回りを減衰させる(keeps bond yield dampened)ので、この先12か月、株は大丈夫だろう。

ー欧州についても聞きたい。今は誰も欧州に投資したがらない。高物価、金利上昇、リセッション、エネルギー危機だ。どうして、欧州に魅力を感じるのですか?

・市場は先を見る(forward looking)。市場は既に最悪を織り込んでいる。リセッションに、エネルギー危機。誰もが知っていること。

 ユーロはparity(ドルと等価)にある。視聴者には思い起こして欲しい。欧州危機のときでさえ、ユーロはparityにならなかった。多くの悪いニュースは織込み済みなのだ。

 

 

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