塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジム・ビアンコ】原油価格がコアCPIを押し上げるので金利は上昇する。【ランス・ロバーツ】原油価格とコアCPIに相関関係は無い。

塾長です。

昨日(米国9/18)の米株はヨコ。UAWのストのニュースが溢れているが、株式市場は静観。

 S&P500、4,453(+0.07%)

 Nasdaq、13,710(+0.01%)

【米国市況】株は小幅高、「タカ派的な米利上げ見送り」に市場身構え - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油92.25

 10年債、4.3190

 ドル円、147.5980

 Bitcoin、26,860

 

 

経済指標:

なし。

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■スト関連の報道、情報を少々;

米国商工会議所(US Chamber of Commerce)所長がストの頻発をバイデン政権のせいだと言ったらしい;
UAW strike a ‘natural result’ of pro-union Biden policies: US Chamber of Commerce

“The UAW strike and indeed the ‘summer of strikes’ is the natural result of the Biden administration’s ‘whole of government’ approach to promoting unionization at all costs,”

 

こちら(↓)の記事よると、「今年に入って8月までにストで失われた労働日数は410万日を超えた。2000年以来、それは200万日を超えたことが無かった」だそうです。
U.S. Workers Strike Caused 4.1 Million Work Day Lost in August/

 

こちら(↓)には「(組合のない)TeslaとBig3の賃金は既に20ドル/時の差があり、今回のUAWの要求が通るとその差は倍になる。ダン・アイヴスによると、この戦いの商社はイーロン・マスクとTeslaだ、そうだ」と書いてある;
Tesla Employees Make $20 Less Per Hour Than GM, Ford. UAW Proposal Would Double the Gap.

ダン・アイヴスはTesla推し(ポジション・トーク)なので、この発言には驚きませんが、誰も日本メーカーには言及しませんネ。

アナリストが何も言わないだけで、トヨタ、ホンダの株はびっくりするほど上昇していて、市場参加者は評価している様子。

 

 

Morgan Stanleyマイク・ウィルソン、JPMorgan マルコ・コラノヴィックがともに株弱気発言;
モルガンSのウィルソン氏、来年は「リスク資産に厳しい年」になる - Bloomberg

ウィルソン氏による最新の予想では、S&P500種は年末までに依然10%を超える下げとなる。

「より高くより長く」が株式にリスク、JPモルガンのコラノビッチ氏 - Bloomberg

 

 

■〆はジム・ビアンコ;

www.youtube.com

長い動画なので要約すると・・・、

・ハードランディング、ソフトランディング、ノーランディングのシナリオが議論されている。私はノーランディング派。3~4%のインフレ率のもと、長期間、高金利が続くので株には逆風。

・株が年率6、7%上昇したとして、インフレ率が4%であれば、株のリスクを考えれば、その儲けは大きいとは言えない。金利が上がれば上がるほど、株の[MMF、債券等との]競争は厳しくなる。

 10年債利回りが4.3%あたりになり、株は7月から蓋をされたように、値を上げていない。

シカゴ大学の長期間研究によると、株は9%のリターン。過去2年間はゼロ。過去3年間は9%に近い。MMFの利回りは5.5%に近い。リスクがゼロで、株の半分以上のリターンが得られる。金利が上昇し続け、MMF利回りが株の2/3になって行けば、より株からMMFに移行する人が増える。

・S&P500の値上がりの16、17%はMagnificent 7によるもの。それ以外の493社は年初来5%くらいしか上げていない。Russell2000は年初来+4%でしかない。Russell2000の規模の小さい下半分は年初来でマイナス。これらは高金利の影響を受けている。

・債券利回りが上昇しているのは、市場が高インフレが続くと予想しているから。FEDは今年1回利上げするだろう。それが最後とは限らない。

・エネルギー株には強気になる環境が揃っている。原油価格は上昇。OPEC+は産出量カット。米国での需要は記録的。SPRは最低レベル。

原油高はheadline CPIを押し上げる。FEDは石油価格上昇を理由に金利を上げないという人がいるが、FEDはheadline CPIが上がっている時に金利を下げない、経済が崖を落ちない限りは。

エネルギー価格の上昇は、headline CPI(総合CPI)を押し上げるだけでなく、最終的にコアCPIを押し上げる。経済はエネルギーでまわっている。エネルギー価格は[生産の]inputコストを上げる。輸送価格に跳ね返るからだ。30%も原油価格が上がったので、それはしばらくの後、ある程度コアCPIに反映される。

 :

(このあとも興味深い話は続くが、一旦終了)

ということで、ジム・ビアンコは「原油価格の高騰(高止まり?)がheadline CPIのみなららず、コアCPIも押し上げる(それも一つの要因である)。CPIが高いままではFEDは高金利を長期間続ける・金利は上がり続ける」と言っている。

ヘッドラインCPIとコアCPI(ヘッドラインからエネルギー・食品を除いたもの)の関係は、彼が言う通り、関連しているのは間違いないでしょうが、いったいどれくらい/どのような関係性があるの?と疑問になります。

 

ちょうど先週、ランス・ロバーツがその辺りについて語っていたので、抜き出しておきます(動画25分~):

www.youtube.com

  • エネルギー価格について言えば、暖房用のオイル、ガソリン、電気代・公益費などを含んだ全てのhousing コストの7%を占める。そして[CPI]indexの40%がhousing and housing related componentsであり、そのほとんどが住居費(アパート賃料等)だ。
  • エネルギー価格はとてもボラが高い。今上昇基調にあるからと言って、今後も上がると考えるのは間違い。
  • なので、FED原油価格に反応して金融政策を変えないだろう。
  • 原油価格とCPIの相関関係を見ると、過去数年は相関がある(原油価格が上がると、CPIも上がる)ように見えるが、1980年からの長期で見ればはほとんどない(R^2=0.3267)。
  • 一方、原油価格とインフレ期待値の間には相関関係がある(R^2=0.6823)。すなわち、人々は原油価格(≒ガソリン価格)が上がると物価も上がると思っているが、現実はそうではないと言うことだ。
  • 詳しくはこのレポートを読んで欲しい;Oil Price Inflation & Interest Rates. What Is The Link? - RIA

 

そのレポートの中にある原油価格(WTI)とコアCPIを並べたチャートがこちら;

Oil Prices Vs Core Inflation - RIA

彼の結論は「原油価格はコアCPIに含まれるが、コアCPIはその他の要因(特に住居費)が大きく、相関関係としては(ほとんど)無い。なのでFED原油価格に応じて金融政策を変更しない」でした。

その一方で「人々は原油価格が上がると物価も上がると思っている(相関関係がある)」とも言っている。株・債券市場は人が動かしているので、”現在原油価格が上昇しているから、10年債券利回りが上がっている”という(ジム・ビアンコの)説明もあながち間違いとは言えないでしょう。

深い。

 

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