塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

Costco or DG?、【シーゲル教授】お粗末な金融政策と呼ぶには控えめすぎる、【ジム・ビアンコ】何かが壊れるまで株は下がる。

塾長です。

昨日(米国9/23)の米株市場は全面安。S&Pが6月の底値にほぼ到達。

 S&P500、3,693(-1.72%)

 Nasdaq、10,867(-1.80%)

【米国市況】リスク資産が急落、英減税受けて市場混乱-ドル143円台 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、79.43

 10年債、3.6970

 ドル円、143.3200

 Bitcoin、19,354

 

 

経済指標:

 9月 製造業PMI、51.8(予想51.2)

 9月 サービス業PMI、49.2(45.4)

 9月 コンポジットPMI、49.3(46.0)

米企業活動、インフレの落ち着きで改善傾向-総合PMIは49.3 - Bloomberg

 

 

金融政策:

パウエルさん、何を言っているのか分からない。多分自分でも分かっていないのだろう。普通の会社、例えば自動車会社なんかで働いてみると良いと思う。どれくらい決断が複雑で、時間がかかり、その決断をサプライチェーン・製造・販売に反映させるのが大変か、分かるようになる。日々の資金繰りに窮しているレストランなんかも良いですネ;
パウエルFRB議長、米経済は「ニューノーマル」に突入の可能性 - Bloomberg

パウエル米連邦準備制度理事会FRB)議長は米経済について、新型コロナウイルス禍による混乱を受けて「ニューノーマル(新常態)」に入りつつある可能性があるとの見解を示した。

 

 

財政政策:

英国が日本みたいになっている。日本が英国みたいになったんだっけ?;
英国が25.5兆円経済対策、1972年以来の大型減税-通貨と国債急落 - Bloomberg

日本と違って彼らはかつてジョージ・ソロスに負けたので、投機筋は売りやすいでしょうネ。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

Costcoの決算発表を見逃していました。発表されたのは9/20(木)after hours。なので、昨日が決算発表後、初めての取引日であり、株価は-4.26%の466.40ドルで着地;
Costco tops quarterly results on robust consumables demand | Reuters

However, the company's gross margins for the reported quarter were squeezed as it battles higher freight and labor costs due to rising inflation and global supply chain snags, sending its shares down about 3% in extended trading.

マージン減少は予想されていたもののようで、話題は会員料金の値上げへ(Costco利益は商品販売よりも会員料金から出ている);
Costco won’t raise membership fees as renewals surge - Los Angeles Times

Costco Wholesale chose not to raise its membership fees amid record renewal rates in the company’s fourth quarter.

“There are no specific plans regarding a fee increase at this time,” Chief Financial Officer Richard Galanti said on an earnings conference call. However, he said, “it’s a question of when, not if.”

The company typically raises its membership fees every five to six years. The last increase was in June 2017, and some analysts are predicting a boost in early 2023. 

Costcoは第4四半期、記録的な会員更新率を見せつつ、会員料金値上げを選択しなかった。

CFOは「今、会員料金値上げについて特定の計画は無い。しかし、値上げを行うか?ではなく、いつ行うか?の問題だ」と述べた。

Costcoは会員料金を5、6年毎に値上げしている。最近は2017年6月に行われた。アナリストは2023年初頭になると予想している。

ということで、会員料金値上げされれば、株価爆上げ・・・かどうか分かりませんが、戻しそう?

その手掛かりとなりそうなニュース;
 Dollar General's newest shoppers: People making $100,000 a year | CNN Business

“The highest trade-in that we’ve seen and the most robust has actually been between the $75,000 and $100,000 group,” Vasos said at a retail conference Wednesday. Some of these customers first shopped at Dollar General earlier in the pandemic and have now returned, he added.

Dollar General has been a lifeline for lower-income shoppers, particularly in rural areas with few other retail options. The company says its “core customer” makes under $40,000 a year.

Dollar Generalはどちらかと言うと貧しい地区にあるスーパーマーケット。スーパーとは言え、生鮮食料品などの取り扱いは少なく(最近は改善されたという報道もある)、ソーダ、菓子、加工食品、冷凍食品など日持ちのする(売れ残っても捨てなくて良い)生活用品を扱っている。客層のコアは年収$40,000以下。

そこのCEOが「年収$75,000~$10,000(1千万円~1千4百万円)の客層を惹きつけている」と言っている。

昨日の株価は、市場全面安にも関わらず、+0.59%の241.62ドル。

こちらDGの5年チャート;

Dollar General 5Y 2022/9/23 - Yahoo Finance

CostcoがDGに客を奪われるとまでは言わないが、流通業界の変化の一つとして押さえておきたい。

 

 

 

そして、今日のシーゲル教授はお怒りのご様子;

www.youtube.com

激高と言っても過言ではない。怒りの対象は二つ。

一つは当然FED。去年も「インフレは一時的」と間違った判断・政策をしたのに、また同じ(逆方向の)失策をしているから。

もう一つは、FOMC後のQ&Aに出ているレポーター達に対して。もっと真っ当な質問ができるだろう、と。

 

以下、全訳ですが・・・これを読むより、お怒りのご様子をビデオで見た方がイイ;

ーDowは6月の底を割った。他のインデックスも続きそうだ。

・非常にオモシロイ(amusing)のは、去年9月FOMCにて、コモディティー価格、住宅価格が戦後最速の上昇をしている時、パウエル議長、FEDは「インフレなんて見えていない、2022年に利上げは不要」と言っていた。今はコモディティー、資産が下落している。FEDは2023年を通じて高金利を続けると言っている。まったくもって理解不能だ。締め付けすぎだ。インフレは止まっている。原油は1月のレベルに戻った。それは戦争前の価格だ。コモディティーもだ。ケースシラー指数は下落するだろう。これは遅れて出てくる指数だ。全ての価格が下がっている。下がっていないのは賃金。賃金は追い付きモード(catchup mode)に入っている。賃金がインフレを押し上げているのではない。インフレを追っているのだ。FEDは去年とまったく逆の間違いを起こしている。

FEDがハンドルを切り過ぎる(over-steering)と言って、あなたに同意する人がいる。しかし、間違いだろうがなかろうが、FEDは利上げを続ける。それは株に何を意味するのか?

・光が見えるまで、株にはプレッシャーがかかる。金利は上昇し、ドルは20年、30年来の高さ。来週火曜日、月次のマネーサプライ統計が出る。過去5か月で最大の減少になるだろう。戦後最大の落ち込みになる。どんな金融、経済指標も・・・・、先週FEDはプレスカンファレンスで、金利をポジティブ領域に持っていくと言った。既にポジティブ領域だ。全ての年限においてだ。(FEDのプレスカンファレンスで)誰も難しい質問(hard questions)をしなかった。「3.2Mも雇用が増えたのに、GDPが下がっているのはなぜか?」「マネーサプライが記録的に減少している意味は?」「コモディティー価格が崩壊している意味は?」「CPIの40%を占める住宅市場指数が下落しているのに、なぜそれを見ないのか?」と言った質問。誰もハード・クエスチョンをしない。50人tもレポーターがいるのに。声明文を繰り返すだけ。もっと聞くべきことがあるだろう。何を見ているのか?とか。Market oriented dataを見るべきだ。

ーあなたがこれほど活発(animated)なのを見たのは初めてです。

・私は怒っている(upset)のだ。私は2020、21年を通じて金融政策が融和的過ぎると言ってきた。今になってお立ち台の上で「俺は経済を壊すまでタフガイで居続ける」なんて言われても・・・、”お粗末な金融政策(poor monetary policy)”と呼ぶには控えめすぎる。

 

 

 

今日の〆はジム・ビアンコ:

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今回も以前と同じ主張。意訳してまとめると・・・

・何かが壊れるまでFEDは利上げを続ける。株は下がり続ける(プレッシャーがかかる)。

・それが何なのかは分からないが、まだ壊れていない。債券市場かも知れないし、英国、欧州の経済危機や通貨危機かも知れない。

 

個人的には、最初に新興国がドル高に耐えられなくなるんじゃないかと思っています。アジア通貨危機を念頭に言っているわけですが、単なるrecency biasでしょうか。

少なくとも、このドル高、債券利回り上昇が続けば、何かが壊れそう。

しかも加速しているので、この弱気相場の終わりは近い???

 

以下、全訳;

ー誰もが金利上昇に驚いている。あなたも同じか?

・そうだ。今年初め、私は債券市場に弱気だった。それでも(驚いた)。今年は債券の歴史上最も悪いリターンとなるだろう。そして改善の兆しが無い。今日のUKの5年債は歴史上最も大きく上昇。0.51%だ。世界中のinterest ratesが上昇している。私のような債券に弱気な者にとってさえ、目を見張るもの(something sight to behold)だ。

ーシーゲル教授は今日のインタビューでFEDの利上げは急激過ぎ・大きすぎだと述べた。FEDはアクセルを緩めるだろうか?

・それが問題なのだ。なぜ金利が上昇し続けるのか?何も壊れていないからだ。(この直前に番組に出た)サビータは「来年の企業利益のコンセンサスは8%」と言っていた。誰も何かが壊れていると思っていないのだ。失業保険申請件数は減少している。前回の雇用統計で30万のジョブが作られた。確かにFedexはワーニングを出したが、全体としては保っている。それは何を意味するのか?インフレの世界では、金利は上昇し続ける。それが市場を悩ませている。何かが壊れれば、金利は急落する(plunge)。そうすれば、底に近いのだと分かるだろう。今はまだgood news is bad newsだ。

 FEDに関して言えば、彼らは去年の過ちを埋め合わせようとしている。彼らの過ちは、去年利上げを開始しなかったこと。待ち過ぎた。今、追い付こうとしている。

 もう一つ気を付けた方が良いことがある。このインフレは永続的である(persistent)。コロナ後の経済再開で一時的に上昇し、その後無くなるものではない。進行形だ。対処しなければならない。それがFEDのやっていることだ。投資家にとって、非常に難しい時となるだろう。

ー欧州では極端な動きになっている。株は下落し、ポンドも下落、債券利回り上昇、、、これらはFEDへのプレッシャーとはならないのか?

・そうだ、それが何かを破壊するかも知れないからね。FEDは経済をスローダウンさせたいのだ。問題は巻き添え(コラテラル・ダメージ)があることだ。欧州を見ろ。非常に悪い。Bank of Englandはリセッションになると言っている。どんな中央銀行もリセッションになるとは言わないものだ。先週水曜日、FEDが低い成長率、ソフトランディングと言っていたように。しかし、BoEは「第4四半期、リセッション入りする」と言った。ちなみに、第4四半期は来週から始まる。彼らは経済がとても悪いのを知っている。だから、減税をし、刺激しようとしている。それが債券市場を悩ませる。全てがカクテルなのだ。その過程で何かが壊れる。もしかしたら、それは米国の経済成長のコースを変えるかも知れない。世界のコースを変えるかも知れない。それがFEDを変えるかも知れない。しかし、まだそれは起きていない。

 

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