塾長です。
5月4日FOMC後、債券王ジェフリー・ガンドラックがCNBCに出演。約3週間ぶり。その動画があがっていたので、見て行きましょう。長い動画なので、若干要約しつつ;
・FEDはインフレ対応に出遅れた。まるでMr. Magooの運転※1だ。何かにぶつかるまで利上げをやめないだろう。市場はそれを心配している。
・VIXが35を超えたら、弱気をやめるべき。買い場になる。これから2週間は、前回FOMC後のように、良いポジションだ。
・まだ新興市場株には手を出していないが、注意深く見ている。dollar indexが2017年、2020年、2022年でtriple topを形成し、102を割ったら、新興市場株の買いシグナルだ。
・我々のポジションは欧州株、コモディティー、長期債だ。このアプローチは我々が2年間勧めているもの。うまく行っている。キャッシュを持つのも、戦略的投資資金として重要。例えば先週VIXが上昇したときに買えるようにしておく。
・イールドカーブが逆転しなくなっても(yeild curve de-inverts)、喜ぶべきではない。リセッション前には必ずイールドカーブはde-invertするのだ。
・パウエルがソフトランディングを成功させると信じない方が良い。
・債券市場が示しているのは、経済が景気循環の終盤にいるという事。イールドカーブのフラット化が一つ。クレジットスプレッドが拡大している。珍しい事に、金利上昇しつつ、クレジットスプレッドが拡大している。今後数週間はクレジットセクターでもpositive returnがあるだろう。
・私は非常に分散されたポートフォリオを好む。コモディティー、非米国株~その中では欧州、リセッションとデフレに備えて長期債。そしてキャッシュを15%。このポートフォリオで、去年は8%上昇、今年に入ってほぼフラット。コモディティ、非米国株、長期債、キャッシュを25%ずつ持つのが良いstarting pointだ。我々はそこから日々割合を変えて動かしている。
・CPIは8.5%から下がるだろうが、年末時点で4~6%。ピークを越えたとは言え、高いインフレ率が持続するだろう。ソフトランディングするためには3%台が必要。そうはならないだろう。
・我々は10年債利回りを予想するのに、gold/ cupper価格と、名目GDPとドイツ10年債の比較を使っている。どちらも去年から米国10年債は3%を超えるべきと言っていて、今は反転して2.5%以下になると言っている。10年債利回りが上昇しすぎていると言っている。過去4か月は債券市場最も悪い成績。それは弱気になるのではなく、強気になるべきサインである。
という事で、補足しつつまとめると・・・
- 3月FOMC後同様、しばらく米国株はヨコか上昇する。
- 今のお勧めポートフォリオは、非米国株、コモディティー、長期国債、キャッシュを均等に持つのを初期値として、状況によって変えて行く。非米国株は欧州が良い。ドルが下がる気配を見せたら新興国株。
- インフレはピークを付けたが高止まるだろう。FEDは利上げし続けざるを得ない。それはリセッションを招くだろう。
- 市場が弱気過ぎ、売られ過ぎの時は、買い場。債券がその状態。
#1については当たりませんでしたね。このインタビュー翌日から米国株は下落。彼は短期売買の人ではないので、だからどうした?って感じですが。
コモディティに強気なのはわかったが、(本インタビューでも)その中身を教えてくれない。これは司会のスコット・ワプナーが聞くべき質問。ゴールド?金鉱脈?原油先物?石油会社株?まさか小麦やトウモロコシ、リチウム、ウラン・・・ではないよね???
債券が売られ過ぎだと言っているにも関わらず、米国株はまだ底打ちしていないと考えている理由&どのあたりが底と考えているのかも聞いて欲しかった。
ということで、4月時点と同じ事を言っていました(なので、本記事タイトルを(Part.2)としてみました)。
4月のインタビュー・解説blogを貼っておきます。比較できるように;
【ガンドラック】コモディティ:株:長期米国債:キャッシュを均等に持て【しっくりこない】 - 塾長の資産運用
彼がマクロ指標の解説をしている動画(4月26日)もあがっていたので、参考まで;
※1、Mr. Magooは古いアニメのキャラクター。説明するより、見た方が早い: