塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ダン・ナイルズ】銀行のIT支出削減がテック企業の収益を圧迫する

塾長です。

昨日、米国は3/31で週末、月末、四半期末。株は上昇。週間、月間、四半期間で見ても上昇。すばらしい。

 S&P500、4,109(+1.44%)

 Nasdaq、12,221(+1.74%)

【米国市況】株3日続伸、利上げ終了近いとの期待で-ドル132円台後半 - Bloomberg

S&P500種株価指数は週間ベースで3.5%上昇。昨年11月以来の大きな上昇率となった。ハイテク株中心のナスダック100指数は前日比1.7%高。四半期ベースでは2020年第2四半期(4-6月)以来の大幅上昇を記録した。

今日から新年度。時間の経つのが速い!
4/14、JPMorganが1Q決算を発表する予定。新たなシーズンの幕開け。

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、75.70

 10年債、3.4940

 ドル円、132.7970

 Bitcoin、28,562

 

 

経済指標:

 2月 個人所得[前月比]、0.3%(予想0.2%)

 2月 個人支出[前月比]、0.2%(0.3%)

 2月 PCEデフレータ[前月比]、0.3%(0.3%)

 同[前年同月比]、5.0%(5.1%)

 2月 PCEコアデフレータ[前月比]、0.3%(0.4%)

 同[前年同月比]、4.6%(4.7%)

米PCE価格指数、コアの伸びが予想下回る-実質個人消費は減少 - Bloomberg

 

 

金融政策:

■ 今日もFED高官は遊んでばかり;
ボストン連銀総裁、金融引き締め維持する必要は「歴史に学んだ」 - Bloomberg

NY連銀総裁、金融政策は「データと責務の達成度合い」に導かれる - Bloomberg

 

■ SVB破綻の兆候を見逃したとして批判の対象となっているのがデーリーSF連銀総裁。しかし、地区連銀総裁は銀行のモニタリングはするが、大手銀行に対する重要な決定に関わらない仕組みになっている、なんて話が出てきた;

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地方連銀がその立場にないなら、誰がやるの?と疑問に思うわけですが、SVBのような大きな銀行(具体的には資産$100B以上)はWashington DCのFRBが決定を下すのだそう。

こうやって煙に巻かれていくのか・・・。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■ 個別株の大きなニュースなし。

■ Jefferies デイヴィッド・ザボスのインタビュー。銀行不安、株高、FEDについて;

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FEDのバランスシートには数百Bドルが加えられた。それが一時的だとか、理由がどうだ、という議論はあるにせよ、市場に流動性を提供しるようだ。

・そのようだ。良いニュースもある。昨日のH.4.1レポート(FEDバランスシートの内訳)によると、バランスシートは縮小した。取り付け騒ぎがあり、銀行はFEDが用意した貸出枠を使った。その結果FEDバランスシートが拡大したが、木曜日には縮小した。銀行不安は一時的であったようだ。経営の失敗と監督不行き届きが組み合わさった2つの特殊なケースだったということだろう。金融システムを広く見渡せば、とても堅牢と言える。この悪行が銀行業全体の問題だと考える理由は無い。SVBが破綻し、FEDが介入した土曜日以来、それが我々の取ってきた立場だ。

ーそうであれば、この株の連騰(rally)は続くでしょうか?一部の人達は、少なくともNasdaq、テック企業の強気相場の始まりだと言っています。

・そうは思わない。これは去年から我々のテーマの一部であるのだが、株が上がるほど、株式市場が自信を深めるほど、パウエルはじめFOMCメンバーはインフレを早く2%に戻せると血気盛んになる(emboldened)。S%P500が4,200、4,300と上がるにつれ、去年のジャクソンホールが蘇る。パウエルが突然スピーチを変更し「君たちがそんなに自信をもっているのなら、我々はもっと速く、大きく利上げをするぞ」と言ってくる。既に多くの利上げをしているので、今はあの時ほど強気に出る必要はないだろうが、(株高になるほど)FEDを金融引締めの面でagrresiveな態度を取らせるだろう。

いずれにせよ、利上げは残り1回以下。株式市場はその先を見ている。

最近は(銀行の次は)「商業不動産ヤバイ!」と言っている人が多い。
新聞・雑誌見出しをみてもこんな感じ;

NYT「銀行危機が商業不動産市場に影を落とす(Bank Crisis Could Cast Pall Over Commercial Real Estate Market)」

Forbs「不動産終焉不安(Fearing A Commercial Real Estate 'Apocalypse')」

Fortune「イーロン・マスクは商業不動産債券市場が危機的状況だと言った(Elon Musk says the state of the commercial real estate debt market is ‘by far the most serious looming issue’)」

などなど。イーロン・マスクまで持ち出して危機を煽っている。

確かにオフィス空室率は上昇、金利も上昇しているので、不動産価値は下がり、借換えに苦労する人(企業)はいるでしょう。しかし、それが”危機”になるかどうかは別の話。特に誰もが「危ない!」と言っているモノは、大惨事にならない傾向にある(なぜなら、皆が言えば言うほど、その期間が長ければ長い程、その対策が取られるから)。

 

 

■ 最後はSatori ダン・ナイルズ;

www.youtube.com

ーこの株高に乗れなかったでしょうか?

・いや、そうではない。3月10日にツイートした通り、ショートをカバーした。我々のポートフォリオ全体で銀行危機前、55%がショートだったが、その後13日には5%まで減らした。我々はこの株高で儲けたし、去年もうまく行った。今はショートを25%まで増やそうとしている。

ー分かりました。FEDの介入時点でポジションを変えたのですね。
 それでは、銀行収益や金融システムのリスクを考え、ショートを増やしているということですが、銀行をショートしているのでしょうか?それともテック企業?

・我々はテック企業を好んでいる。Metaは長いあいだ好んでいる。Intelも、皆がキライになっている頃から勧めている。Intelは年初来25%上昇した。セクター毎に見て行く必要がある。

 我々がショートを積み上げているのは、銀行だ。銀行の決算が悪いものになると予想しているが、市場はそれを織り込んでいない。

 半導体は約1年間避けてきたが、今は好んでいる。数日前、Micronは来四半期の粗利(grossh margin)がnegativeになるとレポートしたが、株価は7%上昇した。半導体セクターでは、売上が前年比50%になる企業もあるだろう。

 nVidiaIntelについては以前言及した通りだ。Facebookも良い。いくつかのスポーツ賭博株も。Draftkings、Fanduelなどだ。

 しかし2008、09年の株高を忘れてはいけない。S&P500は2009年1月6日までの6週間に、24%上昇した。誰もが「T.A.R.P※ができた、全ては大丈夫、最悪期は脱した」と言っていた。1月6日が決算シーズンの始まりで、ガイダンスを出し始めた。その後の2か月でS%P500は28%下落した。短期ではセンチメントが支配するが、決算は重要なのだ(earnings matter)。2週間後には決算シーズンが始まる。注意が必要だ。IT市場(IT spendings)は$4.4Tあり、金融セクターが2番目に支出が大きく、11~12%を占める。銀行は支出をしようとしていない。彼らは生き残りに必死だ。それゆえ、企業向けITを提供しているテック企業の決算は悪くなると予想している。

ーとても興味深い。数四半期前、我々は銀行がカネを使いまくっているという話をしましたね。

・その通りだ。今は逆にスイッチが入った。Facebookがその良い例だろう。去年11月だったと思うが、Facebookはとんでもない額の支出(expense)を増加させるガイドを出した。我々はそれが好機だと考えた。なぜなら、彼らはそれを好きな時に削減できるからだ。それ以来3回expense削減が発表された。株は倍になった。銀行も同じような状況と言える。「事業は好調だ、マージンは拡大しているぞ」と言っていたのが、「なんてこったい」と生き残りに必死。彼らは支出を減らすだろう。それはサプライヤーに影響を及ぼす。言ったように、彼らはテクノロジーに対する2番目の支出者だ。1番はテック企業自身。銀行の決算はとても興味深いものになるだろう。Micronはポジティブだったが、半導体セクターがガイダンスを下方修正したときには20%下落した。この決算期は企業ごとに状況が大きく違ってくるだろう。

※:Troubled Asset Relief Program。財務省不良債権買取プログラムだったかな?
Troubled Asset Relief Program (TARP), What It Was, How It Worked

 

「企業業績が悪くなる→IT支出が減る→テック企業に弱気」というテーマは変わっていない様子。

その一方、半導体には強気?決算シーズンが始まる前にはポジション解消するということかも知れません。

彼の話はいつも興味深いのだけれど、長期投資家の戦略には取入れるのは難しくて、残念。

彼が言っている2009年1月6日前後のS&P500の値動動きがこちら。紫線で示したように値上がりし、1月6日を境に値下がりした(赤線);

S&P500 around 2009/1/6 - Yahoo Finance

しかし、これをもっと引いて見るとこんな感じ;

S$P500 around 2009/1/6 longer range - Yahoo Finance

1月6日(927)に買おうが、その直後の底である3月9日(676)に買おうが、その後グイグイ高値を更新。

そして、今(4,109)から見れば、超お買い得。

#過去のパフォーマンスが将来も続くとは限りません。

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