塾長です。
昨日(米国11/10)の米株は上昇基調に返り咲き。消費者信頼感指数が悪く出たが・・・、悪いニュースは良いニュース?
長期債利回り上昇、円安。
S&P500、4,415(+1.56%)
Nasdaq、13,798(+2.05%)
【米国市況】株反発、米国債の落ち着きを好感-ドルは151円台半ば - Bloomberg
S&P500種株価指数は節目の4400を上回り、100日移動平均も上抜けた。・・・マイクロソフトは上場来高値を更新、エヌビディアは8日連騰した。
原油、77.35
10年債、4.6280
ドル円、151.4720
Bitcoin、37,310
11月 ミシガン大学消費者信頼感指数、60.4(予想63.8)
米消費者5-10年先インフレ期待、12年ぶりの高水準-ミシガン大 - Bloomberg
・5-10年先のインフレ期待は3.2%
・市場予想は3%
・前月は3%・1年先のインフレ期待は4.4%に上昇
・市場予想は4%
・前月は4.2%
■デーリー、ボスティック、ローガン。最近ボスティック出過ぎでは?;
SF連銀総裁、追加利上げに含み持たせる-高インフレと高成長続けば - Bloomberg
アトランタ連銀総裁、インフレ目標の達成にはまだ時間が必要 - Bloomberg
ダラス連銀総裁、危機時に備え流動性環境を強化する必要性を強調 - Bloomberg
なし。
なし。
■昨日は注目決算なかったが、一昨日出たPlug Powerが強烈だったらしい;
Plug Power Shares Tank Most in a Decade on Hydrogen Crunch
Hydrogen producer Plug Power Inc.’s shares fell as much as 45% Friday, the biggest intraday decline since 2013, after the company reported worse-than-expected third quarter earnings and issued a going-concern warning.
At least five analysts have cut ratings on the stock, with Oppenheimer & Co analysts writing in a note that hydrogen shortages and a delay in receiving expected Department of Energy-supported financing is reflected in their downgrade to market perform from outperform. Plug was among companies involved in projects selected to receive funding as part of the DOE’s $7 billion investment into making the US a leader in the fuel.
(このニュースの本質ではないが、企業継続に疑義があるのに、アナリストはmarket performに格下げしただけ。いかにアナリストの格付けが信用できないかを示していて、笑える)
こちらがCNBCのレポート;
ー代替エネルギー、水素の会社であるPlug Powerが経営危機の発表をしてから株価が暴落している。代替エネルギー業界で、また新たな大失敗(暴落、debacle)ですね※1。
・Plug Powerが企業継続疑義を出してから株が40%以上下がった。彼らによると水素サプライチェーンネットワークに重大なチャレンジがあるとのこと。3Qの損失は予想以上、売上は予想を下回った。水素工場の竣工時期を遅らせた。同社には操業を続けるためのキャッシュが必要で、Department of Energyからの借入がその候補になっている。Wall Streetはこの決算を嫌い、最低でも5社が引下げた。RBCもその一つで、今後12月のあいだに$750Mが追加で必要になると言っている。株価は再方ねより99.9%下落した。そのチャートが全てを語っている※2。
ー誰かがこの会社を買うだろうか?
・現時点ではないだろう。Inflation Reduction Act(からカネをもらえるの)を待っている。それがゲームチェンジャーになる。株主のcreditの評価が二分している。財務省はガイダンスを出す様子はない。
グリーン水素推進派は、水素製造時の時間ごとのemissionを測るか、水素工場が出来るので年間で計測するか、工場が消費地の近くであるべきだと主張している。これらは厳格な基準と言える。
一方、NextEraの株主は厳格な基準を適用すると水素産業が立ち上がらないので、緩い基準を適用すべきだ、基準を厳しくするのは将来で良いと言っている。
ーPlug PowerのCEOが1か月前に番組に出演し、規制当局に対し2027年売上が急激に増えると申請したと言っていた。その日、株価は6%上昇した。それと、今日の動きはまったく違っている。彼らの期待は非現実的だった。
・問題は水素の製造ではない。彼らにはAmazon、Fedex、HomeDepotといった顧客がいて、彼ら向けに燃料セルを作っている。そのためには水素を買う必要がある。米国には水素を作れるのが数か所しかない。彼らが水素の値段を上げたら、その値段で買わなければならない。そして、それを顧客と契約した値段で売らなければならない。
彼らはジョージア州に液体水素工場を持っているが。その操業開始が7、8月と延期され、今は11月となっている。その間、キャッシュを燃やし続けている。例えその工場が操業開始しても、全ての顧客の需要を満たすことはできない。
ーどうやって資本を増やすつもりでしょう?株を売りますか?
・この株価でそれはできないでしょう。債券を出すか、Department of Energyから借りるか。これだけ株価が下がると多くの道は残されていない。
※2:Plug Powerの5年株価チャートがこちら;
要するに、水素は経済合理的ではない、と。
※1、本blogは主に米株を扱っているのでスルーしていましたが、代替エネルギー破綻危機のもう一つのニュース、Siemens Energyに関して;
独シーメンス・エナジー、35%急落 風力発電用タービン問題で | ロイター(2023/6/24付け)
ドイツのエネルギー関連企業シーメンス・エナジーの株価が23日の市場で35%下落した。子会社の風力発電用タービン事業の品質問題を解決するのに数年かかると警告したことが大きな打撃となった。
子会社のシーメンス・ガメサが世界で導入してきた出力計130ギガワット超の風力発電機タービンのうち、最大15―30%の品質問題が想定していたより深刻なのが発覚したため、シーメンス・エナジーは22日夜に2023年通期利益の業績予想を撤回した。
シーメンス・エナジー株急落、一時36%安-保証求めて政府と協議中 - Bloomberg(2023/10/26付け)
ドイツのシーメンス・エナジーが保証の確保を求めて政府と話し合いを進めている。同社は低迷する風力タービン部門の再建に苦戦している。26日の株式市場で同社の株価は一時36%下落した。
発表文によれば、今年の純損失とキャッシュアウトフローは市場予想を上回る見込み。スペインの風力部門シーメンスガメサが一部のオンショアプラットフォームについて新規契約の受注を停止したことが響いた。
・・・同社の約4分の1を所有するシーメンスは、これ以上の支援を提供することは望んでいない。
Exclusive: Siemens Energy secures provisional deal for guarantees - sources | Reuters(2023/11/10付け)
The German government, Siemens AG (SIEGn.DE) and other parties involved in talks to cover billions of euros in project-related guarantees for Siemens Energy (ENR1n.DE), have agreed a deal in principle, three people familiar with the matter said.
これらSeimens Energyのニュースが示しているのは、風力発電用タービンを作るのは難しく、風力発電は経済合理的ではない、と。
経済合理的ではない、と書きましたが、地下から掘り出すだけの石油・石炭に負けるのは当然で、これは代替エネルギー間の競争の話。
太陽光が勝つのは、中国が太陽光パネルを政策的に安く作り、供給しているから。
代替エネルギーへの転換を進める先進国は、そのエネルギー源(その中間・変換点)を中国に依存する、と。
アハハハ。笑うしかない。
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