塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【バリー・スターンリヒト】オフィス市場の隠れ損失は1兆2千億ドル。(NYCB貸倒引当金の2千倍)

塾長です。

昨日(米国2/2)の米株は前日に発表されたMeta、Amazon決算と、強い雇用統計ひ引っ張られて上昇。10年債利回りジャンプアップ。円安。

 S&P500、4,958(+1.07%)

 Nasdaq、15,628(+1.74%)

【米国市況】株は最高値、力強い雇用統計で景気楽観-一時148円58銭 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、72.41

 10年債、4.0330

 ドル円、148.3080

 Bitcoin、43,171

 

 

経済指標:

 1月 NFP[前月比]、35.3万人(予想18.0万人)

 1月 失業率、3.7%(3.8%)

 1月 平均時給[前月比]、0.6%(0.4%)

 同[前年同月比]、4.5%(4.2%)

 12月 製造業新規受注[前月比]、0.2%(0.5%)

 12月 耐久財受注[前月比]、0.0%(0.0%)

 12月 耐久財受注コア[前月比]、0.5%(0.6%)

 1月 ミシガン大学消費者信頼感指数、79.0(78.8)

米雇用者数と賃金、予想外に伸び加速-FRB利下げ一段と遠のく - Bloomberg

米消費者マインド、1月に大幅上昇-インフレ緩和で先行き明るく - Bloomberg

 

 

金融政策:

マウイ島はホエールウォッチングの時期ですネ;
ボウマンFRB理事、利下げ検討「まだその段階に達していない」 - Bloomberg

 ボウマン理事はハワイ州マウイ島で開かれたイベントで講演。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■Chevron、Exxonなどが決算;

米石油大手2社、パーミアン盆地で増産へ-OPECプラスには脅威 - Bloomberg

Chevron beats U.S. Permian production estimates, signals upside

+2.94%、152.24ドル。

Exxon hits stride in energy trading with $1.2 billion quarterly profit

-0.41%、101.97ドル。

 

米石油業界には、こんな逆風も吹いている;
米、LNG輸出認可を一時停止 気候変動や経済への影響精査へ | ロイター

 

しかもこれはバイデン政権/民主党テキサス州共和党の政争でもある。両者は国境警備・移民政策で争っており、この政策はバイデンからテキサスへの攻撃と見ることもできる;
Texas official blasts Biden admin for LNG export pause, warns millions of jobs at risk: 'war on energy' | Fox Business

 

 

 

■今日の〆はNYCB、あおぞら銀行で盛り上がっている商業不動産(ローンの貸倒)について;

米地銀NYCB、株価暴落-不動産リスクの衝撃が市場揺さぶる - Bloomberg

NYCBの貸倒引当金は5億5200万ドル(約810億円)に急増し、アナリストや株主に衝撃を与えた。

あおぞら銀が赤字転落へ、米不動産リスク波及-下方修正で社長が謝罪 - Bloomberg

 あおぞら銀の開示資料によると、米オフィス向けの不動産融資では市場の流動性が低く厳しい状況にあるとした上で、破綻懸念先について不安定な市場の影響を考慮したストレスをさらに加えた引き当てを実施すると説明。谷川社長は11月、北米の不動産向け貸し出しについて追加の引当額は大きく膨らまないと話していたが、第3四半期に324億円の引当金を追加計上する結果となった

実際に開示資料をみてみると、ヤバイのがこちら(5ページ);

2023年9月末時点で引当率約10%だったのが、3か月しか経っていないのに約20%に倍増。

その間、特に何かあったわけでもない、むしろ10年金利は下がったのに、これはオカシイ。騙していたと思われても仕方がない。

そうなると、他行やノンバンクにも隠れ損失のがあるのでは?と疑ってしまう。

 

 

まぁ、ある意味当然のことですが、(他行であるところの)米商業銀行Citizens Financeial Group CEOや、日本の金融庁は損失拡大を否定している;
NYCBは「例外」、米地銀の古傷はかなり治った-シチズンズCEO - Bloomberg

金融庁審議官「あおぞら銀は特殊例」、米商業不動産で他行に懸念なし - Bloomberg

 

 

そんな中、不動産投資家 バリー・スターンリヒトがこんな発言をしていた;
オフィス不動産市場の損失、1兆ドル超える-富豪のスターンリヒト氏 - Bloomberg

 かつて3兆ドル規模の資産クラスだったオフィス市場だが、現在では「おそらく1兆8000億ドルの価値」との見方を示し、「どこかに1兆2000億ドルの損失が分散しているが、それがどこなのか誰も正確には分かっていない」と述べた

NYCBの貸倒引当金が5.5億ドルなので、1兆2,000億ドルというのは、その2,182倍。

彼の推計が当たっているならば、今後NYCBやあおぞら銀行のような事件が続々と明らかになってくるハズ。

 

 

最新(2024年1月)FOMC声明で「The U.S. banking systems is sound and resilient.」の文言が削られたのも怪しさに拍車をかけている;

 

 

ということで、市場は納得せず、米国では地銀、日本では生保が売られている;

NYCBショックで不安連鎖、ニュージャージー州の地銀を投資家警戒 - Bloomberg

あおぞら銀行急落で保険株に警戒広がる、米商業用不動産の影響見極め - Bloomberg

 

 

 

実はバリー・スターンリヒトの発言には続きがあり、明るい材料もあるのだそうです(下線・太字);

Goolge翻訳による日本語訳;

私たちは不動産業界で問題を抱えています。オフィスだけでなく不動産のあらゆる分野で、金利が垂直方向に500ベーシスポイント上昇したためです。

オフィス市場は現在、存亡の危機に瀕しています...それはおそらく[現在]1.8兆ドルの価値がある3兆ドルの資産クラスです。

1 兆 2,000 億ドルの損失がどこかに分散しており、それがどこにあるのか正確には誰も知りません...

ニューヨークには2億ドルで購入された建物があります...ローンは1億ドルでした...そして私たちは[個人的に]3,000万ドルの価値があると考えていました。

サンフランシスコで現在売りに出されている建物があります。平方フィートあたり850ドルで購入されました。ローンは平方フィートあたり450ドルでした。彼らは[おそらく]平方フィートあたり250ドルで売却するでしょう...これは1ドルで0.25ドルです。

それは、総資産クラスの 4 分の 3 を失ったことを意味します...

この資産クラスは富裕層だけが所有しているものではありません。それは年金制度やその他の人々…小規模投資家によって所有されています。

私たちは塔のことだけを話しているわけではありません。私たちは町や自治体を囲む建物について話しています。それらの都市はどうなるのでしょうか?

しかし、明るい材料もあります。オフィスの状況は完全に米国特有の現象です。

私は先週ミュンヘンに行ったばかりですが、ミュンヘンの家賃は 15% 上昇しています。ミュンヘンのクラスAの空室率は2%、韓国のソウルでは1%です。東京では4%です。

アメリカ人を除いて全員が仕事に戻っています。

私たちは深いところから抜け出しました。私たちは出勤せず、仕事にも応募せず、オフィスに戻らなければならないとは感じていません。

超訳すると・・・「アメリカ人は怠け者でオフィスに戻って働いていないけれど、そのうち他国と同様に、生活が苦しくなって戻ってくるはず。そうなれば(商業)不動産市場も持ち直すだろう」。

 

パウエルは3月利下げをやんわり否定したが、逆に彼が「3月に利下げします」と言うハズもない。3月利下げの可能性はまだアル。

 

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