塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

米国航空業界には、2,3年投資しない方が良いらしい。

塾長です。

バフェットが航空会社株を全て売却したのは、日本でも広く報道されているところ。

航空業界はすそ野が広いので、影響は甚大。

川上にはBoeingなどの飛行機会社・部品供給会社がいる。

 

航空会社の元CEOのインタビューなど色々出ていたので、この記事でめとめておこう!

 

まずはバフェットから:

www.bloomberg.co.jp

 

報道ではなく、実際の発言を聞きたい・見たい人はこちら。Yahoo Financeより:

www.youtube.com

あまり多くは語っていない。

・航空業というビジネス自体は良いものだった。

・航空業にとって世界が変わってしまった。

 どう変わるかは分からない。

 自分たちで道を見つけて欲しいと思う。

 

 

CNBCによる、元American Airlines CEOロバート・クランドールのインタビュー:

www.youtube.com

・私は長いこと航空株を持っていない。

 アメリカン航空を経営していた時は持っていたが。

 当時社員には、航空業は素晴らしいビジネスだ、世界に貢献する、と言ってきた。

 しかし、投資できるビジネスではない。

・航空業は公益事業(utilities)だ。

 国内の都市間交通機関

 公益事業のように規制が必要、保険が必要。

 9/11やコロナのような出来事があると、人々は飛行機に乗らなくなる。

 そうすると、社会が元に戻った時のために航空業を保護しなければならなくなる。

・こんな事態のために保険が必要。

 問題は誰が保険をかけるべきか?

 今は政府が保険をかけているようなもの。

 コロナ後、私企業である航空会社は利益を追求すべきか、それとも、こういう事態のために保険をかけるべきだろうか。

 

 

元Continental Airlines(←Unitedと合併して消滅)CEO ゴードン・ベスーンのインタビュー:

www.youtube.com

・航空業界の問題を、バフェットは過小に説明したと思う。

 ボーイングや、部品を納入している会社も影響を受ける。

 それらの株は全て影響を受ける。

 ビジネスが悪くなるだけでなく、信頼をなくした。

 150シート、250シートの飛行機に、隣に誰が座るか分からず乗るだろうか。

 ワクチンが開発されるか、抗体を獲得するかするまで、安心して飛行機に乗れない。

 これから3年程度、この状況が続くだろう。

・リースしている飛行機は返却されるだろう。

 政府が給与を保証するのは9月30日まで。それ以降何が起こるか分からない。

 1、2年、飛行機を買う会社はいない。

・これは政府がどうこうできる問題ではない。

 国営化される可能性はあるが、経営者が変わったとしても、金を稼げないのは同じ。

 

Boeingが政府支援を受けず、社債発行すると決めたときの記事:

alibertarian.hatenablog.com

 

Boeingの社債発行に関して、元財務長官ローレンス・サマーズが意義を唱えている(開始後約10分40秒から):

youtu.be

・4月の株価上昇は、現実とかけ離れている。

 FEDが金融市場安定化のためにマネーを供給したのは、他に方法がなかった。

・しかし、企業は株を発行して資本を集め、安定化させ、生き残るべきだ。

 実際は負債を増やした。

 Boeingをみよ。無数の問題が先にある。

 本来なら株主価値を希薄化、株を発行すべきだ。

 実際はFEDが後ろ建てになると知りつつ、ジャンク債を発行。

 結局はレバレッジをかけて、株主を保護したことになる。

 これは長期的成長戦略ではない。

 

 

 

Boeingと言えば、エンジンを納めているGEも気になるところ。

GEを語らせたら右に出るものがいないスティーブ・トゥーサのインタビュー(4月30日): 

www.youtube.com

 ・GEのビジネスはロングサイクル。

 航空はその中でも長い方。

 第一四半期での影響は少なかったかも知れない。第二四半期後半、それ以降に大きな影響が出る。

 第一四半期はbadだった。第二四半期を表す言葉が見つからない。

・GEに流動性の問題はない。倒産もしない。買収もされない。

 生き残るというのと、成長する、差別化するのとは違う。

(この先、GEへのダメ出しが続く。GE BioProcessを売ったら利益が減る、今年はキャッシュフローがマイナスになるだろう、これ以上構造改革でコスト削減余地があるとは思えない、等々)

 

 

日本では、三菱重工川崎重工SUBARUが生産調整(4/23、ロイター報道):

jp.reuters.com

 

航空会社と直接関係ないけれど、アメリカでは飛行機で出張に行ったらレンタカーを借りるのが普通だった。しかし、Uberの出現で需要が減少。

レンタカー会社の代表格と言っていいHertzが破産申請の準備をしているらしい:

www.youtube.com

・先週末(5月1日?)Hertzはリース支払いができなかった。

・弁護士を雇って破産申請を準備するようだ。

清算するのではなく、債務をリストラして事業継続するだろう。

・今年中に需要が戻る事は無いだろう。

 

 

 

日本にいると全然危機感が感じられないのだけど(特に政治)、米国経済はマズイかも・・・。

一応気にしておいた方が良いのは、バフェットも、二人の航空会社元CEOも年をとっているので、平均的なアメリカ人より、「もう飛行機に乗りたくない」という思いが強い可能性はある。

 

そして、株式指数先物は爆上げ中。

サマーズが言うように、政府・FEDが助け過ぎているのかもネ?

米株投資家は守られた側なので、黙ってましょウ。