塾長です。
ボーイングが政府援助を受けず、社債を発行して危機を乗り切る事になりました。
ボーイングの社債だけでなく、社債一般についてJPMprgan Global Investment Banking ジム・ケイシーがCNBCに出てコメントしてたヨ:
とてつもない需要があった。
もとは$10Bと考えていた。
投資家がボーイングに長期の投資をしたがっているのが良く分かった。疑いない。
25のうち、$16.5Bは10年以上先の期限。
買収のケースを除いて、これは史上最大の起債だ。
投資適格社債のスプレッド(国債との利回りの差)は400 basis pointsだった。
そこから57%回復した。
S&Pは48%回復。すなわち、社債の方が株式よりも回復が早い。
適格社債市場は、危機モードを脱し、リセッションの領域入りしたと伝えてきている。
今のスプレッドは240くらい。
他のリセッションの時と比べてみよう。
2016年原油市場崩壊時、スプレッドは250.
2011年8月、欧州危機時は、270.
2002年エンロン事件、280~290.
この先経済的なチャレンジは待ち受けているが、適格社債市場は、危機モードを脱したと伝えている。
・FEDが発したシグナルは、市場を大きく助けたのは間違いない。
しかし、もう一つ付け加えておきたい。
前回ここで話した時(3月12日)、$100Bが適格社債市場から引き上げられたと言った。
それは、非伝統的な投資家によって置換えられた。
なぜなら、投資適格社債の利回りが、ハイイールド社債と同程度になったからだ。
投資適格社債の利回りが5%になるなどめったにない。
そして金がじゃぶじゃぶ入ってきた。
・投資適格社債がハイイールド社債にダウングレードされる現象、フォーリング・エンジェルについては心配している。
JPMのアナリストは、今年$200~220Bがハイイールドにダウングレードされるとの調査結果。
歴史的な観点でみると、2014~2019年に起こったダウングレードを全て足し合わせても、それ程の金額にはならない。
金融危機時、2008、2009年では、$130Bがダウングレードされた。
これは新しい記録になった。
ガンドラックは、投資適格社債市場は過大評価されていると言っていたけれど、金が有り余っているので、行き先が無いからしょうがないんだヨ。
当然、彼も分かっていて(分かっていないはずがない)、ポジショントークしているだけなんだろうけど。
社債の話はヨコに置いて、ボーイングが生き残れそうなのは、良い話。
米国が弱ると、日本が困る。