塾長です。
Wharton Shool ジェレミー・シーゲル教授のインタビュー!
・長期的な株式市場への見方に変化はない。
[失業率の]数字は悲惨だが、驚きではない。
経済ニュースをいつも見ているが、いつもよりこれらを見る頻度は減っている。
なぜならバックミラーに映る姿だから。
毎朝起きるとウィルスによる死者数、ウィルスのトレンド、治療薬やワクチンの開発具合を見ている。スコット・ガトリ医師のインタビューもだ。
それらは将来に起こる事を教えてくれる。
・一番大切で、このコロナ危機の最初から言っていて、株価が維持されている理由は、株の価値の90%以上は12か月以上先の企業利益から来る事だ。
これからの12か月は悲惨だろう。
しかし、株は長く続く資産で、価値の90%以上は2021年第二四半期からくる。
これからどうなるかは、治療薬やワクチンにかかっている。
なので、失業率や耐久消費財受注などの統計情報よりも、治療薬やワクチンに関するニュースは市場にとって重要となる。
もしコロナ治療薬が見つかったり、ワクチンが開発されたら、2021年は急成長の年になるだろう。
FEDが供給した流動性は史上最大。素晴らしい年になるだろう。
・3月の底値が、コロナ危機の底値になるだろう。
最悪のシナリオは、10月にコロナ第二波がきて、治療薬もワクチンも無い場合。
ちなみに、スペイン風邪は第二波の方がひどかった。
そして、再度シャットダウンを行う。
それが起こるとは思わないが、その可能性を完全に消し去る事はできない。
私が詳しく見ている統計は財政拡大。
M1 マネー・サプライは6週間で19%上昇。
リーマン破綻が起こってから1年間に供給されたマネーを上回る。
ひとたび信頼感が戻ってくれば、この流動性が消費や株にまわる。
これが株価が15%しか下がっていない理由の一つだ。
投資家はこのマネーがどこに行くか注視している。
・今後1、2年で株は最高値を更新するだろう。
さらに、ここ最近20年間で見られた以上のインフレが起こる。
3、4%といった数字だ。
物価が下がっている今は想像がつきにくいだろうが、今は押さえつけられているこの流動性が行き場を見つけたらどうなるか。
第二次世界大戦を思い起こさせる。市民は消費抑制し、FEDが流動性を供給した。
その後の戦後ブームは誰も予想できなかった。
そして株も上がった。
・40年続いた債券の強気相場は終了する。
3月に底をみた。二度と起こらない。
インフレは2%以下が長く続いた。FEDは2%以上のインフレ率をしばらくの間維持するだろう。
1980年代に見られた16%といったインフレにはならない。
ハイパーインフレは起こらない。
中庸なインフレは株式市場にとって悪くない。債券市場には良くないが。
米国は市場にマネーを供給すれば、インフレが起こるのか?
一番ホットな疑問。
答えがYesなら、次の疑問は「なぜ日本でインフレが起こらないのか?」
答えがNoなら、長期経済停滞が待っている。
そして、日本人としては、ドル円も気になる。
ドルの供給量が増えれば、価値が減るので、円高になるのがセオリー。
米株が最高値を更新しても、相殺されて、まったく嬉しくない。
黒田がんばれ。
世界中の中銀がマネーを刷りまくっていて、その帰結を生きているうちに経験するだろうか?
どう考えても嬉しくない結末にしかならないので、早死にしたい。