塾長です。
ミネアポリスで白人警官が黒人男性を殺したので、全米各地でデモ発生。一部が暴徒化。
米国は、1992年ロドニー・キングが警官から暴行されたのをきっかけに起こったロサンゼルス暴動の時から、変わってない。
あれからもう30年経ったのか。
さて、HBOの人気番組Real Time with Bill Maherで、地政学の専門家イアン・ブレマーと、ジャーナリストのソレダッド・オブライアンを呼んで、人種問題を議論していたヨ:
<ビル・マー>
・今週の番組冒頭で、”いつもの状態に戻った”と言った。いつもの状態というのは、醜い人種事件が起こるという意味だ。
先日、ジョー・バイデンが[人気黒人ホストの番組で]”あなたがトランプに投票するか、私(バイデン)に投票するか迷っているなら、黒人ではない”と発言し、物議を醸した。
俺は「この意見に賛成できないなら、君は何々ではない」という論調が嫌い。
カニエ・ウェスト(トランプ支持で有名)はこう言った。”群衆が俺をトランプ嫌いにさせる事はできない。”その通りだと思う。
それと同時に、ジョージ・フロイドが白人警官に殺された事件、エリック・ガーナー殺害事件を思い起こさせる、を考えると、トランプは警官の見方。大方の警官はトランプ支持。そういう意味で、ジョー・バイデンが言った事は理解できる。
<オブライエン>
・バイデンは下手な言い方をせず、こう言うべきだった。「アメリカは非常に人種差別的だ。白人優位主義という問題を抱えている。それが警官に問題行動を起こさせる。」と。
ジョージ・フロイド事件など、個々に事件を見てはいけない。
これはシステムだ。誰も解決しようとしないシステム的な問題だ。
セントラル・バークで犬を散歩させていた女性エイミー・クーパーが、[リードを付けるよう注意した]黒人男性クリス・クーパーを殺人者と警察に通報する時に使った手法もその一部だ。
私は「黒人男性が私を脅している」と警察に通報できる。それがシステムを起動させる。誰にでもできる。それが今のアメリカだ。
こんな事は言いたくなかったが、黒人の多くはトランプを支持していない。
<ブレマー>
・トランプが黒人に向かって「何を失うというんだ?」と、トランプ支持を訴えている。もう4年になる。黒人は、何を失うのか経験しただろう。
バイデンはこの変な発言で黒人票を失ったりしない。
<マー>
・ちなみに、そのセントラル・パークの事件で、野鳥観察していた白人女性と、彼女を注意して通報された黒人男性の名字が同じクーパーなのは面白い。
興味深いのは、その白人女性はオバマに寄付をする民主党員だったこと。
多くの保守派(conservatives)はこう思っている。自由派(liberals)は問題に対して偽りの態度を取っていると。
保守派はこう言う。「自由派は保守派に対して石油を使うと責めるが、自分たちだった使ってる」「保守派はエリート主義だと言いながら、自由派は子供を大学に不正入学させる(2019年有名女優らセレブ、富裕層が子供を大学に不正入学させ、起訴された事件)」「保守派は人種差別者だと言いながら、自由派は人種を理由に職業や住宅で差別する」
<オブライエン>
・多くの白人自由主義者が人種差別的だ。
エイミー・クーパーの支持政党を知らなかったが、民主党支持だと聞いても驚かない。NY市で犬を散歩しているのだから。
白人女性で自由主義なら、人種差別しないと考えるのは間違いだ。
<ブレマー>
・なぜトランプが当選したのか。この両極化した社会で。
それは10%の富が、彼らの特権を維持し、拡大するように働いているからだ。
あのスキャンダルはVersity Blues(1999年の映画)そのものだ。
金持ちが、彼らの子供を、実力では入れない大学に入れる。
Connecticut州Greenwichでは、50%の高校生がSATを受けるとき、医者に診断書をもらい、監視無し・時間制限無しで受けられる。
それは単なる不正とは言えない。それはシステムだ。構造だ。様々な形で存在する。我々はそれが何かを理解している。セントラル・パークの出来事は、その反射に過ぎない。
<オブライエン>
・”構造的”はキーワードだ。自由派、保守派を超えたもの。歴史的に白人女性はそお力を使って黒人男性を利用してきた。
エイミー・クーパーが警察に電話したとき「黒人男性が私を脅している」と言った。彼女は何のボタンを押しているのかを完全に理解していた。そのボタンを押すと、警察がどのように反応するかを理解していた。
彼女が自由主義者だとしてもまったく驚かない。
最初の方で、トランプ政権のもとで黒人差別はなくならないと言いながら、結局トランプだろうが、バイデンだろうが、マイノリティーは構造的に差別され搾取される、で落ち着いちゃいましたヨ。
その通りなんですけどネ。
ああ、先物が下がってる。
久しぶりにICE-Tでも聞くか。