塾長です。
昨日(米国8/23)の米株市場は、週末を挟んで3連騰。
S&P500、4,479(+0.85%)
Nasdaq、14,942(+1.55%)
【米国市況】株が続伸、コロナワクチン正式承認で景気回復に期待 - Bloomberg
S&P500種株価指数は3営業日続伸。ナスダック総合指数とナスダック100指数は最高値を更新した。
S&Pも最高値更新では???と思ったけれど、最高値は8月16日の4,479.78。昨日は4,479.53でした。
債券、為替、コモ:
原油、65.66
10年債、1.25550
ドル円、109.677
Bitcoin、49,646
米国債の弱気派に心の支え、シティもバーリ氏も利回り上昇を見込む - Bloomberg
シティグループ・グローバル・マーケッツは米景気回復に加え、米金融当局によるテーパリングが見込まれることから、米10年債利回りが2021年末までに2%に上昇すると予想。利回り上昇を見込むポジション構築を勧めた。
経済指標:
8月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)、61.2(予想62.8)
8月 サービス部門購買担当者景気指数(〃)、55.2(59.4)
8月 総合購買担当者景気指数(〃)、55.4(58.3)
7月 中古住宅販売件数[年率換算]、599万件(583万件)
同[前月比]、2.0%(-0.5%)
米中古住宅販売、2カ月連続で増加-在庫は昨年10月以来の高水準 - Bloomberg
地政学:
9月に入ってタリバンが米国人・同盟国人を攻撃するような事態になれば、バイデン政権には大打撃。
タリバンが米国に警告、軍撤退期限を延長すれば「相応の結果」 - Bloomberg
個別株:
ファイザー製コロナワクチンが正式承認。
ファイザー製ワクチン、FDA正式承認-企業の接種義務化に弾み - Bloomberg
株価は+2.48%の49.93。
Virgin OrbitがSPAC;NextGen Acquisition Corp. II (NGCA)で上場。
ブランソン氏のヴァージン・オービットが約3513億円の評価額でSPAC上場へ、合併後はNASDAQで取引 | TechCrunch Japan
NGCAの株価は+1.86%の9.86。
最後は、ここ数か月話題になっている米国人手不足に関わる現象について。
”The Great Resignation”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?大恐慌(The Great Recession)にかけた言葉なので、大辞職時代とでも訳すのでしょうか。
米国では「コロナ後に事業を再開したくても人が集まらない」「時給を15ドルに上げた」といった話(新規雇用が難しい)があると同時に、既存の従業員が辞めている&転職を検討しているそうです。
この造語を作ったのは、Texas A&M Universityのアンソニー・クロッツ推教授だそうです。
Prudentialが5月に行った調査によると、
https://news.prudential.com/shifting-worker-expectations-guide-coming-talent-migration.htm
- 25%の労働者はパンデミックが終わったら新しい職を探そうと思っている。
- 調査対象の半数が、パンデミックのおかげで自身のキャリアに対する支配力を得たと感じている
- 48%がどのような仕事をすべきか再考している。
- 半数は、より良い給与や待遇、プロとして成長できる職、ワーク・ライフバランスを求めて、(今の)職を辞めようと計画している。
Microsoftの調査によると、
The Next Great Disruption Is Hybrid Work—Are We Ready?
- 41%の被雇用者は今年中に現在の仕事を辞めようと考えている。
- 46%がリモートでも働けるので、引越しを検討している。
Monster.comの調査によると
Monster: 95% of workers surveyed considering changing jobs | HR Dive
・95%は転職を考えている。
・92%は業種を変えて良いと回答
・転職を考える大きな理由は、燃え尽きと、自身のキャリアを成長させる機会の欠如、
注:Monsterは職探しサイトなので、バイアスがかかっているかも知れません。
CNBCによるLattice共同創業者兼CEO ジャック・アルトマンへのインタビュー:
ーLatticeの調査によると、54%が転職を検討している、43%が自身のキャリアが停滞していると感じている、そうです。なぜ急にキャリアが停滞していると感じるようになったのでしょう?
・今は興味深い時です。被雇用者はかつてない程の選択肢がある。人々は他にどんな機会があるか、定常的に見ることができる。企業は、毎日のように、どうしたら従業員を再雇用できるか、彼らをエキサイトさせられるか考えなければいけない。従業員にはその企業の外に多くの役割があるのだから。
ー今年の始め、ケビン・ルース(Kevin Roose)とYOLO Economyについて話をした。人々は「人生は一度きりだ。私は自分のビジネスを始めたい。自分の好きな所に住みたい。」等々と考えるようになったようだ。そして、リモート勤務が可能になった。
・あなたが言った事は真実だ。過去18か月で、人々の価値観が変化した。今と異なるライフスタイルを送りたい、今と違う職に就きたい、今と違う都心住みたいと思うようになった。それらが刺激剤となった。そして、経済は好調で、リモート勤務が可能になり、人々には多くの選択肢がある。それらが転職しても良いと思わせるのだろう。
ーWall Street Journalの記事に、この仕事のスタイルが数年にも及ぶと考えるようになっているとあった。少し前までは、もう少しでオフィスに戻ることになるだろうと思っていたのが、急に2022年春まで戻らないかも知れない、となった。1年かかるかも知れない。
Latticeでは企業にいくつかのアドバイスをしていますね。例えば、水曜日はミーティングを無くす、Recharge Daysを設けるなど。
・企業は従業員を顧客だと考える必要がある。明確に方向性を示し、従業員のモチベーションを上げ、エンゲージしているように感じさせるべきだ。従業員のニーズが満たされると感じさせなければならない。Recharge Daysのような従業員が彼ら自身の時間を持てるようにする、ミーティングの無い日を作る、会社でのキャリアを理解してもらう、今後数年のうちにどのような仕事が待っているのか理解してもらう、ようにすべきだ。人々は企業のミッションにつながっている感覚を得たい、キャリアが成長していると感じたいのだ。そてい、コミュニティーとサステイナビリティーを感じていたい。企業はそれらに焦点をあてるべきだ。
ー話は逸れますが、面白いと思ったのは、企業はかつてない程の従業員サーベイを行っているそうですね。企業自身が、従業員の中で何が起こっているか知りたいのですね。
・かつて企業が顧客へのサーベイを行ったのと同じでしょう。私は、企業が従業員を最も重要な顧客、ユーザとして見れば、うまく行くようになると信じています。今、企業は従業員に対する製品、すなわちその企業で働くという事が従業員のニーズを満たしているのか理解しようとしているのです。
ー最後の質問です。全体的な生産性は上昇しているのですか?下がっていますか?
・生産性を測るには多くの方法がありますが、どのメトリックをとっても生産性が下がっているようには見えません。なので、企業も従業員もこのリモートワーク、ハイブリッドワークが続くと考えています。効率的なのですから。
Latticeは企業に従業員のパフォーマンス管理ツールなどを提供する会社。「企業は従業員を顧客のように扱うべきだ」と宣伝文句を並べるのは当然。なので、少し割り引いて考えるべきでしょうが、投資家としては企業のコスト増につながりそうで気になりますネ。
また、転職市場が活況になるという事は、リクルートが買収したIndeed、Glassdoorの業績に期待ができたりするかも???