塾長です。
昨日(米国11/17)の米株市場は、下落。たまには休んでもらわないと。
S&P500、4,688(-0.26%)
Nasdaq、15,921(-0.33%)
【米国市況】株反落、インフレ警戒でリスクオフ-円上昇 - Bloomberg
債券、為替、コモ:
原油、78.41
10年債、1.6040
ドル円、114.1790
Bitcoin、60,033
経済指標:
10月 住宅着工件数[年率換算件数]、152.0万件(予想158.0万件)
同[前月比]、-0.7%(1.6%)
10月 建設許可件数[年率換算件数]、165.0万件(163.0万件)
同[前月比]、4.0%(2.8%)
米住宅着工件数、10月は予想外に減少-一戸建てが落ち込む - Bloomberg
建設中だが未完成の住宅は145万戸と、1974年以来の高水準となった。
日本ではトイレ、給湯器が無いとか言われていますが、米国も同じような状況だったりするのですかネ?(給湯器の品不足が深刻、不動産オーナーに打撃 |楽待不動産投資新聞)住宅設備不足で家が完成しない→カネが入ってこないので次の着工ができない、みたいないスパイラルだったりして。「家電が足りない」とは言われていますネ(What's Causing the Current Appliance Shortage? | American Society of Home Inspectors, ASHI)。
個別株:
AmazonとVisaが喧嘩。
米ビザ株が大幅安、アマゾンが英国発行のカード利用停止へ - Bloomberg
アマゾンの利用者は今週、「ビザ」カードを来年1月19日から利用できなくなるとの通知を受けた。手数料の高さが理由だとアマゾンは説明している。
おかげで、Visaの株価が下落。-4.7%の205ドル。こちら、5日間チャート:
Amazonとしては「(手数料の高い)Visaなどを使わず、AffirmやPaypal、Venmoを使ってくれ」という感じかも(注:Visaの件は英国。Affirm、Venmoは米国。なので現時点で直接的な関係は無い)。そのうち、Amazon自身がこの分野(BNPL)に進出するかも知れません。
関連記事:
アマゾン、後払いの決済方式を米国で導入--Affirmと提携 - CNET Japan
米アマゾンがPayPalと提携、2022年からVenmoでも支払い可能に | TechCrunch Japan
ちなみに、Amazon株価はほぼ変わらず(=0.23%、3,549ドル)。殴った方に痛み無し。
最後に、Fintechつながりで、Oakmarkトニー・コーニアリスの解説。「既存大企業(恐竜)の中にいるユニコーンを見逃すな」だそうだ:
ー個別の話に入る前に、市場全体の話から始めたい。メルトアップが起こっていて、株を選ぶのに苦労しているか?
・先月(の上昇)は、ここ数年のトレンドの継続だ。「持てる者と持たざる者」のセンチメントである。市場は「ある企業がユニコーンでなければ、それは恐竜(訳注:絶滅する運命にある)である」と判断する。我々は、それを金融支払い領域、自動車などで目にする。我々Oakmarkは、企業に本来備わっている価値(intrinsic value)に注目し、利用するのだ。
ーあなたはFiservに興味があるそうですね?
・そうだ。Fiservの40%のビジネスは支払い(payment)である。上から見てみると、Fiservの株価は102ドルで、来年の予想利益は650(どこの数字でしょう?)。それは市場全体と比べて、30%ディスカウントされている状態。FiservはS&P500平均よりも成長が速く、高いリターンを生み出す。下から見てみると、paymentビジネスは「恐竜の中にいるユニコーン」だ。FiservはCloverというビジネスを持っている。Cloverは小企業向けのクレジットカード処理技術(a small business merchant acquiring techology、Squareみたいなモノ)だ。$200Bの取り扱い高がある。それはSquareよりも大きい。成長率は35~40%。多くの価値がある。
ー前回の決算は良くなかった。payment業界が伸び悩んでいる、競争が激化している、という懸念はないのか?
・そうだ。だから、CaratとCloverに注目しているのだ。将来を見ている経営陣が重要だ。(Fiservの)経営陣は将来を見据えCloverに投資した。そして、Caratだ。ここにも多くの参入者がいる。例えばAudient(って、どこの会社?)。Audientの市場価値は$80B。Fiservは$67B。Audient株価は売上の80倍。高いか安いかは別にして、多くの事が上手くいかなければ正当化できない価格だ。Fisesrvは同じくらいの売上で、市場価値は$67Bで、別に$10Bの儲けがある。これはユニコーンが恐竜の中に囚われていて、市場が十分な評価していない状況だ。
ーFiserv以外にもそのような企業があるか?他の企業では、価値のある事業をスピンアウトしている。その可能性はあるか?
・可能性はある。他の例は、General Motorsだ。Cruiseの価値は$30B。GMの株価は税引き前利益の一桁倍率で取引されている。デトロイトの3自動車企業と、EV企業で大きい3社の比較は驚くべきものだ。EV3社の企業価値は合計して$1.3T。古くからある米国、もしくは昔米国にあったと言うべき3社合計は$200Bあたり。どのEV企業が安い、高いではなく、$1.3Tが正当な価値であるためには、様々な事がうまく行く必要がある。
ーなるほど、割安株に価値を見出しているということですね。1998年と同じ状況かも知れませんね。何年も先の売上を計算に入れて株が取引きされている。かつてうまく行ったから、それを続けているということでしょうか?
・そうだ。Oakmarkは事業と、その経営陣にフォーカスする。
一応、Fiservの年初来株価推移を載せておきましょう。
Fiservは配当を出していないのが物足りないですネ。グロース株なら株価を上げて欲しいし、割安株なら高配当でいて欲しい。だからこそ市場で放置されている=真に割安である、と言えるのかも知れません。