塾長です。
昨日(米国11/29)の米株市場は、コロナ南ア変異種(オミクロン)懸念で下落した金曜日から反発。
S&P500、4,655(+1.32%)
Nasdaq、15,782(+1.88%)
ただ、中小型株の指数であるRusell2000は続落。
Russell2000、2,241(-0.18%)
こちらはセクター別の騰落:
上昇率トップ3はTechnology、Consumer Discretionary、Utilities。
上昇率ワースト3はInidustrial、Consumer Staples、Health Care。
テックが上昇したのは、10年債利回りが戻りきらなかったのもあるが、今では「Technologyは新たなdefensiveだ」と言われている(動画1、動画2)からでしょう。
Health Careが上昇していないのは、そもそも先週金曜日にサゲなかったから。
債券、為替、コモ:
原油、70.58
10年債、1.5300
ドル円、113.8100
Bitcoin、57,773
ブレント原油は23年に150ドル、余剰生産能力の不足で-JPモルガン - Bloomberg
米国は戦略石油備蓄を追加放出する用意、エネルギー担当顧問が言明 - Bloomberg
経済指標:
10月 住宅販売保留指数[前月比]、7.5%(予想1.0%)
同[前年同月比]、-4.7%
米中古住宅販売成約指数、10月は持ち直す-今年の最高を記録 - Bloomberg
金融政策:
パウエルさん、ちょっとハト派発言。
パウエル氏、「オミクロン株」は当局の2つの責務にリスクとなる - Bloomberg
個別株:
まず取り上げなければいけないのは、ジャック・ドーシーがTwitter CEO退任。新CEOは叩き上げ、現CTO。
ツイッター、アグラワル氏を新CEOに指名-ドーシー氏退任 - Bloomberg
広報担当によると、ドーシー氏はスクエアの経営は続けるという。
市場は、このニュースを歓迎しませんでした。-2.74%の45.78ドル。一瞬上げた後、ダラダラ下落。こちらTwitter5日間株価:
しばらく前から言われたいた事ですが、Twitterの株価が上がらない、利益が伸びていないのが問題で、ドーシー辞任は良い事だけれど、新CEOがテクノロジーの人(元CTO)で良いの?収益化の道筋が見えないヨ、という感じでしょうか?
ElliottがTwitter株を持っていて、ドーシー退任を迫っていた、という背景もありました(2020年3月の記事)。そのElliottは今回の新経営陣にエンドースを出したそうです(動画)。
大きなニュースはオミクロン、Black Friday、Twitterですが、個人的には、マカオが気になっていますヨ:
マカオのカジノ株が下落-「ジャンケット」事業の大物逮捕で - Bloomberg
こちら、CNBC:
ーカジノ株が、マカオでの違法賭博、マネーロンダリングの報道で大きく下げている。コンテッサさんがレポートします。
・マカオで最大の”ジャンケット”事業※を行っていたSuncityのCEOが”cross-border gambing”の罪で逮捕された。暗号資産が関係している様子。直後、MGM China、Sands China、Wynn Macaoの株が急落。そして、米国のカジノ株が下げた。その後、リバウンド。なぜなのか?それはジャンケットがVIPを相手にするから。そのセグメントは何年にも渡ってプレッシャーを受けていた。Bernsteinのアナリストの言葉を借りると、マカオのジャンケット事業は縮小しており、将来戻る事は無い。
ドイツ銀行によると、マカオの賭博収入は、2013年、VIPセグメントが$29.8B、マスマーケット(大衆市場)が$15.3B。2014年、ジャンケットに対する締め付けがあり、2019年時点ではVIP $16.9B、マス$19.6Bとなった。ジャンケットの顧客は上級マス(premium mass)に転向した。2023年の予想はVIP $10.7B、マス$20B。VIP:マスの割合で言うと、2013年のまったく逆になっているのが分かる。
私が話をした関係者は、肩をすくめて、オミクロンと旅行規制の方が心配と言っていた。ご存じのとおり、まだマカオに人は戻ってきていない。
・JP Morganの数字も紹介しておきたい。2023年予想では、マカオの利益の1~4がVIPによるもの。コンテッサが伝えたように、VIPセグメントは縮小傾向。
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ジャンケットについては、親から継いだ会社のカネを横領してまでギャンブルで大損こいた井川意高の本「溶ける」にも紹介されていましたネ:
今回検索してみて「溶ける」の増補版が出ているのを知りました。「出所後の独白を加え文庫化!」だそうです。元々が心理的掘下げの弱い、本を出したら売れるかな?的な内容だったので、購入は見送るつもり。
中国・アジアのカジノ関連ニュースを見る時の視点は3つあると思ってマス。
1.一帯一路と中華圏。中国は、一帯一路政策を進める中、工場・インフラ建設(輸出)だけでなく、ギャンブル産業も進出させている。こちらの動画では、タイやカンボジアの庶民が苦労しているという問題を指摘していたりするが、カジノは裏でマネーロンダリングの機能を持っている。ここでも米系は分が悪いように見える。マカオはカジノライセンス更新を控え、ゴタゴタ。
2.日本のギャンブル/IR事業。Suncityが和歌山から撤退(記事)したことで、日本のIRに参加表明している中国資本は無くなったように見えていますが、さて、どうなるでしょう?
3.米中関係。習近平は”共同富裕”社会改革/少なくとも庶民の拝金主義排除に本気の様子。世の中的には&歴史的には共産主義は失敗する事になっているけれど、今のところ中国はうまくやれている。逆に民主主義は分が悪いようにも見える。行きつく先が共存なのか、戦争なのか、と: