塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジム・ビアンコ】FEDが利上げを遅らせればインフレ制御不能に、利上げを急げは経済を殺す。

塾長です。

昨日(米国12/3)の米株市場は、オミクロン懸念で?急落。雇用統計の数字は悪かったですが、発表直後は上げていたので、それが直接的原因ではなさそう。

 S&P500、4,538(-0.84%)

 Nasdaq、15,085(-1.92%)

【米国市況】株反落、大型ハイテク中心に売り-国債や円上昇 - Bloomberg

 

Bank of America サビタ・サブラマニアンがBloombergに出演。

米S&P500指数、来年の調整リスク「高まっている」-BofA - Bloomberg

ヘッドラインを読んで、また「株は危ないぞ!」と言っているのか?と思い、動画(インタビュー全編)を見たら、それ程でも無かった。むしろ、債券市場が危ないと言っている。債券市場が崩れたら株式市場も引きずり込まれると思うのだが・・・:

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債券、為替、コモ:

 原油、66.22

 10年債、1.3430

 ドル円、112.8000

 Bitcoin、53,755

 

 

経済指標:

 11月 非農業部門雇用者数変化[前月比]、21.0万人(予想55.0万人)

 11月 失業率、4.2%(4.5%)

 11月 平均時給[前月比]、0.3%(0.4%)

 同[前年同月比]、4.8%(5.0%)

米雇用者数、11月は21万人増に減速-失業率は予想以上の低下 - Bloomberg

「最も奇妙な統計の一つ」、11月の米雇用統計-市場関係者の見方 - Bloomberg

11月の米雇用統計は、この統計が2つの極めて異なる調査により成り立っているという点に注目すべきだろう。事業所調査では11月の雇用者がわずか0.1%増だったことが示唆されるが、家計調査に基づくと0.7%増と大きく伸びたことを示唆している。

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  Dwdパートナーズのダニー・ダヤン最高投資責任者(CIO)は、「これまで目にした中で最も奇妙な統計の一つだ」と指摘した。

雇用統計は、来月改定値が出されるので、それを待つのが良いみたいです。

 

 

金融政策:

タカ派発言ひとつ。

セントルイス連銀総裁、緩和解除の加速が「望ましい可能性も」 - Bloomberg

ブラード総裁は3日の米雇用統計発表前に用意した講演原稿で、「今後のFOMC会合では、より速いペースでの緩和解除を検討することが望ましいだろう」・・・「インフレショックに直面してもなお、金融政策は緩和的なままだ。リセッション(景気後退)は約1年7カ月前に終了したが、FOMCの金融政策はいまだにリセッションが始まった当時とおおむね変わっていない」と指摘。「労働市場に関する指標の多くは、非常に逼迫(ひっぱく)している労働市場環境を示唆している」と続けた。

 

 

個別株:

利上げが意識され、成長株に見直しの動きが入っているわけですが、中でもMeta Platform(元Facebook)の成績が宜しくない。

メタ株が下落、弱気相場入りへ-時価総額2300億ドル吹き飛ぶ - Bloomberg

こちら、年初来の株価の動き:

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Meta Platforms, Inc. (FB) YTD 2021/12/3 - Yahoo Finance

最高値(終値)は9/7の382.18。昨日が306.84。-19.7%下落。弱気相場(-20%)入り目前。

以前から報道されている悪ニュース(内部告発者、監督官庁・政治からの批判/分割懸念、iOS広告トラッカー拒否機能による広告収益減少懸念)以上のモノは出ていない様子。違ったらスミマセン。

ここまで下がるとソソラレますが、SNSには投資しない方針なので、パス。

 

比較的大きな市場価値を持つ株の中で、もっと悪い成績を叩きだしてしまった会社もアル!それはDocuSign。

12/2クローズ後に出した決算が悪く、驚愕の-42%、$135.09。最高値(9/3、310.05)から見ると、-56%。

こちら、5日間株価:

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DocuSign, inc. (DOCU) 5D 2021/12/3 - Yahoo Finance

Meta(Facebook)と違い、DocuSignは赤字の会社。赤字会社への投資はリワードも大きいけれど、リスクも大きいという好例でした。

 

 

最後は、Real Visionより、ジム・ビアンコの市況、マクロ解説。30分と長い番組なので、冒頭のみ翻訳。:

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・多くの出来事があった。どれも良くない。オムニクロンによる被害。これは終わったこと。ウィルス学者に話を聞く必要はない。欧州で何が起こっているか見れば良い。ロックダウンを行い、経済を制限している。さらに悪くなるだろう。欧州の患者数は最高値。米国はどうなるか?患者数は増えるだろう。今後数週間後に、経済制限がかかるだろう。

 インフレはピークに達していない。数か月後にはピークを付ける可能性はある。悪化(インフレ高進)に向かっている。港の数字が改善しているという人がいるが、これは操作された数字であり、多分今日時点で最悪だ。これは後で説明する。

 市場を説明してくれるのはイールドカーブ(長短金利差)だ。イールドカーブはフラット化している。パウエルが議会で一時的インフレ(transitory inflation)を引退させて以来、10年ー2年債の金利差は25ポイントフラット化した。ここ10年間で最大のフラット化だ。私は、パウエルが「一時的インフレという言葉を引退させる」と言ったのは、彼のこれまでの4年間在任期間中で最も重要な言葉だったと思う。債券市場はそれ以来大きく動いた。株しか見ていない人は、10年債(利回り)が下がった、程度にしか見ていないだろう。しかし、短期債金利を見て欲しい。上昇しているのだ。市場は、来年3回以上の利上げがあると織り込んだ。4回の可能性もある。最初の利上げが5月。3月の可能性もある。Wall Streetのアナリストに聞けば、「いやいや、そんなことは無いよ。1回か、多くても2回の利上げだ」と言うだろう。しかし、市場はわがままだ。市場はこう言っている。「インフレは問題だ。FEDはアグレッシブになるべきだ」と。それが短期債が3、4回の利上げを織り込んだ理由。ではなぜ長期債利回りが下がったのか?それはFEDがインフレを殺すからだ。ではなぜ株が下がるのか?それはFEDが同時に経済も殺すかもしれないからだ。FEDはマズイ状況に陥っている。何もしなければインフレが制御できなくなる。政策の失敗だと言われる。インフレと戦えば経済を殺すかも知れない。政策の失敗だと言われる。今市場はこのように動いている。そして背後にオミクロンが潜んでいて、最悪の時にやってきた。

ー確かにFEDは難しい立場にいる。しかし、Bond Vigilantes(wikipediaの解説)は未だ生き残っているのか?※1

・私も死んだと思っていたが、どうやら戻ってきたようだ。誰もが驚いたのは、10年債利回りの低下。ショックを受けたのは、短期債利回りの上昇。世界の中央銀行短期金利をコントロールできるはず。短期金利は固定されているはず。フォワドガイダンスにより、いつ利上げがあるか分かるはず。しかし、短期金利はそれらから離れ、マクロヘッジファンドは10月に大損した。11月も大損。彼らはイールドカーブがスティープ化する方に賭けていた。短期債にキャリートレードを用いていた。今、それら取引が爆発してしまっているのだ。2年債の取引は歴史上最も悪い。この取引はかつて損失を出した事が無かった。12月3日時点、非常に大きく下げている。残り3週間。5年債は1994年以来の悪さ。何が価格に織り込まれているのか?あなたの好き嫌いに関わらず、FEDの5月に利上げ。それが市場が考えていること。3月かも知れない。3月までにテーパリングを終える可能性があるからだ。多くの人が指摘するように、それは比較的早く終わるかも知れない。しかし、ターミナル・レートは175だ。それは、人々がFFレートは1.75%までしか上昇しないと考えているという意味。市場が、インフレを問題視していない、という意味ではない。1.75%が経済を殺すのに十分だと言っているのだろう。レバレッジのかかり過ぎた経済は高金利に耐えられない。2018年~2019年の2.38%がレポ市場やその他に大きな問題をもたらした。今はそれ以上にレバレッジがかかっている。

日本にいるとコロナ収束したと思ってしまいますが、米国人は欧州を見て「次は俺たちだ」と身構えているのですね。ナルホド。

FEDが苦しい立場にあるのは分かりました。基本路線(base case scenario)は、FEDは経済を殺せないので、来年の利上げは1回。その代わり、インフレ率は4%。という感じ?恐ろしい。

ジム・ビアンコは、この他にも「港の混雑が解消していると見せかけるために、荷揚げ待ちしている船舶を沖に追いやってカウントから外れるようにしている」「株の値動きと関係なく暗号資産は動くと思っていたら、そうならなかった」など、楽しい話をしてくれているので、興味のある方は全編ご覧ください。

 

 

※:

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