塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジャクソンホール特番】シーゲル教授:経済成長・生産性向上に言及せず失望。ジム・ビアンコ:FEDはR*がいくらか分かっていない。

塾長です。

昨日(米国8/25)の注目はパウエル@ジャクソンホールスピーチ。結局(実質的に)何も言わなかった模様。心配していた株式市場は一昨日のサゲを取り戻した。

 S&P500、4,405(+0.67%)

 Nasdaq、13,590(+0.94%)

【米国市況】株反発、パウエル氏講演を無風通過-ドル一時146円63銭 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、80.05

 10年債、4.2390

 ドル円146.4040

 Bitcoin、26,044

 

 

経済指標:

 8月 ミシガン大学消費者信頼感指数、69.5(予想71.2)

 

 

 

金融政策:

ジャクソンホール関連;

◆パウエル議長は実施的に何も語りませんでした。

www.youtube.com

パウエルFRB議長、必要に応じて追加利上げの用意-高金利維持へ - Bloomberg

またインフレ目標の引き上げを巡る観測を一蹴。「現在、そして今後も2%がわれわれのインフレ目標だ」と言明した。

中立金利(Rスター)について語るのでは?などと言われていたが、結局スピーチは前回ジャクソンホールから1年の振り返りでした。

ポイントは最後の方にあって・・・

Doing [tightening monetary policy] too little could allow above target inflation to become entrenched and ultimately requrie monetary policy to ring more persistent inflation from the economy at a high cost to employment. Doing too much could also do unnecessary harm to the economy.

行い[金融政策引締め]が少なすぎると、目標を上回るインフレが定着し、最終的には金融政策を必要とし、雇用に高いコストをかけて経済からより持続的なインフレを引き起こす可能性があります。やりすぎると経済に不必要な悪影響を与える可能性もあります。

by Google 翻訳

と、引締め過ぎにも注意する(≒経済をぶっ壊してでもインフレ退治するわけではない)と言った部分。

そしてスピーチ最後を「we will keep at it until the job is done」で締めくくり。

パウエルは去年から何度もkeep at itを使っていて、それはインフレ退治で有名なポール・ヴォルカーの著書「Keeping At It」からとったもの。彼のように(周囲に何を言われようとも)インフレ退治(≒高金利政策)を進めますよ、という意思表示/決意表明。

 

ジャクソンホール会議後、FED高官が各種インタビューに答えている;
「黄金の道」示唆や据え置き支持-ジャクソンホールで米地区連銀総裁 - Bloomberg

 

◆ジェレミー・シーゲル教授のインタビュー;

www.youtube.com

ーパウエルのスピーチをどう思いますか?また、市場の反応は?

・まず最初に、新たなことは無かった。実際、私は失望した。なぜなら、市場では金利が上がっている、実金利が上がった、実成長も上昇した(real growth has risen、たぶん実質GDPのこと)。実成長が伸びたのは生産性が強いからだ。彼はそれらの何にも言及しなかった。彼はモードを変えず、実成長が高ければ、より多くの労働者が必要になり、賃金が上昇し、我々(FED)は金利をさらに上げなければいけなくなるかも知れない、という姿勢だった。しかし、もうそのストーリーは成り立たない。ストーリーは、実成長が高まるのは、生産性が高まるからだ。実際、労働市場は原則している。来週の[雇用統計・新規雇用者数に対する]期待は約160(16万人)である。それは1年前の半分以下だ。彼はここ数週間市場で見られた動きを語らなかった。それが市場を神経質にして、最初売られた。その後、何も新しいことが無かったと悟り、昨日の下落を回復した。

ーパウエルは「金融引き締め効果のラグについて幅広い推計がある。それは将来、重大な重しになるかも知れないと示唆している(The wide range of estimates of these lags suggests that there may be significant further drag in the pipeline)」と言った。彼はまた、やりすぎのリスクがあると言った。それらは、彼が将来何が起きるか確信が持てず、経済を壊すことに十分注意深くありたい、と言っているのでは?

・あなたは正しいと思う。我々はそれを察知していた。これについては7月FOMC後に話をしたよね。彼は両面を見るようになった。彼は以前より下方向のリスクを認識した。FOMC投票権を持つ内の2、3人から、「金融引き締めは十分やっただろう、クレジットカード債務不履行が増加している、住宅ローン金利が7.5%になった」という発言があったのだろう。彼は住宅販売増加について言及したが、それがいつまで続くか分からない。彼の頭にはそれがあった。彼の方向性は、あと1回0.25%利上げがあるかないか。9月FOMCはバイパスして、11月まで待つつもりだろう。

ーそれが一番ありそうですか?今年秋にあと1回の利上げで終了?もう利上げしないという可能性は?

・インフレに関するニュースが極端に悪くならない限り、利上げが終了した可能性はある。それが起きるとしたら、ドルが安くなる、石油が100~120ドルといったレベルまで高くなる、コモディティ価格が上昇しはじめる、といった要因があったときだ。それらは安定している。特に住宅は2020、2021年のようになっていない。それらが上昇するサインはないが、もし起きなければ、1回で利上げは終了だろう。そうすれば、ダウンサイドリスクがあると言って、利上げを終了するだろう。

ー株の修正は終わりましたか?直近高値から4%ほど下げた。さらに下げるでしょうか?

・ここ数十年間、9月は最も悪い月。私の本に書いてあるとおりだ。より高い実金利はchallengingである。しかしメジャーな下落は起きないだろう。あと数%は下げるかも知れないが。修正領域(10%以上の下げ)になるか?何かとても弱いニュースがあれば、そうなるかもしれない。それくらいだ。その後、9月、10月はギクシャクした(choppy)月になり、11、12月は通常改善する。私は、今年の残りは安定的、上昇基調だと思う。すでに15~20%上昇した。インフレがこれ以上悪くならなければ、年間通してみれば20~25%上昇になる。

 

◆ついでにジム・ビアンコ;

www.youtube.com

ーR*(中立金利)の方向性について語られると言われていたが、そうではなかった。その周辺の不確実性には言及したが。

・「R*は良い理論だ。我々にはその数字がいくらになるか分からないが、それに集中している」と言ったのだろう。結局は長期的なインフレ率の問題につきる。それはまだ2%だろうか?パウエルはそうだと言った。私はもう少し高いのではないかと思う。FEDが2%にしたいというのは分かっているが。それは非常に困難だ。”last mile”という言葉が使われるように。3%あたりが続くだろう。そしてFFレートは0.5%を足したくらいになり、イールドカーブは正の値に戻り、正常化する。10年債金利をみるべきだ。4%の高いところ、5%に行くかも知れない。今は4.25くらい。まだ差がある。

ー10年債を買うとしたら、いつでしょう?

FED次第だ。過去数か月、Wall Streetではbear Steapnerと呼ぶものが起きた。全金利が上昇し、長期金利がより早く上昇。2つの原因がある。日本が売っているのと、インフレがより粘着性があるかも知れないという考え。FEDが利上げあと1回くらいと言っているので、市場は「あなたがインフレとの戦いをやりたくないなら、私は10年債を持ちたくない」と言っている。それらが長期金利を上げている理由だ。それを止められるのは、よりアグレッシブなFEDとなる。来年の利上げを示唆するとか、少なくとも来年の利下げ予想を撤回するとか。今日の長期的なFFレート予想に表れている。FFレート引き上げ予想が減り始めた。”higher for longer”派がトラクションを得始めた。

ー株はどうなるでしょう?

・株式市場は2つに分断している。7つの強い株と、それ以外だ。Magnificnet 7と呼ばれる巨大テック株は自身のドラマを演じている。とても強い。S&P500の上昇のほとんどが彼らのおかげ。Russell2000は今年5%しか上げていない。Russell2000の下半分は値下がりしている。7つの株から離れると、どんどん悪くなっていく。なぜか?金利が高いからだ。株に代わる投資先がある。MMFで5、5.5%の金利を得られる。借り手のコストは増えている。過去15年間ではじめて、「これらの株に投資しないでおけばどうなるだろう?」と考えられるようになった。彼らは、高金利下で、より高い成長率を示さなければならない。それはとても難しい。

ーあなたが言うように、10年債が5%になれば、米国債も代わりになりますね。投資家はFEDの金融引き締め出遅れを許したでしょうか。引締め過ぎるということはないですか?

・投資家は許していないと思う。あれば大きな間違いだった。統計が私を驚かせる。2022年3月16日、はじめてゼロ金利から引き上げたとき、インフレ率はすでに8.6%を付けていた。それだけ長く待ったのだ。なので投資家は心配している。インフレとの戦いの最終章は未だ書かれていない。私は8%や10%になると言っているのではない。3、4%だ。金利は高いままとなる。

ー相対的な金利はどうか?米国と外国との金利差。

・米国と先進国との差、特に欧州との違いは強い経済成長だ。Atlanda FEDのよるGDPNowによると、強い成長が期待されている。6%近い。それは下がるだろうが、今四半期が良いスタートを切ったということ。ECBは難しいタスクを持っている。彼らはスタグフレーションになっている。インフレ率は高く、成長は弱い。彼らの責務はインフレの一つだけだ。成長が弱かったとしても、範囲外。ラガルドは金利を上げ続けることを期待されているが、そうしたくない。インフレを抑えながら、経済成長に及ぼす影響を少なくしたい。一つの責務しか負っていない中央銀行は難しい。

 

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■注目決算なし。

 

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