塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

原油価格が上昇したら、米国の産出量は増えるの?【Diamondback Energy】

塾長です。

昨日(米国12/8)の米株市場は、サゲて始まり、アゲて終わった。

 S&P500、4,701(+0.31%)

 Nasdaq、15,786(+0.64%)

【米国市況】株が3日続伸、既存ワクチン有効との試験結果を好感 - Bloomberg

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、72.65

 10年債、1.5090

 ドル円、113.7060

 Bitcoin、50,562

 

 

経済指標:

JOLTS(労働省雇用動態調査)が公開。求人数は多い。FEDのテーパリング加速を後押ししそう。

米求人件数、10月は過去2番目の高水準-離職率は低下 - Bloomberg

 

 

個別株:

オモシロい話題もないので、米国の石油会社Diamondback Energy CEO トラビス・スタイスのインタビュー。「原油価格が上がったら、米国の産出量が増えて、価格が下がらないの?」と思っていたところ、まさにドンピシャの質問をしていたので:

www.youtube.com

ー多くの人が、Diamondbackのような石油採掘会社は石油生産量を増やさないのか?と思っている。

・良い質問だ。まずはマクロをみてみよう。米国は日産11.5から11.57ミリオン・バレル増加しようとしている。パーミアン盆地(Permian Basin)だけで見ると、我々は今月か来月、最高の生産量に達するだろう。5ミリオン・バレル/日だ。根本的な疑問、なぜ我々が成長、増加していないか?それは、この業界が転換したからだ。少なくとも公開企業(public guys)はそうだ。ビジネスモデルが「コストを度外視してでも成長を追う」から、利益還元に移った。公開企業における競争は、成長の速さを競うのではなく、株主還元を競っている。

ー残念なことに、米国では全てが政治問題化している。ワシントンの圧力で生産を抑制しているとか、そういう話ではないのですね?10年間で投資家が多くのカネを失い、あなた方に強い圧力をかけているのだ、と。

・どうしたら公開企業が成長(増産)に取り掛かれるか?というのは公平な疑問だろう。2つのマクロ的、根本的問題が解決される必要がある。世界的に原油が余っている。そして、投資家のセンチメント。彼らは、この10年で初めて利益還元を受けて、喜んでいる。彼らは我々に成長、増産を求めていない。オミクロン変異種についても気になるところ。需要に影響があるだろう。これらが解決しない限り、公開企業が今後増産に入る事は無いだろう。

ーパーミアンでは増産していると聞いて感銘を受けた。ニューメキシコ東部でも増産していると想定している。私がこの業界についてまったく知らない状態から、様々な事を学んだ事は、「良い石があるか、良い石が無いか」だ。Diamondbackが持っているのは第一級の場所だと聞いている。

・投資家にはDiamondbackについて3つの事を知って欲しい。1つ目、我々はこのパンデミックによって強くなった。ビジネスのプロセスを見直し、効率化を図った。2番目、コモディティーを基にしたビジネスでは、生産品の価格をコントロールできない。最も低いコストで、最高のオペレーションをして、最高の実行をする会社が勝つ。3番目、環境、社会、政府の観点。投資家はDiamondbackが業界をリードして欲しいと願っている。間違いなく、パフォーマンスと透明性において。視聴者に分かって欲しいのは、環境のプレッシャーが我々にかかっている。世界のどこの石油採掘会社も、米国の公開された石油会社ほど一生懸命排出を減らそうとしている者はいない。環境影響を減らし、生産するために環境ライセンス(environmental license)を引き続き獲得している。

ーアクティビストは「それはgreenwashingに過ぎない」と言うかも知れない。多くの人が化石燃料業界が問題だと信じている。その業界が課題解決できると信じていない。その業界が作った問題だから。

・Diamonbackは、5年のゴールを定めた。2019年比、GHG排出を半分にする。

ーどうやってそれをやるのか?

・基本的に、GHG排出はflaring(油田での不要ガス燃焼)で起きている。Diamondbackが制御できるところと、Midstream(原油輸送会社)がやる制御できるところの2つ。過去2年のDiamondbackのflaringの60%は、midstreamが我々の生産に追い付けなかったせいで起きた。我々には彼らとコミュニケーションを取って、彼らが追い付けるようにする責任がある。しかし、GHGについて最初にやらなければいけないのは、flaringを無くすこと。我々はroutine flaring(油田で原油採掘時に出るガスを燃やす事、Wikipedia)を無くすと公言している。その過程にいる。2番目は、メタン。メタンは大気にとって最も過酷。Diamonbackは70%削減する。その過程にある。800個のタンク・バッテリー(?)があり、空気圧でコントロールされたデバイスで空気に転換している。大幅にメタンを削減できる

ーそれは石油、ガソリン価格を大幅に上げずにできるのか?

・その通り。今後数年間(several yaers)で$20~30Mをかけて、メタン削減に取り組む。我々は最終地点を追い求めているのではない。継続的なプロセスだ。我々は5年ゴールにむけて責任を持っている。5年ゴールに到達する前に、さらにその先のゴールを定めるだろう。GHG、メタンの排出削減する。

面白かったのは、自分たちを「public guys」と呼んでいた部分。公開企業と訳しました。多分、private guysもいて、富豪や、PEファンドが出資している採掘企業は動きが違うのでしょうネ。

公開企業の方は、投資家から「今からカネかけて増産するのではなく、今ある設備で頑張ってくれ。どうせ石油なんて使わなくなる(かも)知れないし、俺たちが石油採掘企業に投資していると分かると、環境活動家がウルさいんだよ」と言われている、のだと。フムフム。

Private guysの方は、プライベートなカネがじゃぶじゃぶ入って、増産しているのかしら???(それが分かったところで、投資出来ないのだけれど)

 

Diamondbackの株価はどうなっているかというと、こちら年初来。

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Diamondback Energy, Inc. (GANG) YTD 2021/12/8 - Yahoo Finance

ほぼ最高値。

Forward Dividend & Yieldは2.00(1.73%)。

今からエントリーするには、少しお高いですナ。