塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ボブリンスキー】キャッシュを生み出している割安株を買え【だったらAT&Tが売られているのはナゼなのさ?】

塾長です。

昨日(米国1/27)の米株市場は、午前中は大幅高、その後反転、マイナスでフィニッシュ。・・・。最近同じようなことを書いているなぁと思ったら、ジム・ビアンコがこんなツイートをしていた:

「かつてS&P500が大反転したらオオゴトだった時代を覚えている。

 今は、それがお昼ご飯の合図になってる」

 

 S&P500、4,326(-0.54%)

 Nasdaq、13,352(-1.40%)

【米国市況】株下落、政策見通し織り込み直しで荒い値動き-ドル上昇 - Bloomberg

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、87.46

 10年債、1.8070

 ドル円、115.3900

 Bitcoin、36,843

円安というより、ドル高らしい。

 

 

経済指標:

 10-12月期 四半期GDP・速報値[前期比年率]、6.9%(予想5.5%)

 10-12月期 四半期GDP個人消費・速報値[前期比年率]、3.3%(3.3%)

 10-12月期 四半期コアPCE速報値[前期比年率]、4.9%(4.9%)

 12月 耐久財受注[前月比]、-0.9%(-0.5%)

 12月 耐久財受注・輸送用機器除く[前月比]、0.4%(0.4%)

 12月 住宅販売保留指数[前月比]、-3.8%(-0.5%)

 同[前年同月比]、-6.6%(-4.0%)

米GDP10-12月速報値、6.9%増に加速-在庫積み増し再開が寄与 - Bloomberg

在庫のGDP寄与度は4.9ポイント。在庫は今年も引き続き経済成長の追い風になると見込まれている。

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個人消費は3.3%増と、伸び率は市場予想(3.4%)とほぼ一致。前四半期の2%増から伸びが加速した

 

米耐久財受注3カ月ぶり減少、設備投資の一服示唆-コアは横ばい - Bloomberg

 

米中古住宅販売成約指数、12月は前月比で8カ月ぶり大幅低下 - Bloomberg

「販売成約の動きは2021年末にかけて失速した。住宅在庫減少のため、消費者の選択肢が非常に少なかった」と指摘。「住宅ローン金利はここ数週間で着実に上昇している。残念ながら、辛うじて要件を満たす買い手はいずれ市場から締め出されることになるだろう」

 

米新規失業保険申請件数、3万件減の26万件-4週ぶりに減少 - Bloomberg

 

 

ESG/地政学

ESG Weekly: G7で「国際気候クラブ」議論へ、制度設計が課題に - Bloomberg

欧州連合(EU)では、環境対策が不十分な国からの輸入品に税を上乗せする「炭素国境調整措置」(CBAM)の導入を検討しており、ドイツもクラブ発足に当たって同様の制度を念頭に置く。

政治家の人気取りでしょうか?(再エネ率の低い)日本で作った車の輸入を止めたいのか?

 

 

個別株:

昨日出た大手企業による決算は、McDonald's、Mastercard、Visa、Appleなど。この辺は日本メディアにも取り上げられるので、パス(単なるサボり)。

アップルの10ー12月売上高は市場予想上回る-供給危機乗り切る - Bloomberg

 

 

 

最後は、Ariel Investments チャーリー・ボブリンスコイ(Charlie Bobrinskoy)のインタビュー。

www.youtube.com

ーどのような株を薦めているのですか?メガキャップ(巨大時価総額を持つ)企業を含むテック株を薦めているのでしょうか。

・まず、P/E Ratioでソート(並び替え)すべき。そして、その利益率と株価の関係を見る。その理由は、例えばAppleは、この先10年間利益が出ない会社と違って、めちゃくちゃな値段はついていない。それは割引率が理由。Appleのように、今日時点でそれなりのカネを生み出している会社は、割引率はそれほど影響しない。その一方で、カネ、キャッシュを今後10年生み出さない会社、利益が出るのは20、30年後の会社にとっては、金利上昇は大きな問題だ。

ー例として、ServiceNowを見てみましょう。テック株には多くの見通しが明るい企業がある。ServiceNOWはクラウドで、ワークフローを処理し、データサービスを提供する。彼らの売掛は年率40%(billingと言っているから売上かな???)で伸びている。2018年以来、最大の伸び。このような継続的な成長は、今のバリュエーションを正当化する理由にならないのか?

・もしろんだ。多くの企業は素晴らしい成長をしている。しかし、以前言ったように、それら素晴らしい会社が素晴らしい株とは限らない。私自身でServiceNOWを評価したことはないが、多くの企業が成長し、赤字から黒字に転換するだろう。しかし、それらが正当な(reasonable)倍率で取引されているとは言えないのだ。もちろん例外もあるだろうが、Nasdaqは未だ高い倍率で取引されている。

 私はジム・クレイマーが大好きだ。彼はテレビに出演している中で最高の一人。しかし、彼は昨日、利益の50倍以下で取引されている株を抽出していた。50倍はreasonableとは言えない。高すぎる。

ー確かにそうですね。しかし、過去10年間、成長率が最も高かった銘柄も、100倍といったところからスタートした。Netflixもそうだ。

・まったくその通り。テック企業への投資家にとって素晴らしい時代だった。なぜなら、過去10年間、馬鹿みたいな低金利だったからだ。米国にとって最も割引率が低い時代だった。これは本当だd。10年債金利が1.4を割った事は無かったのだ。今、金利は正常に戻ろうとしている。正常な割引率に戻る。遠い未来に利益を出す会社は、地上に引き戻されるだろう。

ー多くの人が2%で興奮しているなか、あなたは、10年債が3%、4%と言っていますね。

 あなたのお勧めは、ViacomCBS、Madison Square Garden Entertainment、Apache持ち株会社※ですね。

 もう一つマクロな質問をしたい。パウエルがタカ派になり、2年債と10年債の利回りが縮まっている。どのように考えますか?

・債券市場の動きを理にかなったものとして説明するのをほぼ諦めた。マイナスの(実質)利回りを受け入れている。もっと利回りは高くあるべきだ。

 私が言えるのは、債券市場は資産クラスというより、保険と考えるべきだ。

 あなたが言ったように2年・10年債のカーブはフラット化している。それはトレードが引き起こした現象だと思う、ヘッジファンドが動かしているのだと思う。しかし、銀行にとっては良くない。金利差が広い方が銀行にとって有利。そういう意味で、2年・10年イールドカーブがフラット化するのは、私がもっているいくつかの割安株にとっては、よろしくない。

ー株式市場はまたマイナス圏に入っているところ。年初から大幅に下落している。投資家にアドバイスはあるか?

・インフレーション、インフレーション、インフレーションだ。2年前に比べて、マネーサプライは40%増えた。パウエルをタカ派と呼ぶ人がいるが、”パウエル”と”タカ派”を一つのセンテンスに入れるのは間違いだ。彼ら(FED)はマネーサプライを増やし続けている。そして、人々が考えているより長く、高いインフレが来る。その流れに従って投資すべきだ。

Apache持ち株会社制に移行するとした報道:Apache Corp to create holding company structure | Reuters

 

なるほど。高インフレ→高金利が続くので、今日時点でキャッシュをたくさん生み出している会社、それでも割安な水準の株を買え、と言っている。

 

だったら、AT&Tはいかがでしょう?

一昨日決算を出して、表面上は悪くない決算数値に見えたのですが、めちゃくちゃ売り込まれている・・・。こちら5日間チャート。

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AT&T 5D 2022/1/27 - Yahoo Finance

Barron'sにはこんな風に書いてありました。一部抽出して要約。

AT&T Earnings Beat Forecasts. The Stock Can't Get Past Spinoff Uncertainty. | Barron's

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 まとめると、悪くない決算だった。しかし投資家が見ているのはそこではない。AT&TのWarnerMedia切り離しが、あと数か月に迫っている。切り離しが、splitなのかspinなのか分かっていない。配当の方針も不明瞭。AT&Tの株主は、WarnerMediaとDiscoveryを統合した会社の71%を所有することになり、AT&Tはより少数の市場で戦うためにリーンになる、とAT&Tの経営者は言っている。

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 AT&Tは、WarnerMediaのトランザクションが完了する前の3月前半に投資家向け説明会を開くと発表した。

 :

ちなみに、Barron's記事でも触れられていますが、AT&TはWarnerMedia切り離し後の減配を発表済み。

投資家は3月の投資家説明会を待たず配当をもらって売っちゃった、という事みたい。