塾長です。
昨日(米国3/7)の米株市場は、激落ちクン。
S&P500、4,201(-2.95%)
Nasdaq、12,830(-3.62%)
【米国市況】S&P500種が2020年10月以来の大幅安、景気懸念強まる - Bloomberg
モルガンSとシティ、株式の大波乱を予想-「需要崩壊」避けられず - Bloomberg
コロナショック(2020年2月~3月)でS&P500は3割下落したので、それくらいはありそうな雰囲気。ということは、3300か。やれやれ。
原油、120.80
10年債、1.7510
ドル円、115.3100
Bitcoin、38,265
なし。
なし。
なし。
アメリカは両党の支持を得てロシア産原油を禁輸しそう。ドイツは買い続けたいと言っているが、ロシアから「止めちゃうぞ」と脅されている。
ロシア産原油の禁輸と関税引き上げで枠組み合意-米議会主要議員 - Bloomberg
ドイツ、ロシア産原油の輸入停止計画せず=財務相 | ロイター
ロシア、ノルドストリーム1経由の欧州への天然ガス供給遮断も辞さず - Bloomberg
こういう時こそ、プーチン大統領と仲が良かったメルケル元独首相が出てくるべきなのでは?と思うが、今の所姿は見えず。
ロシアがデフォルトか?との記事がある。既に誰もロシアという国家を信頼していないので、デフォルトするでしょうネ。
ロシア国債、最も可能性の高いシナリオはデフォルト-モルガンS - Bloomberg
JPモルガン、ロシア債を全ての債券指数から除外-今月末実施 - Bloomberg
先日来、ロシアが株式指数から外されたとのニュースをお伝えしていますが、こちら、CNBC ETF Edgeのコーナーにて、こんな会話をしていた。
ーロシア株の取引きができないことで、ETFに副次的影響が出ている。
・ロシア株式市場は閉じている。NYSEはロシア株ETFの取り引きを停止した※。
ーこれは投資のグローバル化、分散化からの回帰となるか?中国は投資すべきか?という疑問は以前からあった。
・中国を除いた新興国株ETF(iShares MSCI Emerging Markets ex China ETF)、人間や経済活動の自由度に応じたFreedom 100 Emerging Markets ETF(FRDM)は中国やロシアを含んでいない、国有企業を除いたWisdomTree Emerging Markets ex-State-Owned Enterprises Fundもある。[注:ETF Edgeのコーナーは、はある意味ETF宣伝番組なので、このような解説になる]
ーMSCIなどがロシアを指数から排除したことで、新興国株式ETFであるiShares Emerging Markets ETFは約3%のウエイトを占めていたロシア株の価値を突然ゼロにした。ロシア市場が開いた後はどうなるか?
・(事態が改善し)ロシア株式市場が開けば、ロシア株の上昇は見込まれる。その時、新興国株ETFからロシア株は排除されているので、一時的上昇がトラッキングエラーとして表れるだろう。しかし、それまでにはロシア株がペナルティーボックスに入る期間が儲けられるだろう。
※:ロシア株ETFの取引が先週金曜日から停止されている。
All these Russia ETFs were halted indefinitely for 'regulatory concern' - MarketWatch
ETFs with the tickers ERUS, RUSL and FLRU were halted before Friday’s open, and with RSX and RSXJ were halted after the close.
チャートはどのように見えているかというと、こんな感じ。iShares MSCI Russia ETF(ERUS)、5日間。
ロシアのウクライナ侵攻に触発され、中国が台湾に侵攻するのでは?という懸念もある。
Taiwan’s residents fear Russia’s war with Ukraine could preview a Chinese invasion - The Washington Post
中国、太平洋版NATO構築しないよう米国に警告-台湾支援もけん制 - Bloomberg)
そうなるとロシア株・ETFに起きた事(市場からの排除)が、中国株・ETFでも起きるでしょう。MSCI Emerging Market(←eMaxis Slim 新興国株式インデックスが連動)における中国のウェイトは約3割。MSCI All Country World Index(←eMaxis Slim全世界株式が連動)では約3.7%。最低、これだけ棄損すると考えておきましょう。中国を経済封鎖した場合、この程度で済むはずありませんが、最低ラインとして。
ロシアは鉱物輸出国でもあるので「自動車メーカーは宣言した数のEVを作れるのか?」という疑問。
ーMorgan Stanleyアダム・ジョーナスは新しいノートを出した。FordとEVメーカーに関するものだ。FordとGMの株が下げている。アダムは、Fordは2026年までに2百万台のを販売と言ったが、バッテリーの調達は出来るのか?、と疑問を呈した。
・これはEV業界の人間がずっと話題にしていたことだ。数週間毎に、世界中の自動車メーカーの幹部が出てきて、EV販売に関する新しい数字を上積みしてくる。しかし、供給は追い付いていない。アダム・ジョーナスの焦点はニッケルだった。彼のノートでは、いくらカネを摘んでも新規のニッケル鉱山は2024年まで掘削されない、と指摘。一方、Fordは2026年までに2百万台販売すると言っている。EVへの投資を2026年までに$50Bにするとも言った。先週水曜日、そのアナウンスがあった後、(Ford CEO)ジム・ファーリーに「必要なニッケルを確保できるのか」聞いてみた。その答えがこちら。
- <ジム・ファーリー>我々は2百万台にコミットする。我々は必要なロー・マテリアルを持っている。製造するだけだ。Fordの失敗に賭けるなよ(don't bet against Ford)。
彼は、この先もっと多くのアナウンスをすると言っていた。さらに台数を上積みするようだ。米国自動車メーカーGM、Ford、Stellantis、Teslaは全て大量のEVを作るとコミットしている。ニッケルの調達をどうするつもりか?もしかしたら、少しずつ「いやー、その目標には達しそうにないんですけど」と言い出すのかも知れない。
ーロシアは世界最大のニッケル供給元である。このままでは目標を達成できないと言うのですね。以前イーロン・マスクは、ニッケルの供給が問題であるとツイートしていた。ジム・ファーリーはFordの失敗に賭けるなと言うのは分かる。それ以外何も言えないだろうし。
・その通り。アダム・ジョーナス以外、公の記事にしていないが、全ての人がその噂をしている。バッテリーサプライヤーに話を聞けば、ほぼ全ての人が「こんな目標無理に決まっている」と回答する。
EVスタートアップからのプレッシャーがあっただろう。EVをX台売ると発表すれば、株価が上がった。伝統的自動車メーカーへのプレッシャーとなり、販売台数のコミットメントをせざるを得なかった。彼らが嘘をついているとは言っていない。私が言いたいのは、これは椅子取りゲームであり、十分なニッケルや、その他のキーコンポーネントは存在しない。この情況はすぐに変わるだろうか?全てのアナリストは、Noと言う。
ここでは「私は〇〇とは言っていない」は「私は○○と言っていますが、悪気はないのですよ」と同じ意味。
自動車メーカーはEV販売目標を上積みして株価を上げてきたらので、目標を下げれば株価が下がるのは自然な流れ。誰が先陣切って発表するか?EVスタートアップが主導してきたので、彼らのどれかかな?目標削減を発表するくらいなら、他社との合併や、大手に買われる道を選ぶかも知れない。出資者(VC)が黙っていないだろうから。
なんらかの技術革新があり、ニッケルやその他希少物質の使用を減らせる可能性も無いわけではないが・・・。
EV関連株バブルが弾けると考えると、ドキドキです。