塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジェレミー・シーゲル教授】マイナスGDPと雇用増加の整合性が取れていないので、金融引締めの手を緩めよ。株は年末に向けて上昇するが、来年は分からない。

塾長です。

昨日(米国8/1)の米株市場は、反落。先週大きく上げたので、その反動。先週「bear market rallyに過ぎない、来週は下げるゾ」と脅されていた割にはうまく持ちこたえたという印象。

 S&P500、4,118(-0.28%)

 Nasdaq、12,368(-0.18%)

【米国市況】株反落、FRB当局者発言や経済指標見極め-131円後半 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、93.68

 10年債、2.6060

 ドル円、131.6300

 Bitcoin、23,340

 

 

経済指標:

 7月 製造業PMI、52.2

 7月 ISM製造業景気指数、52.8(予想52.2) 

米ISM製造業景況指数、約2年ぶり低水準-新規受注なお縮小圏 - Bloomberg

 

 

 

Charles Schwab リズ・アン・ソンダースさんが「新築戸建て住宅価格中央値(2か月間の価格変動)が-11.9%となり、金融危機時の値下がり率を超えた」とツイート。定量的に確認できたのは初めて;

一方、Ychartsによると、中古住宅は値上がりし続けている(過去6か月チャート);

US Existing Single-Family Home Median Sales Price 2022/8/1 - Ycharts.com

 

 

金融政策:

カシュカリさんがCBC Newsで「リセッションを避けるために出来る事はするが、インフレを抑えることにコミットしており、すべきことをする」と景気後退よりもインフレ退治を優先する発言;
Kashkari says Fed is committed to reining in inflation, but 'we are a long way away' - MarketWatch

インタビューはこちらで見れます;
Minneapolis Federal Reserve President Neel Kashkari on Face the Nation - CBS News Live Video - CBS News

インタビュー冒頭「インフレはホットだ。どう見ている?」と問われ、「我々(FED)は高いインフレの数字を見るたびに驚いている」と回答。それに対して、ある人が「だったら、多分間違った人をFEDのボードに座らせているんだね」とツイートしていて、笑ってしまった;

ガソリン、食品、車、住宅価格が高騰しているのを目にしているはず、それがインフレ率という数字に出ているだけなので、驚き続けてはいけないネ。その場の雰囲気や、相手が聞きたいと思っている事をしゃべっている感じ。こういうのを「コミュニケーション能力に優れる」と呼び、営業職には向いているかも知れないが、中央銀行で政策を決める人がこれで良いのか?と。

 

 

財政政策:

米国からウクライナに追加軍事支援、$550M(7.2兆円);
U.S. to send Ukraine additional $550 million in military aid

 

 

地政学

ペロシ下院議長が中国の反対を押し切って台湾訪問予定。一体何がしたいのだろう?;
Pelosi expected to visit Taiwan, Taiwanese and US officials say - CNNPolitics

有事に備え空母などを台湾近辺に派遣;
UPDATED: Carrier USS Ronald Reagan, F-35B Big Deck Operating Near Taiwan as Pelosi Arrives in Singapore; China Renews Threats - USNI News

 

 

個別株:

昨日は注目決算無し。

 

7/29付けのニュース、こんなのありました。米国で5番目の大きさを誇るU.S. Bancorpが、ニセ口座を作っていたとして$37.5M(約4,900億円)の罰金;
U.S. Bancorp is fined $37.5 mln for opening sham accounts | Reuters

記事にもあるように、これはWells Fargoがかつてやった「口座開設数が増えてます!業績好調です!」と投資家を欺いたのと同じ。

 

 

EllottがPinterestの株買っている。何をしたいのだろう?普通にリストラして、収益改善して、売り抜けたいだけ?;
ピンタレスト株急伸、予想上回るユーザー数-エリオット筆頭株主に - Bloomberg

 

 

McDonald'sは一部店舗でBeyond Meatの植物肉を使ったバーガーを販売していたが、全国展開には至らなかった模様。ちょっと客層が違うよネ;
McDonald's Ends a Menu Experiment - TheStreet

 

 

最近マイク・ウィルソン(弱気派)もコラノヴィック(強気派)もCNBCに出演しておらず、寂しい限り。二人の論戦は続いている;
米景気後退懸念で株価に上昇余地ほぼなし-モルガンSのウィルソン氏 - Bloomberg
JP Morgan quant who called summer rebound in stocks says rally could continue even if corporate profits decline - MarketWatch

ウィルソン曰く、リセッションが来るのだから株は下がる。

コラノヴィック曰く、リセッションは織込み済み。

どっちやねん!と関西人ばりに突っ込みたくなる。

 

 

最後は、ジェレミー・シーゲル教授のインタビュー;

www.youtube.com

ー7月、株は上昇した。これから下がるのか?底を付けただろうか?

・金曜日に出る雇用統計に注目だ。
私を悩ましている(puzzle)データがある。過去6か月、2.7Mのジョブを作ったというのに、なぜGDPが下がるのか?GDPは人々が働いた結果(注:所得)の総和だ。説明できるとしたら、労働時間の減少だが、公式なデータではそうなっていない。もしくは大幅な生産性の低下。第1四半期、75年間で最悪の生産性だった。数週間以内に出る第2四半期も同じような悪さだろうか。これはかつてなかったことだ。歴史上、これほど生産性が崩壊したことはない。良いニュースとして解釈するのであれば、生産性が回復すれば、インフレは抑制される。高生産性は低いインフレを意味する。私は、FEDは金融引締めサイクルの終盤に来ていると思う。中立金利以上にいると思う。多くの人、ラリー・サマーズなどは、そうではないと言っているが。私は、中立金利は1.0~1.5%程度だと思う。FEDは需要に敏感なコモディティー価格、住宅価格を見るべきだ。

ーstop & start シナリオ(金融引締めをやめて、インフレ率が再上昇し、さらなる引締めをやらなければいけなくなった70年代の失策)にならないと思いますか?データを見ずに、決断すべきだと?

・彼らはデータを見るべきだ。何度も言っているように、CPIは過去を表す。住宅価格上昇分をCPIに正しく組入れていれば、去年のCPIは10~12%になっていたはずだ。しかし、住宅関連の専門家は住宅価格高騰は終焉を迎えたと言っている。それが先行指標だ。それは市場が望むもの。先週パウエルはソフトになったように聞こえた。我々(市場)は、金融引締めの終了を公式なインフレ率が2%に戻るまで待って欲しくない。それは災害(disaster)を招く。市場は、既に値上がりはパイプラインに入ってしまっているが、その先を見てくれ、と言っている。FEDは引締めの手を緩めるべきだ。生産性が改善すれば、インフレを抑制する。

株がボトムをつけたかどうかは分からない。さらに売られる可能性はある。しかし、今の所、S&P500企業の半分が決算を終えた時点で、企業決算は悪くない。去年程良くないのは当然。あれは特別だった。ガイダンスが少し低いかも知れないが、今年のS&P500は今年1月と同じ程度だろう。2023年の話ではない。

FEDが金融政策を進める上で、GDP2期連続マイナスと2.7M新規雇用の不整合を説明しなければならない。

去年から積極的な金融引締めを主張してきたシーゲル教授が、引締めの手を緩めるべきだと転換(金融緩和しろと言っているのではない)。

既に起こってしまった値上がりではなく、その先の弱い経済データを見て、パウエルが強硬的からマイルドに転換するのであれば株は上がるが、そうでなければ来年に向けて厳しいリセッションに入り株は下げる、と言っている(と理解しました)。

 

経済サイクル、ビジネスサイクルは年単位の動き。6か月間で2.5%も利上げしたのだから、その影響を見極めるべきだというのは、とてもマトモな考え方。

問題は、中央銀行の人達も普通の人なので、自分のキャリアを考慮に入れたり、政治的圧力に屈してしまうんじゃないか?という点ですネ。

 

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