塾長です。
昨日(米国9/27)の米株市場は、そろそろ底固め。Nasdaqが反転。ふ~ん、Nasdaqが先でしたか。
S&P500、3,647(-0.21%)
Nasdaq、10,829(+0.25%)
【米国市況】S&P500は6日続落、利上げ懸念続く-ドル144円台後半 - Bloomberg
原油、78.42
10年債、3.9640
ドル円、144.8420
Bitcoin、19,132
8月 耐久財受注[前月比]、-0.2%%(予想-0.4%)
8月 耐久財受注・コア[前月比]、0.2%(0.1%)
7月 住宅価格指数[前月比]、-0.6%(0.1%)
7月 ケースシラー住宅価格[前年比]、16.06%(17.45%)
9月 コンファレンスボード消費者信頼感指数、108.0(104.3)
9月 リッチモンド連銀製造業指数、0.0(-12.0)
8月 新築住宅販売件数、68.5万件(50.1万件)
同[前月比]、28.8%(-2.3%)
米住宅価格指数、7月は過去最大の減速-市場の冷え込み映す - Bloomberg
8月の米新築住宅販売、予想外に増加-減少一服も基調変わらず - Bloomberg
米消費者信頼感指数、9月は2カ月連続で上昇-4月以来の高水準 - Bloomberg
ブラードさん、何も分かっていない発言;
ブラード氏ら米地区連銀総裁3人、利上げ継続必要-信頼性維持へ - Bloomberg
セントルイス連銀のブラード総裁は高まるインフレ圧力によって金融政策当局のインフレ目標政策に対する信頼性が脅かされていると指摘した。
信頼性が無いのは、2021年時点で失敗し、その原因分析も無いまま今に至っているからですヨ?
ハーカーさんと、サンフランシスコ連銀が「住宅価格高騰は、我々がゼロ金利を長く続けたからじゃありません」と言い逃れ発言/レポート;
ハーカー総裁、長期的な住居費インフレ緩和には住宅建設必要 - Bloomberg
・・・「結論を言えば、われわれは建設する必要があるということだ」と説明した。
コロナ禍の住宅上昇、原因の60%余りはリモートワーク-米連銀調査 - Bloomberg
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期に見られた住宅価格と賃貸料の上昇の6割余りは在宅勤務の普及がもたらしたもので、こうしたシフトの恒久化でコストやインフレ率は今後も押し上げられる公算が大きい。
The Big Short(邦題:マネー・ショート/華麗なる大逆転)にこんな有名なシーンがある;
ブラッド・ピット演じるベン・リカートが、住宅ローン派生商品に対するショートをしかけ、喜んでいる若手ファンドマネージャを諫める場面で言うセリフ;
我々が正しければ人々は家を失う、職を失う、年金を失う。失業率が1%上がれば、40,000人が死ぬ。
どうやら失業率と死者の関係は様々な議論があり、定まった説は無いみたい。ただ、日本ではバブル崩壊後に自殺者は増えたし、感覚的にも合っている。
金融当局者は、こういう事も頭にいれて、仕事してくれると良いナ。
不動産つながりで、こんなインタビューもありました。不動産投資会社Carrol 創業者・CEO パトリック・キャロル。
ーいつ(住宅市場の)転倒(roll-over)が起きると思いますか?
・我々は既にそれを目にしている。私のビジネスは主に賃貸用集合住宅だ。貸し出し(lending)は乾ききっている。資金の貸し手は賃料がどうなるか、金利がどうなるか予測できない状況。融資がなければ、商業不動産セクターは止まってしまう。戸建て住宅販売市場(for-sale single family market)は、時間の問題。心理ゲームだ。住宅価格の下落、もしくは上昇していないのを見て、縛られたように感じている。返済は増加し、借換えをようしようにもできない。私の出資者と会話すると、2008年を思い起こさせる、という話になる。
ー2008年ですか。本当にそうなると思いますか?
・私はそう思いますよ。私はその時代にいました。実際、それがきっかけで業界に入った。融資の問題だ。貸し手は悪い時を忘れ、貸し過ぎる。悪い時は来るものだ。FEDがリセッションを起こし、世界は不安定になる。人々は解雇され、収入が減り、可処分所得が減り・・・心理的な効果が悪い事を引き起こすのだ。
ーしかし、銀行には資本規制が導入されたりしました。それでも2008年と同じような事が起きるでしょうか?彼らは準備が出来ていないと?
・もちろん出来ていない。多分彼らはお行儀よくやってきただろう。しかし、彼らの貸し先は・・・debt funds(債券などに投資するファンド/投資信託)がある。もし、phantom banks(?)が倒産すれば、彼ら準備ができているとは言えない。彼らは銀行と同じリスク指針を持っていない。彼らが潰れてしまえば、銀行の問題になる。
今、銀行は融資をしない。誰も不動産融資をしない。私が不動産を買う時、かつては20のterm sheetsをもらえた。今は3か4。それらはFreddie Mac、Fannie Maeからだ。連保政府の機関。銀行は出てこない。貸し出しは無い。これが何を意味しているかというと、彼らには何か隠している問題があるのだろう(that tells me they have a lot of problems on their hands that they may not be necessarily discloseing)。
phantom banksって何の事でしょう?この文脈では不動産ファンドを組成・運用している投資会社を指しているようですが。
まぁ、彼は銀行の専門家ではないので、不動産不況が金融危機につながるという話は割り引いて聞いた方が良さそう。
彼が予測しているように、2008年のような不動産価格下落があれば、米国人は経済的にも、心理的にダメージを受け・・・、逆に不動産を買いまくったりして。ボンヤリした普通の日本人には予測不能。
そう言えば、先週金曜日、ラウル・パルがこんな事を言っていた;
(38分ごろから)
ー反転は今年末頃までに起こるだろうか?もっと先の話?
・我々は経済を壊している。FEDは年末までに利上げを止めるだろう。NY FEDが「債券市場はもうありません(債券市場に流動性が無い)」と電話をかけるかも知れないし、マージンが先かも。支払い準備制度、スワップライン。それが「やり過ぎた」と気付く時。もしこの状態が2週間続ければ、全ての物語(narrative)は変わるだろう。
ー犠牲者が出ますよね?国のデフォルトとか。
・そうだね。何かは分からないが、イタリア国債か何か。先進国だろう。スリランカやパキスタンが破綻しても誰も気にしないから。悪く聞こえるかも知れないが、何か大きなものである必要がある。多分海外ではないか。欧州だろう。誰がそれを知っているというのか。もしかしたらジェイミー・ダイモンがFEDに電話で「君たち、何をしたか分かっているのか?」と言うのかも知れない。政治家が「住宅ローン金利が1%から7%に上昇するってどういうことだ」と言いだすのかも知れない。まったく滑稽な話だ。
確か彼は債券取引のバックグラウンドを持っていたはず。
なので、彼の言っている事はガンドラックに近い。FEDは急激に金利を上げ過ぎている、経済はぶっ壊れる、今は債券が安い・買い時、そのうちFEDはピボット(利上げ停止)する、というもの。
興味があれば、全編見て下さい。面白かったデス。
なし。
なし。
今は株の話をする雰囲気ではない・・・。
一方、債券利回りが上昇していいるので、ジェフリー・ガンドラックが大喜びしている。「ようやく俺たちの出番がきたか」という感じ;
The prices of the ETFs LQD (Investment Grade U.S. Corporate Bonds) and EMB (Emerging Market Bonds) are now lower than they were at the depths of the COVID lockdown panic.
— Jeffrey Gundlach (@TruthGundlach) 2022年9月26日
The U.S. Treasury Bond market is rallying tonight. Been a long time. I have been a buyer recently.
— Jeffrey Gundlach (@TruthGundlach) 2022年9月27日
ガンドラックの下で働いているジェフリーシャーマンもCNBCに出演し、ハイ・クオリティーな債券(すなわち、米国債、投資適格社債)を買え、とけしかけていた(詳細割愛);
こういう日は「The Big Short」でも見て、気を落ち着かせましょう。
金融危機からの回復には時間かかりましたが、株や不動産の買い場でした。
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