塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【Paypalがデマに罰金?】米個別株投資のtail risk高まる【Woke Capitalism】

塾長です。

週末、Paypalにある事件が起こり、昨日(米国10/10)同社株価は6%以上という尋常でない下落幅を記録しました。

何があったかというと・・・、

(1)Paypal利用規約を改定し「デマ(misinformation)を流布したユーザから$2,500/件の罰金を徴収する」を付け加えた。

 この件がSNSで拡散し、Paypalを使うのを止めようという声が高まった。Paypal元社長 デイビッド・マーカス、共同創業者イーロン・マスクも反意を表明;

PayPal says policy to fine customers for 'misinformation' was an 'error' | ロイター

PayPal’s former president David Marcus slammed the policy in a tweet on Saturday, saying the new policy “goes against everything I believe in”.

“A private company now gets to decide to take your money if you say something they disagree with. Insanity” Marcus tweeted.

Elon Musk, the billionaire Tesla Inc chief who co-founded PayPal, tweeted “Agreed”, replying to Marcus’s tweet.

 

(2)土曜日(10/8)になってPaypalは「不正確な情報が含まれていた。Paypalは利用者から罰金を取らない。この言葉は利用規約に入る予定は無かった」と取り下げた;
PayPal Says It Never Intended to Fine Users for ‘Misinformation’

The notice included “incorrect information,” a spokesperson for PayPal said in a statement to Bloomberg News. “PayPal is not fining people for misinformation and this language was never intended to be inserted in our policy.”

 

(3)昨日(10/10)、この事件があってから株取引が行われた初日、Paypal株が売られ、-6.27%の84.52で終了。こちら(↓)5日間チャート;

Paypal 5D 2022/10/10 - Yahoo Finance

 

ここでPaypalは3つの間違いを犯したと考えます。

 

1.元社長マーカスが言うように、いったい誰がデマ(misinformation)を定義できるというのだろう?少なくとも三権分立の下では立法府が枠組みを作り、裁判所が判断すべきだし、さらに突き詰めて言うと、何かを絶対的に正しい(or 誤り)と判断ができると考えること自体間違っている。

 

2.デマをどう扱うかという議論はSNSプラットフォーム(Facebookなど)が抱える問題であり、政治化&泥沼化している。わざわざFinTech企業が積極的に関わろうとするのはどういう経営判断(意図)だったのか?

ちなみに、同じ文脈において、Mastercard、VisaがPornhubをキャンセルしたのも腑に落ちていない;
アダルト産業を実質的に規制しているのは政府や国際条約ではなく「クレジットカード会社」だという指摘 - GIGAZINE

 

3.「意図した変更ではなかった」との説明(言い訳)はPaypalに対する信用を棄損した。大手企業であれば利用規約は複数の部門でレビューされるだろうし、そう簡単に意図しない修正が紛れ込むとの説明は信じられない。逆に、利用規約をいい加減に変更していたのだとしたら、そんな企業は信用できないので、いずれにせよ信頼を損なったことには変わりない。

 

世の中にはこのニュースを聞いて「社会問題に積極的に取り組むPaypalって会社は素晴らしい!」と感動する投資家もいるかも知れないし、「デマ拡散する悪者から罰金を取る正義の企業にはユーザーが増えるはず、そうなれば儲かるはず」と考える投資家もいるかも知れない。それはそれで結構なことデス。

が、純粋な?昔ながらの?投資家としては、特に上記1、2について、2015年辺りから「Woke Capitalism」として批判が出ているmovementには気を付けたい;Woke capitalism - Wikipedia。企業には投資家を優先してもらいたい。

今までも個別株投資のtail riskとして、幹部の横領、粉飾、会社ぐるみの違法行為(最近では、日野自動車はどうなってしまうんだろう・・・)がありましたが、それに一つ「Woke~自社利益/株主還元よりも社会的なagendaを重視する」が加わった感じ。

では、どのようにWokeな企業を見分けるかと言うと、今回の事件や、CEOが社会正義的、政治的な発言をしたときに気付けるくらいだろうか。

 

個別株、やめようかな・・・。

 

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