塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【モハメド・エルエラリアン】米長期国債安の原因は供給過剰。そこに米国経済成長・高インフレ・日本金融引締めが輪をかけた。

塾長です。

昨日(米国8/18)、米株安・米国債安・円安は一服。細かくみると、ハイテク、Bitcoin売り継続。

 S&P500、4,369(-0.01%)

 Nasdaq、13,290(-0.20%)

【米国市況】大型ハイテク株が3週続落-円は続伸し145円台前半 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、81.40

 10年債、4.2510

 ドル円、145.3800

 Bitcoin、26,077

 

 

経済指標:

なし。

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■Deere、Palo Altoが決算;
Deere Slides on Questions Over How Long Farm Boom Can Last

The world’s top agricultural equipment producer lifted its profit outlook for the year and its third-quarter earnings results surpassed analyst estimates, according to a statement Friday. Still, farmers are likely to slow machinery purchases as soon as grain markets normalize. Deere shares fell as much as 5.5%, the most since April.

 

Palo Alto shares rise on earnings beat, surprising investors who worried about a Friday report

・Palo Alto reported earnings that topped analysts’ estimates even as revenue came in weaker than expected.

・The stock shot up in extended trading following an extended selloff.

・Investors were concerned about potentially problematic numbers since the company chose to announce earnings after the market close on Friday.

 :

Here’s how the company did for the quarter ended July 31:

・Earnings: $1.44 per share, adjusted, vs. $1.28 per share, adjusted, as expected by Refinitiv.
・Revenue: $1.95 billion, vs. $1.96 billion as expected by Refinitiv.

 

 

■今日の〆はモハメド・エルエラリアン;

www.youtube.com

ー債券のmonster moveについて、あなたの考えを教えて下さい。

・まず供給だ(供給が多い)。次に、成長可能性への再評価。次に、長期的にインフレに粘着的であるという認識。最後に、日本で起きている事に目を向けた。それら4つが一緒になった。供給が[債券安の]主要なドライバーであり、他の3つが貢献している。

ーこのレベル[債券価格/利回り]は継続可能か?

・来週金曜日のパウエル講演にかかっている。彼は様々な議題から選ぶことが可能。短期の金融動向、長期、もしくはどちらも。challengingな経済問題かもしれない。いずれにせよ、彼が言う事が債券にとって重要だ。

 そして中国。2つの長期的問題が同時に起きている。1つは、債務とレバレッジのポケットがシステム上の問題になっている。2つめが、高成長を生み出せていないこと。それらが合わさって、中国の金融システムを揺るがしている。

ー昨晩、中国元はFX市場で強く戻した。国有銀行がサポートするように指導された。中国国内市場での株売り越しを止めるように指導された。

・彼らは過剰債務(debt overhang)と成長の問題が金融危機になるのをとめようとしている。彼らは金融安定化の短絡(short circuit)をしている。しかし、それは2つの根本的問題を解決しなければ、解決しない。

 成長性の問題に関しては、彼らがどうしようとしているのか分からない。伝統的には経済刺激策を打ってきた。それは究極的には機能しない。改革をしようとしているのか?それは成長ドライバーを押し下げる。政治的に難しい。

 債務問題に関しては、根本的な構造改革を行っていない。それゆえ、これらの小さい問題がシステム的になってしまう。

 これらの[根本的な]問題を解決しなければ、金融危機を回避できない。既に中国からの[投資]流出を目にしている。

ー中国の問題は伝染するだろうか?

・金融のチャネルからは伝染しない。中国は経済的に大きいが、金融的にはそれほどでもないからだ。しかし、経済には注目しなければならない。今の世界経済はほぼ米国に依存している。米国経済がbright spotだ。米国経済は本当に成長している。欧州は困難をかかえ、UKも困難をかかえ、そこに中国が縮退している。どれくらい米国の肩に載せられるだろうか。中国は世界成長を損なう者(detractor)になってしまった。

ー世界の成長は米国経済にかかっていると言った。それを逆にして聞きたい。米国経済はどれくらい世界経済に依存しているだろうか?米国以外の弱さが続いたとしても、米国は成長し続けられるだろうか?

・できるかもしれない(we could)。米国は大きな閉鎖経済(closed economy)を持っている。とても分散されている。輸出は米国経済に貢献するのだから[世界経済が弱まれば]難しくはなるが、可能である。それが今年のストーリーであった。米国外がダメでも、米国は成長し、加速できるというのが。

ー来週のパウエル講演のタイトルはstructual shift of globa economyだ。世界の中央銀行はトム・キーンからの質問を借りるだろうか?

FEDは世界の中銀である。ドルはreserve currency。世界の貯蓄を管理している。米国は最も流動性があり、深い。もちろん、米国は世界に大きな影響を及ぼす。

 パウエルが何をしゃべるか分からない。様々なトピックから選べる。短期的、長期的、戦略的、セクター的、構造的など。

ー構造的理由から、GFC後~パンでミック前の低金利から、高金利に移行したと言えるか?

・もちろんだ。今の世界経済はまったく違うものになった。総合的需要が不十分な経済から、総合的供給不十分に移行した。労働市場サプライチェーン、エネルギー移行でそれを感じることができる。世界経済は構造的に異なったものなった。

 フレームワークが変わっていないのが問題である。この世界では、インフレターゲット(2%)は低すぎるのかも知れない。世界が変わったため、金融政策において重大な側面が存在する。

ー9月FOMCの話をするのは早すぎますか?あと1回ずつCPI、雇用統計発表が控えている。

・そう思う。彼らはデータ依存だと言い続けてきた。それを尊重すべき。CPI、雇用統計をみるべき。

ー株は0.5%下げている。S&P500は7月の高値から5%下げた。Nasdaqは8%下落。high yield spreadはとてもタイトである。債券の動きから、これをどう見ますか?短期債は5%、長期は4.5%。リスクを取るには高過ぎる?

・コンテクストが重要だ。7月、株式市場も債券市場もソフトランディングとの恋愛を楽しみ過ぎた。その揺り戻しが来ている。

 一歩引いて・・・、もし年初に私「S&Pが14%上昇する、Nasdaqは27%上昇する」と言ったいたら、多くの投資家は聞く耳をもたなかっただろう。

 コンテクストが重要だ。人々はソフトランディング物語のように単純に行かないと気づきはじめたのだ。

まとめると・・・、

・米長期国債安の原因は供給過剰。そこに米国経済成長の可能性、長期的な高インフレの可能性の認識、日本の金融引締めが貢献したものである。

米国債価格は25日のパウエル講演@ジャクソンホール次第。彼が何を言うかは分からない。

・世界経済は構造的に変化した。需要不足から供給府億へ。長期的に高インフレ傾向が続く。2%インフレ目標は低すぎる。

・中国の過大債務、低成長が中国国内の金融危機を引き起こす可能性がある。彼らはそれら根本的課題に対処していない。中国の金融危機が世界に波及することはないだろうが、経済が世界の足を引っ張る。

・9月FOMCはデータ次第。それまでにCPI、雇用統計が1回ずつ発表される。

・8月株安、債券安は7月までの株高・債券高が行き過ぎだったから。経済はソフトランディング物語のように単純に行かない。

 

ふむふむ。

マクロや債券の人達(≒長期的視点で市場を分析する人達)は経済が質的転換をしたので、高インフレ時代(需要過多・供給不足)が続く、と言っている。だから、高金利が続く(”higher for longer”)のだ、と。

そして、そのセオリー通りにならない場合に備えて、「中国経済が心配」「銀行のバランスシートが危ない」等の逃げ道を置いておく。

 

・・・。

誰も長期的な経済予測など出来ないが、何らかの仮説が無いと投資方針が決まらないし、彼らも何か言わないと仕事にならないから言っているだけ、という事ですネ。

 

ーー

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