塾長です。
先日新NISA・PFFに関する記事を書いたところ(↓)、コメントを頂いたので(コメント、ありがとうございます)、なぜ私が新NISAにPFF・PFFDを入れようとしているのか、少し整理してみようと思います。
これは私の考え方を整理したものなので、投資アドバイスではありません。投資は自己責任で。
そもそも、過去数十年間S&P500が最強だったので、資産を増やしたいのであれば高配当株(等)への投資ではなく、S&P500投資信託を買い、配当を出さず内部再投資していた方が勝率は上がりそうです。
しかし、その投資方針は年齢が上がり・収入が 無くなり(orヘリ)、投資金額が増えてくると、心理的に最適とは言いきれなくなります。
例えば、2千万円分のS&P500投資信託を持っていたとして、米株は直近10%程度下落したので、(証券口座上の金額は)200万円減。キャッシュフローがプラスの人にとっては買いのチャンスですが、引退後・無(低)収入の人にとってはドルコスト平均法も使えず、ただ単にイヤ~な気分になる。「あ~、また2000万円問題に直面するのか」と。投資経験が長ければ、多少の上下は気にならなくなるし、握力もついているのでパニック売りはしないが、気持ちが暗~くなる。
しかし、資産の一部を高配当金融商品にしておくと、定期的に銀行口座にカネが振り込まれて、「配当(と年金)で生活できるから、株価が下がってもいいや。いつか戻るでしょう」と考えられるようになる。これが高配当金融商品を持つ、意味・意義・役割かと。
一方、この投資方針は、後から「いやー、あのときS&P500(or Bitcoin、 QQQ、インド株・・・)に投資しておけば、今頃フェラーリ買えたのに」と後悔するタイプの人には向いていないでしょう。
それでは、心の安定を得るためポートフォリオに高配当金融商品を組入れよう、と決めたのであれば、配当がゼロになる危険性のある超高配当にall-inするのではなく、広く分散したい。
具体的には;
・米国高配当ETF(SPYD、HDV)、優先株ET(PFF、PFFD)
・日本高配当投資信託(NF日経高配当50、NF日本株高配当70、日経平均高配当利回り株ファンド・・・)
・REIT(海外であればSRETが気になっているが、買っていない。日本であればJ-REIT指数連動投信か、そもそもREITの数が少ないので個別REITに分散してもOK)
・米国、日本の高配当個別株(で、自分が「これなら大丈夫」と思うものをお好みで)
・米国債(定期収入が欲しいのでストリップ債ではなく、利付債)、ドル建て債券(現在、ホンダ、三井住友、オリックス・・・などのドル建て債券は5%超)
あたりが良い候補になると思います。
注釈:
- ETF・投資信託には償還リスクがあるので、資産規模の大きいものを選びたい。
- 米高配当ETFから(有名な)VYMを除外しているのは、「値上がりも期待できるETF」ではなく、配当に全振りしているETFを入れたいから。同じ理由で”配当貴族”系ETF・投資信託も除外。
- 債券ETF(例えばHYG、JUNK)を候補に入れていないのは、利回りが低いから。
- BDC(business developmetn companies)を買いたいが、なぜか日本では買えないので、除外。
- 新NISAには生の債券を入れられないので特別口座で買う。
まとめると、
・資産形成には株投資信託積立のみで良さそうだが、年齢・収入・資産規模によってドルコスト平均法が使えないというdisadvantageと、気分の問題があるので、高配当株(ETF)・債券をポートフォリオに組み入れると良いでしょう。別の言い方をすると、高配当金融商品をポートフォリオに入れる目的を明確化する。
・個別の高配当株に全賭けするのではなく、高配当株(ETF)、REIT、債券に分散する、通貨的・地域的に分散すると、より安心できる。PFF(優先株ETF)はその一つとなり得る。
というお話でした。
また、”リセッション、円高による下方リスクへの考え方”についても質問頂きました。
基本的に、リセッションはいつか来る(そしてその後回復する)、市場のタイミング、特に為替は読めない、と考えているので、目をつむって買っている場合がほとんどです。
それでも迷ったときは、下方リスクを計算して考えてみる。例えば・・・;
・100万円@1ドル150円でPFF(本日時点の利回り7.3%)を購入し、10年後@1ドル120円で同じ価格のPFFを売ってexitする、と仮定する。
・元本の100万円は80万円になる。10年間の配当を平均1ドル135円で受け取ったとすると合計65万7千円。合わせて145万7千円。100万円を年率約3.8%でまわしたことになる。
・この年率3.8%という投資を納得できるか、他を買っておけば良かったと後悔しないか?と自分に問いかける。
(PFFが10年後も同じ価格であるというのは過去からの類推。さらに下方リスクを織り込みたいのであれば、価格・利回りを下げて計算する。上記計算にはミスの可能性が大いにあるので、ご自身での検算をお願いします)。
ここから蛇足ですが、下方リスクがある一方、上方リスクもあります。さらなる円安リスクもありますし、現在米国は高金利なのでPFFは安くなっている(PFFの利回りは上がっている)が、10年後には金利が下がり、PFFは値上がりする(米国潜在成長率からすると長期的にFFレート1,2%程度、その時PFFは32~34ドル辺りが適当では?)と考えることも可能かと。
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