塾長です。
昨日(米国11/27)の米株はチョイサゲ、長期債利回り低下、円高。
S&P500、4,550(-0.20%)
Nasdaq、14,241(-0.07%)
【米国市況】債券高の流れ継続、株下落-ドル一時148円55銭に下落 - Bloomberg
原油、75.04
10年債、4.3890
ドル円、148.4440
Bitcoin、37,137
10月 新築住宅販売権数、67.9万件(予想72.5万件)
同[前月比]、-5.6%(-4.7%)
米新築住宅販売は減少、全ての予想下回る-高いローン金利が圧迫 - Bloomberg
■日本のお話;
2%物価目標、十分な確度で見通せる状況になお至らず-日銀総裁 - Bloomberg
上場投資信託(ETF)の買い入れに関しては、・・・TOPIXが前日比で2%を超える下落となった10月4日の701億円が23年度の唯一のETF買い入れで、今月20日時点の保有残高は37兆1862億円となっている。
まだ買っているとは知りませんでした。
なし。
なし。
■注目決算なし。
■昨日は色々な人がしゃべっていたので、それぞれダイジェストで;
◆コマル・スリ‐クマー;
- FEDは何をして良いか分かっていない。金融政策に構造を持っていない。彼らは道筋(path)を持っていないので、彼ら自身を混乱させるだけでなく、市場を混乱させている。
- ルールに従った(rule-based)金融政策(ある経済統計が〇〇になれば△△する、といった決まり(ルール)を予め決めておく)の方が良いだろう。透明性が高まる/リスクが減る。それは市場や経済にとって良い事だ。
ルールに従った金融政策を行わないのは、彼らの仕事を守りたいからだ。 - 今後3か月以内に何かが壊れる。それは商業不動産ローンかも知れないし、イギリスで起きたような年金基金の損失、信用収縮、SVBよりも大きな銀行破綻かも知れない。どれが起きるか分からないが、それらのうちの一つが起きる。
- なので、投資家として、長期債(long-dated fixed income)を買っておく。
以前も紹介しましたが、彼はまだ悲観論者のまま。3か月後が楽しみです。
◆モハメド・エル‐エライアン;
- スリ‐クマーのベースケースは、私のベースケースではないが、そのリスクはある。追加があるとすれば、企業が2024年に行う再借入(re-finance)。彼らは以前より高い金利で借入をしなければならなくなる。
- 2023年に入る時、コンセンサスはとてもネガティブだった。それは間違っていた。
2024年に入る時(=今から年末にかけての時期)、上向きにサプライズ(=株高)が人々を過度な楽観主義にさせる。今のコンセンサスは過度に楽観的だ。 - 11月が株高になったのは、以下の4つの組合せ。ゴルディロックス的経済指標、原油価格低下、金利低下、多くのカネが投資されずに残っていた。そのうち3つは長く続かない。経済指標は悪化、国債発行が増え金利は上昇、OPEC+が原油価格を引き上げるための行動を起こす。
- 今後は株安方向に振れるだろう。大規模なsell-offは起きない。
- 来年のコンセンサスは楽観的過ぎると思うが、世界で大きなリセッションが起きるとは思わない。
彼も以前は悲観論者だった(1年前はほぼ全ての人が悲観論者だった)が、今はどっち付かずの状態。
◆ジム・ビアンコ;
- カレンダーが2024年に切り替わっただけで、経済は死なない。経済の基調は拡大であり、何かが起きるまで継続する。それが何かは分からない(unknown unknows)。原油価格高騰、パンデミック、2008年のような金融危機かも知れない。経済成長が続く間は、金利に上昇圧力がかかる。
- (ウォールストリートは2024年に利下げを織り込んでいるが)私は、FEDは利上げしても驚かない。50対50の確率。インフレが消えたとは思わないから。特に、株高が進めば、wealth effectにより人々はカネを使い、インフレが進む。
何かが起きなければ、2024年の利下げはない。 - 今の株高は金利(低下)によるものだ。280社が3Qの良い決算を出した。それでも10月は株が(直近)高値よりも10%下落した。その後金利が下がり、株式市場は舞い上がった。株式市場は、280社の好調決算よりも、金利低下を望んでいるのだ。もし経済が好転すれば、金利は上昇し、株は売られるだろう。
という事で、「株は(企業業績≒景気動向ではなく)金利の影響で上下する。金利は物価で決まる」と言っている。
「物価が2%に近づくまでFEDは利下げしない」とも言っているが、それが当たるかどうかは分からない。2024年は選挙の年だしネ。
◆Wells Fargo Securities(ウェルズ・ファーゴ証券)でhead of equity staregyを務めるクリス・ハーヴェイ;
- 2024年末のS&P500目標は4,625。来年一年、株式市場は今とほぼ変わらない。何も興奮する要素が無い。企業決算が良ければ、FEDは高金利を続ける。成長が悪ければ、年後半、最終的にFEDは金利を引き下げるだろうが、前半は調子が悪い(sloppy)。
今は市場が楽観に偏っている。クレジットスプレッドが年初来の狭さ、株は年初来20%上昇、VIXは13と低い。それは2024年の良い準備とは言えない。 - 2024年の資本コストは2023年より高くなる。そうすると、マルチプルは上昇できない。成長もそれ程良くないだろう。板挟みの状態(catch22)にある。経済が良ければFEDはタカ派になり、経済が悪ければ物事は悪くなるということだ。
- 株は上がるかも知れないが、大きく上がりはしない。(S&P500が)5,000になると言う人もいる※が、私にはそれが分からない。株ストラテジストの長として言うのは嫌だが、企業債券は魅力的だ。カネを短期債に置いておけば、リスクは少なく、リターンは大きい。
- 小型株には建設的になれない。レバレッジがかかり過ぎている(高金利環境で借金が多い)。Uber Capsは未だに良い投資先であるが、金利よりも効果的とは言えない。売られ過ぎの場所が良い。我々は公益、ヘルスケアをupgradeした。
- Wash-outが起きなければ、大きな株高は望めない。例として、SVBをあげよう。SBVはクリアリング・イベントではなかった。まだ多くの銀行や保険会社が長期債の含み損を抱えている。
資本コストが高いままでは、私は(S&P500を)高く予想することが出来ない。
※:
S&P500種は来年過去最高値の5000に-BofAのスブラマニアン氏 - Bloomberg
米国株は来年中に最高値更新へ、ドイツ銀はS&P目標5100と強気予想 - Bloomberg
つい最近まで「質の良い大型株(Uber Caps)を買っておけ。売られ過ぎの領域に興味が出てきた」と言っていたが、「株戦略チームのリーダーとして、Uber Capsや売られ過ぎの公益、ヘルスケアを勧めるが、2024年は短期債で良んじゃない?」(←意訳)とサジを投げているご様子。
上記記事にあるBofA、ドイツ銀行の態度とは大きな違いがあり、オモシロい。
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