塾長です。
昨日(米国12/13)の米株はパウエルがハト派転換し爆アゲ。PPIも良い数字。原油も安い。超債券利回り低下、円高。
S&P500、4,707(+1.37%)
Nasdaq、14,733(+1.38%)
【米国市況】株・債券が大幅高、FOMCハト派との受け止め-円急伸 - Bloomberg
原油、69.85
10年債、4.0330
ドル円、142.5030
Bitcoin、43,0430
11月 PPI[前月比]、0.0%(予想0.2%)
同[前年同月比]、0.9%(1.1%)
11月 PPIコア[前月比]、0.0%(0.3%)
同[前年同月比]、2.0%(2.2%)
米PPI、11月は前年比の伸びが1%割れ-エネルギー価格が下落 - Bloomberg
■FOMCで金利据置きを決定。これは予想通り。パウエルが会見で実質的な勝利宣言※をしたのが意外性を持って受け取られ、株・債券ともに買われた。
FOMC声明:インフレは緩和したが依然高水準、経済活動の伸び鈍化 - Bloomberg
FOMC、3会合連続で金利据え置き-24年に複数回利下げを予想 - Bloomberg
パウエル氏は「利下げは視野に入り始めており、実社会で話題になっているのは明白だ。今回のFOMC会合でも議論した」と述べた。
※:勝利宣言と言えるのはこの部分;
ーWashington Postのレイチェル・シーゲルです。この時点で、自信を持って経済はリセッションを避けられたと言えますか?答えがNoだとしたら、何を気にしていますか?
・現時点で経済はリセッション入りしていると言える少しばかりの理由がある。確率に違いはあれど、常にリセッション入りする可能性はある。私は当初から常に、この異常な状況を考えると、大量の失業無しに、経済が冷え、インフレ率が下がる可能性があると思っていた(1)。たいていは、インフレ率が上がり、金融引締めが起きると、大量の失業を伴うものである。今の所、それ(大量失業を伴わないインフレ率低下)を目にしている。この結果は約束されたものではないし、勝利宣言には程遠い(2)。リスクはある。経済が期待と違う動きをするかも知れない。パンデミック後にはそうした動きを繰り返してきた。そうだとしても、我々はここにいる、経済は先ほど私が言ったようになっている。
下線部1で言っているのは「みんなは不可能だと言っていたが、俺は適切な金利水準を保てば、大量失業を伴わないインフレ率低下が出来ると最初から、常に思っていた。ほら見てみろ、そうなってるだろう。文句があれば言ってみろ」。
下線部2は「一応、下振れリスクもあるので、(インフレとの戦い、外野のエコノミスト&アナリストに対する)勝利宣言は出さないが、実質的な勝利宣言だ」と解釈できるのではないでしょうか?
一応、会見動画全編も貼っておきます;
なし。
なし。
■Adobeが決算;
Adobe embroiled in anti-trust issues, forecasts revenue below estimates
Photoshop maker Adobe said on Wednesday it was facing regulatory scrutiny over its subscription models and forecast annual and quarterly revenue below estimates, sending its shares down more than 5% in after-hours trading.
The San Jose, California-based company said in a regulatory filing that since June 2022 it has been cooperating with the Federal Trade Commission (FTC) in response to a civil investigative demand seeking information regarding its disclosure and subscription cancellation practices.
:
The company added that this matter could involve significant monetary costs or penalties and could have a material impact on its financial results and operations.
”subscription cancellation practices(ユーザからのサブスク解除に応じなかった、難しくさせた的な何か)”に関する民事訴訟を起こされていて、巨額の賠償・罰金を支払う可能性がある、のだそうで。
時間外で-5.57%、589.50ドル。
■昨日報道されたGoogle/Androidのアプリストア(Google Play)の独占的地位乱用判決に続き、今度はAppleがAppleStore外での課金を許可するように命令される見込み@EU;
アップルの「アップストア」独占的慣行、EUが禁止命令へ-関係者 - Bloomberg
サービスへのシフトを進めているAppleにとっては痛手なはずだが、市場は反応せず。株価+1.67%、197.96ドル。
■〆はFED watcherのJeffries デイヴィッド・ザボス;
ードットプロットがどんなシグナルを送ったでしょうか?株だけでなく、債券も買われている。10年債利回りは8月以来の低水準だ。
・債券(credit)もラリーしている。私が最初にドットプロットを見た時、PCEコアは0.2%しか下がっていないのに、FFレートが0.5%も下がっているのに気付いた。それには少し驚いた。その後ジェイ・パウエルの会見を聞いて、彼は他のメンバーの考えが分かったと思う。彼らはインフレ率期待値を注視しているのだ。過去数か月で、それは劇的に下がっている。breakeven 10 yearは2.5%だったのが、今や2.15%だ。35bptsの下落である。それが[前回ドットプロットに対して]追加された0.25%分の利下げ予想につながったのだろう。それが市場に燃料を与えた。市場は2024年に3回の利下げを望んでいる。
こちら(↓)が10-year breakeven inflation rateのチャート、約2年間分。
ザボスは過去数か月で劇的に下げたと言っているが、多分、”数週間”の言い間違い。10月19日を境に下げ続けている。
とは言っても、チャートから分かるように、2.15%付近というのは何度も付けた値なので、「パウエル&FOMCメンバーがこれを見てハト派転換した」というのは少し違うのでは?
ということで、パウエルのハト派転換の理由は良く分かりませんでした。
そう言えば、RIA ランス・ロバーツは「10月FOMCでFEDはタカ派を維持すると思う。もしハト派転換するとしたら、それは彼らが我々の知らない何か(経済・金融危機が起きる前兆)を知っているのだろう」と言っていた。そうであれば、勝利宣言ではなかったのかも・・・;
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