塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

なぜパウエルはハト派転換したのか?

塾長です。

昨日(米国12/15)の米株はヨコ。

 S&P500、4,719(-0.01%)

 Nasdaq、14,813(+0.35%)

【米国市況】ナスダック100指数、過去最高値-ドル上昇し142円台前半 - Bloomberg

ハイテク株の比重が高いナスダック100指数はこの日、2年ぶりに終値ベースで最高値を更新。S&P500種とナスダック100はいずれも週間ベースで7週連騰。

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、71.79

 10年債、3.9280

 ドル円、142.1410

 Bitcoin、42,144

 

 

経済指標:

 12月 NY連銀製造業景気指数、-14.5(予想2.2)

 11月 鉱工業生産[前月比]、0.2%(0.2%)

 11月 設備稼働率、78.8%(79.1%)

 12月 製造業PMI、48.2(49.2)

 12月 サービス業PMI、51.3(50.7)

 12月 コンポジットPMI、51.0(50.2)

米製造業生産が回復、UAWスト終結で自動車生産が7.1%上昇 - Bloomberg

 

 

 

金融政策:

■ボスティック、ウィリアムズ;
来年早期の米利下げ観測、FRB当局者2人が冷や水-市場をけん制 - Bloomberg

  ウィリアムズ総裁は「利下げについて協議しているというほどでもない」と発言。来年3月の利下げについて考えるのは「時期尚早」だと述べた。

ボスティック総裁:来年2回利下げ、3Q開始の可能性高い-ロイター - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■注目決算なし。

 

■本日の〆は、パウエル議長のハト派転換について陰謀論的に話題を拾ってみたのでご紹介。

◆12月FOMC後の会見で、パウエルは「インフレは高すぎる。金融引締めを続ける」とだけ言えば良かったのに「FOMCで利下げを議論した」と発言し、株と債券のパニック買いを招きました(株高、金利低下)。

なぜインフレ再燃の危険を冒したのでしょうか?

市場も混乱している;
パウエル議長の発言に「当惑」の声、なぜ米金利の低下あおったのか - Bloomberg

 フランクリン・テンプルトンのソナル・デサイ債券担当最高投資責任者(CIO)はブルームバーグテレビジョンで、パウエル議長の記者会見での発言について「困惑している」と述べた。「金利低下の動きをあおることが必要だと議長がなぜ判断したのか全く分からない。金利の上昇に伴い、適切な金融引き締め環境をもたらす市場の役割についてこれまで認めていたことを踏まえればなおさらだ」と述べた。

 

しかも、昨日はNY FED総裁ウィリアムズが「FOMCでは利下げについて議論していない」と発言;

www.youtube.com

ー多くの人からこの質問をもらっている。私自身も疑問に思っている。11月にはパウエルもあなた(ウィリアムズ)も「利下げについて議論していない」と言っていたが、12月FOMCで利下げについて議論したようですね。その間に何が変わったのでしょう?

・まず最初に言っておきたいのだが、我々は実際に利下げについて議論していない。パウエルも言ったように、我々は金融政策が十分引き締まっているかについて議論した。それは過去5か月、我々が考えてきたことだし、今後しばらくそうであろう。それが議論であり、FFレートを維持するという決断を行った。個々のメンバーが金利、インフレ率、失業率等の予想をするなかで(金利が低下するという話も出たが)、議論は現在の金融政策が正しいかであり、将来何が起きるかを予想するものではなかった。

 

ーしかし、議長は利下げについて話し合ったと言いましたよ。

・えーっと、我々は予想(projections)を提出する。そのサマリーがFOMC内でシェアされる。数人のメンバーが予想について語ることはあった。しかし、それは我々が何をするか?の議論ではなかった。FOMCはそのような計画を立てない。個々のメンバーが「このように経済が展開すれば、適切な金利はこのようになる」という話をしただけだ。

と、「利下げについて議論した」説を真っ向から否定。

プレスカンファレンスで「FOMC内で利下げの議論をした」と明らかにしてしまったのは、パウエルの独断だった模様。

 

 

◆こちらの動画ではランス・ロバーツとマイケル・レボウィッツがFEDのpivotについて議論していて、レボウィッツはこんな事を言っている;

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 「私も昨日(FOMCの日)は驚いた。彼らの立場になってみて、よりハト派になることで何が得られるだろう?インフレと戦い続け、経済は良好だった。しかし、よりハト派に転換した。私は2つの可能性があると思う。

 一つは、彼らが我々の知らない何かを知っている。この件は以前議論した通りだ。もしかしたら銀行は我々が考える以上のトラブルを抱えているのかもしれない。

 そうでなければ、誰かがパウエルの肩を叩いたのだ。銀行かも知れないし、財務省かも知れない。「君は金利を引き下げるべきだ。我々は苦境にある」と。

 彼らの中で何かが変わった。直観的にインフレとの戦いに勝ったと思ったのか、誰かの指示を受けたのか。どちらだったのかは後に分かるだろう。」

FED(パウエル)のハト派転換の可能性は、金融危機が迫っているのか、財務省(or ダイモン?)の指示だったのか、どちらかだと言っている。

 

 

◆こちらは今朝の動画。コマル・スリ‐クマーがこんな事をいっていた;

www.youtube.com

金利低下を示唆するドットプロットを出せば、こうなる(金利の急低下)ことは分かっていたはずだ。単なる計算違いか?彼らを神経質にする何かを見たのだろうか?

・3つの可能性がある。

 一つは彼らを心配させる何かがある場合。銀行の資産の多くが水面下にいる(簿価を下回っている)。その損失は巨大だ。カンザスFEDの研究では、$550Bのローン、それは規制資本の30%に当たる、が水面下である。銀行全体の問題だ。いくつかの銀行は50~60%の規制資本をロスを埋めるために使っているだろう。

 2つ目は、水曜日の午前中にジャネット・イエレンがCNBCのインタビューを受け、インフレ率が下がれば、金利も下がる、と言った。彼女は元FED議長であり、財務長官だ。彼女はFEDの政策に関与しないと繰り返し言っているが、パウエルは彼女の言葉を聞いただろう。それが影響したのかも知れない。

 3つ目は、FEDが政治的動物(political animal)であるという点を指摘したい。彼らは政治から独立している、政治は見ないとは言っているが。彼らが独立していると主張すればするほど、なぜその発言を繰り返すのか?と考えてしまう。彼らが独立していないからだろう、と。選挙まで1年だ。次の大統領は、2026年にパウエルを再度FED議長に推薦するか、置換えるかを決断する。それが影響したのだろう。私は公に、FED議長の任期は6年、1期であるべきだと言ってきた。そうすれば、政治的影響を軽減できる。

実質的にレボウィッツと同じ事を言っている。

銀行(金融システム)が危ないのか、財務省(政治)の指示を受けた/パウエルが空気を読んだのか、だと。

 

イエレン(と、その後ろにいる政治家・実業家たち)がパウエルに「金利を下げれば次期もFED議長を続けられるよ」と誘惑したのかも知れないし、「金利が高止まりしていると、債務利払いが増加してアメリカが潰れてしまう。もし金利低下誘導しなければ、私の回顧録に”アメリカをダメにしたのはパウエルだった”と書くぞ」と脅したのかも知れません。

 

 

 

と、ここまでは、陰謀論的、厭世的に「FED、パウエルは政治や個人の利益を優先して動くのか。何て汚い奴らだ!」というお話。

投資家としては「それが事実だとしたら、どうやって儲ける?」を考えてみましょう。

 

・スベン・ヘンリクが「ジャネット・イエレンが何か発言するたびに株が上がる」と指摘している;

 

・マイケル・ハウウェルは「株価は世界的な流動性(だけ)で決まる」と言っている(FEDハト派転換・金利低下=流動性増加)。今後2年間株高が続くのだそうです;

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ちなみに、最近「中国はダメだ」という言説が主流になり、多くの人が注目していない(ように感じる)が、彼らも流動性を徐々に増やしている;
中国人民銀、MLF金利2.5%に維持-資金供給16兆円と最大規模 - Bloomberg

 

もちろん日本は継続的にガバガバだし、政治的圧力もかかっている;
日銀には政府の取り組みも念頭に置き、適切な判断を期待-岸田首相 - Bloomberg

 

世の中的に「株は上がり過ぎ、高すぎる」「2023年、リセッションにならなかったが、それは遅れているだけ。2024年は危ない※」と言われていますが、どうやら上方向のリスクもあるようです。

全然気が進みませんが、株を買っておきますか・・・。

 

 

※バランスをとるため、弱気派議論も貼っておきます。ここら辺をどうぞ;

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