塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【マイク・グリーン】ベイビー・ブーマー世代の引退で株安到来。fixed incomeの時代がくる。

塾長です。

昨日(米国2/16)は1月PPIが高く出て、株安、金利上昇。からの円安。

 S&P500、5,005(-0.48%)

 Nasdaq、15,775(-0.82%)

【米国市況】株・国債ともに下落、PPI上振れ-ドル一時150円65銭 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、79.22

 10年債、4.2950

 ドル円、150.1750

 Bitcoin、52,056

 

 

経済指標:

 1月 PPI[前月比]、0.3%(予想0.2%)

 同[前年同月比]、0.9%(0.6%)

 1月 PPIコア[前月比]、0.5%(0.1%)

 同[前年同月比]、2.0%(1.7%)

 1月 住宅着工件数、133.1万件(147.1万件)

 同[前月比]、-14.8%(0.5%)

 1月 住宅建築許可件数、147.0万件(151.8万件)

 同[前月比]、-1.5%(1.5%)

 ミシガン大学消費者信頼感指数、79.6(80.0))

米PPI、1月は総合とコアがともに予想上回る-インフレ根強く - Bloomberg

  サービス価格は0.6%上昇し、昨年7月以来の大幅な伸びとなった。財の価格は0.2%低下し、4カ月連続のマイナスとなった。

米消費者マインド3カ月連続で改善、先行き楽観-ミシガン大調査 - Bloomberg

米住宅着工件数、20年4月以来の大幅減-許可件数も落ち込む - Bloomberg

 

 

金融政策:

■デーリー、バー、バーキン、ボスティック;

サンフランシスコ連銀総裁、「まだ仕事ある」-物価安定の達成に向け - Bloomberg

バーFRB副議長、商業用不動産リスクに当局は「細心の注意」 - Bloomberg

リッチモンド連銀総裁、利下げ前の慎重姿勢をCPIは正当化 - Bloomberg

ボスティック総裁、夏の利下げ開始支持-データ次第で早まる可能性も - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

ドイツ、ウクライナと2国間安保協定締結-追加軍事支援も発表 - Bloomberg

 

 

個別株:

■注目決算なし。

 

 

■数年前(10年前くらい?)からパッシブ投資に批判的なマイク・グリーンのインタビュー。日本では新NISAが始まり、「オルカン積立でOK」みたいな風潮がありますが、それではダメだと言っている;

www.youtube.com

 

2023 saw first signs that Boomer retirements leading to structural outflows. ETFs offset. - Simplify

Are flows structurally turning? - Simplify

私を知っている人は、パッシブ運用や401kへのカネの流れについて話をしたのを覚えていると思う。私が心配していた事が実際に始まったようだ。それら戦略への資金流入(老後資金のために401kなどを使ってETF投資信託を買うこと)が速度を落とし、マイナスになったのを目にしている。

それを2つのスライド(上に貼った2枚の画像)で説明したい。401kは基本的に投資信託のためのものだ。それへの資金流入がマイナスになり始めた。ベイビー・ブーマー世代が年をとり、老後資金の取り崩しをしているからだ。引出し(withdrawals、取り崩し)は401kにある富の関数である。流入(contributions)は常に収入の関数である。資産が収入よりも速く上昇していくと、流入よりも引出しの方が多くなるポイントを超える。それが起きている。人口動態の特徴である。金利上昇を除けば、同じ劣化が米国の金融予算、財政予算でも起きている。投資信託の減速はETFの成長で補われてきた。これら2つ(投資信託ETF)の合算がマイナスになったのはパンデミック以降初めてだ。これは構造的なものである。私はこれを恐れていた、心配していた。

 

ーこれについてどれ程心配していますか?少し心配しているだけ?DEFCON 1(臨戦体制)ですか?

・素早くこたえると、データの品質やタイムリーさが私をDEFCON 1状態になるのを妨げている。

 また当局は様々なゲームを行う。彼らはそれを行った過去がある。私は同じ心配を2018年にも持った。同じようなパターンが見られた。2019年に投資信託ETFの合算がマイナスになる予想さった。しかしルールに変更があった。401kに参加するベネフィットを増加させ、required minimum distribution(最低限の引出し義務)を取り除き、duration dateを延長した。70.5歳だったのを72歳に引き上げた。それは問題の大きさを拡大した。問題は大きくなったが、時間稼ぎができた。彼らはウサギを帽子から出すことができる。米国政府は『株式市場で貯蓄している人すべてに$110,000を与える」と決めることもできる。今後数年間、そのような案が議論させると約束する。Vanguad、BlackRockがロビー活動をする。それが見られるかどうかは分からないが、ゲームの終わりに近づいているのは確実だ。

 

ー魔法の帽子に限界があるということですね?

・そうだと思うが、何と言っても魔法の帽子だ。魔法の帽子がどのように働くかを言う事はできない。

 引退後のために貯蓄する以外に道は無い。その一方で、私のセオリーが正しければ、我々は貯蓄が足りない(we have under-saved)。我々は貯蓄せず、消費するように教えられてきた。実資産を作るための資源に投資すべきなのに。Twitterなどで人々と交流すると、彼らは「私には実資産に割く時間が無い。だから金融資産が欲しい。アパートメントを持ちたくない。REITsが良い。そうすれば家賃を回収する必要が無いからだ」と言う。

 あなたが実際の仕事をしないのであれば・・・、WEB2.0の表現を借りると「あなたが支払わないなら、あなたが製品だ(if you are not paying for it, you are the product)」である。それと同じ事は401kにも当てはまる。あなたの老後資金である401kに汗と血と涙を注がないのであれば、あなた自身が製品になってしまう。

 

ーどのような投資をすべきでしょう?

・昨年末にかけて、私は国債を買うべきだと言っていた。10年債が5%というのは、考える必要もない(no brainer)。30-year TIPSが実金利2.5%だったのは、史上最高のno brainerだった。いまはチャレンジングだ。パウエルの60 minutesのインタビュー後、30年TIPSが2%に戻ったのは興味深い。パウエルに入る情報の遅れから、我々はSOFR先物のPUTを買い、それが利益を出している。それを売り、長期の国債に戻った。人口増加減速などの動きを考えると、それ(長期国債)がある程度魅力的だと言えるだろう。

 株式市場は分岐的な結果を出すだろう。私の理論が正しければ・・・、株式市場が保たれているのはMag7のおかげであるが、それらは自社株買いや、一般的なセンチメントにより、他のセグメントよりも強い。しかし、それらが反転するほどの資金流出があれば・・・、巨大な金額の話をしているのを気に留めて欲しい。Appleの自社株買いは$80Bである。もし彼らが反転すれば、2022年にようになるだろう。私の分析によると、2022年(の株安)はFED金利引上げによって駆動された。金利上昇によって経営が難しくなったからではない。FED金利を上げて、Deus Ex Machina(機械から現れた神)のように「私が問題を解決してやる」とシステムの外からやってきた。それが債券価格を下げた。株と債券を持つファンドがどうするかというと、株を売って債券を買う。2022年に起きたのはそれである。ファンダメンタルズではない。ポートフォリオのリバランスだ。

 それがキーとなるリスクである。ポートフォリオのリバランスではなく、ポートフォリオから脱出(exit)だ。「私は引退に向っている。401kなどからどうやってカネを引き出すべきか?」と。株は売られるだろう。債券はそれほど買われないのではないか。そうなると、株価は下がり、金利は上がるということだ。国債の発行は増えるが、需要は増えないのだから。

 最終的にそれは壊れると思う。債券を買い、インカムを確保する機会が来る。機関投資家は「asset/liability matching」などといった商品を持っている。それは明らかになりつつある。第4四半期に起きた事の一部はSticky Allocationsと呼ばれるものだ。私があるアロケーション・メカニズムを持っていて、株を買わなければいけないとする。そのとき、債券に良い機会があるという情報を得る。債券は本質的にリスクが低い。そこで債券を買うという決断をするのは簡単ではない。絶え間ないreinforcement(?)があり、多くのミーティングをこなし、将来は過去を違うのではないか?という議論がなされる。そういった事を経て、アロケーションの変更が行われる。私は第4四半期にそのような例を見た。問題は、それが続くか?だ。将来は債券(fixed income)にあるのだろうか。

 多くのリスナーは株を使ってcoverd call strategiesやincome generating strategiesを取っているだろう。彼らは確実性が欲しいからだ。インカムが必要だ。いくら持っているではなく、いくら欲しいか?である。債券を使って利回り(yield)を得る。そう考えると、債券の需要はチャートを飛び越えている。カバードコール戦略を取っているというのは、コベナンツ(covents)無しの高利回り債を作っているのと同じである。人々は債券商品(fixed income securities)が足りないので、作り出しているということだ。なので、私は「将来は債券にある(the future belongs to fixed income)」にあると思う。

 :

(この後もインタビューは続くが、一般投資家に縁遠いCDSなどの話になって行くので、以降割愛)

マイク・グリーンの話は若干難解ですが、興味深い視点を提供してくれます。

 

ということで、補足しつつまとめると・・・;

・これまでは現役世代が401kにカネを入れてきたので、株が上昇した。(人数の多い)ベイビー・ブーマー世代が引退し、401Kからカネを引き出す。流入よりも引出しが上回る。政府が策を講じない限り、株は下がり、債券利回りは上がるだろう。

・それに対して、政府は様々な策を講じるはずだ。VanguardやBlackRockはロビー活動をする。その結果何が起きるか分からない(株安は来ないかも知れない)。

・それでもインカムを望む人の割合が増えるので、どこかで債券の買い時が来る。またcovered call strategies(JEPQ、JEPI・・・)などが流行っているのはそのためだ。これからは債券(fixed income)の時代である。

・自分の引退資金なのだから、「オルカン積立てておけば大丈夫だろう」「S&P500でいいや」ではなく、自分の頭で考えろ。汗と血と涙を注げ。

といった感じでしょうか?

[注:fixed incomeを債券と訳しましたが、彼はインカムを得られる投資商品全般を指しているようなので、ニュアンスを捉えられていない。”インカム商品”とでも読み替えて下さい。]

 

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