塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジェフリー・ガンドラック】債券王が債券市場、景気後退、代替資産、銀行株、大統領選、金融政策、財政刺激策を熱く語る。

塾長です。

昨日(3/5)も大きく下げました。

S&Pが3,000を割らず、最後に若干戻したのが救いかな?

しかし、10年債利回りは下げ止まらない。

そうすると、社債、特にジャンク債がどうなっているのか気になる所。

そこでお待ちかね、Doubleline CEO、”債券王”ジェフリー・ガンドラックのインタビューだヨ。30分もあるので、心して読んでちょーだい:

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社債に目が向いていないが、FED社債市場に対応するため利下げした。

 ジャンク債の利回りは、2018年4Qと同様、拡大。今日も大きく拡大。

 ジェローム・パウエルは理論経済のバックグラウンドは無いかもしれないが、プライベート・エクイティの人間だ。

 彼の行動は、金融緩和サイクルに入った時から、社債市場の問題に対応するものだ。

 社債には注意を払うべき。

 企業が社債で借り入れた金で株買戻しを行って株価は上昇してきた。

 社債市場は10兆ドルを超えた。それが弱くなっている。

 株価を支えている社債の利率が国債が下がるのに呼応し上昇したら問題だろ。

 投資適格社債でさえ7日間シャットダウンの状態になり、FEDFOMCを待たずパニック的に利下げしたんだ。

 歴史的には、FEDが緊急利下げをした場合、すぐに追加利下げをする。

 俺は、次回FOMCで追加利下げすると思う。金利はゼロに向かう。

 国債はもう魅力がない。

・パニックという言葉は使ったが、間違っているとは言っていない。

 誰かが家に押し入ってきたらパニックになって当然。

 ビジネス活動が[パニック的に]縮小するだろう。

 今日もうちの客から面会キャンセルのメールをたくさんもらった。俺だけじゃないよね。

 航空業界は自由落下。小企業活動が縮小。

 短期的な経済成長に打撃があると考えるのが普通。

FEDの利下げは正当。

 但し、彼らのやり方には不満があるけどね。

 FEDの最近のプレスカンファレンスは、ビクトリー・ランのようだった。

 「ようやく安定的な政策点に到達した、将来金利を変えなくても良い、金利は適切だ」などなど。

 ちょっと尊大なんじゃないかと思ったよ。

 でも状況は変わった。

 株が暴落し、ローラーコースターのよう。

 ハイイールド債利回りが爆発し、国債が低下。

 FEDの利下げは適当。多分追加利下げがある。

 状況がすぐに改善するように見えないから。

 大統領と医学者の会見をみたろ。ワクチンは1年後。

国債利回りは底に近いと思う。

 10年債が0.8くらいになるかも知れないが、0.25なんてことにはならない。

 間違いなく短期債は下がる。

 長短金利差が拡大している。

 2年-30年債の差が100ベーシス・ポイント。5年-30年の差は90.

 これはしばらく見なかった差だ。

 次は財政政策が期待される。

 今は10年債を買うくらいなら、現金の方がマシ。

国債金利が下がり続ける時に、株が底を打ったと思えないのは、よく分かる。

 ゴールドを持つべき。

 俺は2018年夏からゴールドに強気。

 ドルが弱くなっている。それが政策になっている。

 FEDの利下げはドルを弱くする。

 ここ14か月ほど、ゴールドは、ドルが変わらなかったとしても、素晴らしい成績。

 ゴールドは今後も上昇、最高値を付ける。

 ゴールド・マイナーは駄目。

 ドルに対して金を持つべき。

・今は市場に注目するのではなく、指標を見るべき。

 まず新規失業保険申請件数。

 このまま旅行業やレジャーが悪くなれば、200,000件/週を保てるか疑問になるだろう。

 5年移動平均は243,000.

 不況を知るのに最も良い経済指標は、新規失業保険申請件数が5年移動平均を超えるか。

 超えた時には終わり。ある意味、[リセッションの]定義ともいえる。

 そして、消費者信頼感指数。新規失業につながっている。

 消費者信頼感指数はずっと高い。

 興味深いのは、12か月後の見立ては暗かった事。

 その組合せが、リセッションを予感させる。

 もう一つ雇用に関する指標で言えば、JOLTS(求人労働異動調査)を見ろ。

 弱かったし、今も金融危機時のように弱くなっている。

 新規失業件数増加を予想させる。

 市場で言えば、2つのセクターが急落。

 金融と輸送。

 輸送は、コロナが落ち着くまでは戻らない。

 金融は、低金利が効いている。

 日本の銀行株は1995年比で約80%でしかない。

 継続的に下がり続けている。

 それはゼロ金利政策のせいだ。

 金利がゼロだと、銀行は金儲けができない、という事。

 金融危機前、欧州の銀行、米国の銀行ともに、同じように株価を上げていた。

 そして金融危機後、欧州の金融セクターは回復できていない。

 米国は2007年の値段まで回復したが、今下げている。それは金利がゼロに向かっているから。

 金融セクターに手を出すべきではない。

・戦後最長の経済成長期間においてクレジットが拡大し続けた。

 ここでリセッションが起こると、問題の震源地は社債市場になる。

 ダウは毎日1,000ポイント上下しているかもしれないが、ハイ・イールド債[の金利差]は規則的に広がっている。

 普通株がこんなに動くと、社債市場に発作が起こるもの。

 まだそれが起きていない。リセッションとなれば、そうは行かない。

 FEDの利下げが助けている面はある。

 パウエルが社債市場を気にかけているのは間違いない。

 2018年、2か月に渡りハイ・イールド債を発行できなかった。

 それがパウエルの[金融引締めから緩和への]転換を促した。

 今回、投資適格社債の発行が7日間できなかったので、FEDは利下げした。

 それが株式市場を助け、社債市場を助けただろう。

 しかし、今日も株が下がり、社債の利回りは上昇している。

 まだ利下げを要求している。

 歴史的には、追加利下げがあるだろう。

 それがベース・ケースだ。

・株式市場が0.5%利下げに反応しなかったのは、債券市場が0.75%を織り込んでいたから。

 財政を出すのは、長期的には誤り。既に国の借金はGDP比6%を超えている。

 ここでの問題は、短期の問題に対処するか、長期の問題に対処するかだ。

 もし短期の問題に対処したいなら、ミドルクラス減税だ。

 ジョージ・W・ブッシュのように、金を直接配っても良い。2度やった。確か、500ドルだったかな?

・大統領選はまったくもって魅力的(←嫌味)。

 中間選挙前までバイデン対サンダースの戦いだったのが、中間選挙後、30人も候補が出てきて、金を使い、エネルギーを使い、そして振り出しに戻った。

 民主党の支配者層がスーパー・チューズデーをうまく使ったと思うよ。

 それまでサンダースが優勢だったところ、ブティジェッジとクロブシャーを棄権させ、バイデン支持に回させた。

 これでバイデンが民主党の大統領候補に決まっただろう。

 サンダースがスーパー・チューズデーを勝てなかったのは、投票しない層、すなわち若者層にアピールしたから。

 今市場が恐れるのは、バイデンの左傾化。バーニーの支持者を取り込むために、やるかも知れない。

・コロナウィルスの状況は悪くなるというのが見立て。

FEDの利下げ余地は少ない。

 パウエルは、マイナス金利にしない、それをやるくらいなら資産買い取りをやる、と繰り返し言っている。

 REPO市場の危機に対応するため、バランスシートを拡大してきた。

 そして、その速度を落とした。そして、株が下がった。

 この関連性に驚かないわけにはいかない。

 FEDは資産買い取りをする。それは財政刺激を助ける。

 QE4は、財政政策と社債を助けるために、相当巨大になるだろう。

FEDは次回FOMCで0.5%利下げすると思う。

 マイナス金利にはならない。

 パウエルは、米国のマイナス金利が世界の金融システムを壊すと分かっている。

 日本、欧州がマイナス金利で大丈夫なのは、米国がプラスだから。

 先ほど言った通り、日本、欧州の銀行がおかしくなっているのは、マイナス金利のせい。

 パウエルを称えたい。彼は分かっている。

 

 

 

ふぅ。金融危機の瀬戸際だ。

パウエル頑張れ。黒田も頑張れ。

コロナが収束したら、社債市場の規制が必要だネ。

でも、きっとやらないネ。