塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【マイク・ウィルソン】強気転換してません。経済がどこに向っているか分からないのでS&P500年末目標を拡大しただけです。僕は間違ってません。

塾長です。

昨日(米国5/21)は特に理由も無く株高。最高値更新。カネ余り。

 S&P500、5,321(+0.25%)

 Nasdaq、16,832(+0.22%)

【米国市況】株・国債ともに上昇、エヌビディア決算待ちー156円前半 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、79.06

 10年債、4.4140

 ドル円、156.2400

 Bitcoin、70,219

 

 

経済指標:

なし。

 

 

金融政策:

■ウォラー、ボスティック、バー;
ウォラーFRB理事、インフレ良好に推移なら年末の利下げ検討可能 - Bloomberg

アトランタ連銀総裁、中立金利巡り活発に議論ー10-12月利下げ開始も - Bloomberg

アトランタ連銀がフロリダ州アメリア島で開催した会議の合間に記者団に語った。

バーFRB副議長、「考えていたよりも長い間」金利の据え置きが必要 - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

ASMLとTSMC、半導体製造の無力化可能-中国が侵攻なら - Bloomberg

 

 

個別株:

■Lowe's、Toll Brothers、PaloAltoなどが決算;
Lowe's (LOW) Surpasses Q1 Earnings and Revenue Estimates

Builder Toll Brothers Boosts Guidance as Orders Beat Estimates

-1.88%、+1.17%(時間外)。

 

 

■昨日のblogにて「マイク・ウィルソンの強気転換」を取り上げましたが、さっそくインタビューが出てきました。長め(10分)なので、前半部分のみ;

www.youtube.com

ー過去24時間以内に出た記事見出し「マイク・ウィルソンが降伏した」※をご存じですね。S&P500目標を45,000から54,00に引き上げた、と。強気ケースと弱気ケースで目標のレンジは広い。これほど広いことがあっただろうか?

・我々には無かったことだ。他の人にはあったと思う。これは過去数年続いて来た不確実性を反映したものだ。私はどちらのケースになったとしても驚かない。それが我々のいる世界だ。今年を振り返ってみると、年初には3つの結果が等しい可能性であった。1つはソフトランディングであり、ゴルディロックスだ。それは現在のコンセンサスになっており、我社の見立てでもある。そしてノーランディング。景気が再加速、粘着質のインフレ、スタグフレーションの可能性もある、というものだ。市場は4月にそう考えていたが、ソフトランディングに戻った。しかし、リセッションの可能性も捨てられない。それら全てのケースが、通常考えられる以上の確実性を持っている。それが記事の見出しであるべきだった。誰も何も分かっていない、ということだ。我々の間違いは・・・、他の人達が主張している程度には、我々が分かっていないと認めるべきだったのかも知れない。それは我々が人生を通じて厳しい方法で学ぶ、謙遜と呼ばれるものだ。何にせよ、ここでのポイントは、今年我々が出したレポート、今回のアップデートの中身は、ベースケースにおいて上昇余地が0%、もしかしたら20%上昇するかも知れないし、20%下落するかも知れない、という世界で、如何にカネを儲けるか?である。そのために我々の顧客はカネを払っている。それはプロセスであり、環境を理解し、いかにナビゲートし、管理するか、である。昨日のレポートでは、トレードのアイディアや特定のセクターに関するアイディアについて述べた。それは記事見出しにならなかったが、まぁ良いでしょう。それがあなたたちの特権なのだから。しかし、それが我々の語りたかったことだ。

 

ーそれは記事見出しに適さないですからね。それについても話したいのですが、まず見出しについて聞きたい。5400という目標は重要ではないのですか?だとしたら何なのでしょう?

・我々の顧客の多くにとっては重要ではない。機関投資家の顧客は、正直に言って、目標やS&P500を気にしていない。彼らは株を選ぼうとしてい。我々のレポートで最も重要な物の一つは、アルファ(α、市場平均を超えたリターン)の生成である。今年はとてもうまく行っている。我々の顧客は、我々が記録している2010年以降で最も良いαを得られた。それが人々の気にすることだ。我々はそのプロセスにおける手助けをする。彼らがどの株が機能するかを選ぶプロセスの手助けだ。ちなみに、先ほど述べた3つのケースの中で環境が変わるとき、あなたは所有する株を転換する準備をしておく必要がある。今、我社のcallはソフトランディング、ゴルディロックスである。我々はそれに全て賭けるほど確信を持てない。我々は未だに景気循環の後半にいると思っている。それが意味するのは、品質の良い株、小型株より大型株、一般消費財よりも生活必需品株を持つことを意味する。我々は公益と生活必需品セクターをオーバーウェイトとしている。なぜなら低成長への守りとなるからだ。多くのことがあるが、最もうまく行っているのは品質である。品質が最も一貫したファクターであり、それが変わることはないだろう。

 

ー記事の見出しを「誰も何も知らない」にしたら、誰も読んでくれないでしょう。ところで、S&P500が54,000をつける場合にも、45,000だったとしてもうまく機能するエリアはありますか?

・45,000は我々の弱気ケースである。去年まではベースケースだったが、間違っていたと証明された。それはマルチプルのせいだ。それが過去12か月において、人々が正しい株価予測をしたか、間違っていたかの主要要素である。21倍というのは、過去8年間における最上位の十分位数に位置する。すなわち高価だということだ。投資家が自らに問うべきは、これが適正なマルチプルなのか?である。ゴルディロックスで、完璧なソフトランディングを達成するのなら、もっともらしい数字だ。それが今の状況であり、インデックスレベルで上昇余地が多くないと考える理由である。

 

ーそうなるとこの質問が出てきます。インデックスを超えるセクターはあるのか?と。

・品質の良い大企業だ(large cap quality)。それは成長株の事だけを言っているのではない。景気循環株もだ。品質が良く無ければいけない。我々のノートに示したとおり、それが過去1、1.5年における最も良いcarry factorである。それは景気循環の後半の勝者の典型だ。考えすぎるべきではない。格好をつけて何かに飛びつくべきではない。それはうまく行くかもしれないが・・・、質の低いエリアにいる小型株は・・・、あなたは何も持っていないも同然である。それ(で勝てるの)はとても特異なものだ。勝率は高くない。何か特別なアイディアのもとで、それが低い品質の株に可能性がある場合、それはそれ自身に付随する特別にユニークなものだ。

 

ー明日nVidiaの決算がある。あなたの54,000ケースは、これらメガキャップが支えているのか?

・基本的にマルチプルが高いレベルのままであることを仮定している。我々は利益予想を変えていない。ブームとバストのサイクルがあると予想している。利益回復期が今年と2025年にあると予想した。それは変わっていない。利益は多くのセクターから来ている。テクノロジーや、エネルギー。財政支出により工業も。これら3つのセクターが利益を供給している。しかし究極的には54,000は政策金利によってサポートされる。とても緩い財政と金融政策によるものだ。金融政策は引締め的であると言う人もいるが、それ程でもない。金融政策が財政支出を可能にしている。このストーリーにおける今後6~12か月間のリスクは・・・、市場がこの持続不可能な財政政策、それをファンドする手段に対して吠えるのか?だ。我々はこれをレポートに詳しく書いた。流動性供給の準備がある。誰もが知っているリバースレポだったり、財務省の一般口座は財政刺激策のために引き出すことが可能だ。そしてFEDはQTを縮小すると言っている。それは$1Tの流動性となる。とても弛緩的である。これは財政支出を可能とするためのものだ。私たちが気を付けて見ているのは・・・、千秋マルチプルがとても下がったのは、テーム・プレミアムが拡大し金利が上昇したからだ。債券市場がこの戦略を押し返し始めたということだ。今は問題になっていない。我々が注目しているのは、ターム・プレミアムが拡大するか?である。拡大し始めるかは分からない。だから注目しているのだ。

 :

(この後、大統領がトランプになっても、バイデンになっても財政支出は続くだろう等と話は続くが、主要な部分は話し終えているので、ここまで)

 

※:

モルガンSのウィルソン氏、弱気な見方撤回-S&P500は最高値更新へ - Bloomberg

原題:Morgan Stanley’s Wilson Capitulates on Bearish View of US Stocks

Bloombergの記事では「マイク・ウィルソンはS&P500年末目標を54,000に引き上げた」となっていましたが、正確には「S&P500年末目標のレンジを45,000~54,000とした」みたいです。

 

ということで、彼の話をまとめると・・・、

・今まで「マルチプルの低下によって株安が来る」が基本シナリオ(ベースケース)だったが、間違っていた。それは今や弱気ケースである。

・とは言え、弱気ケース(景気後退)、基本ケース(ソフトランディング)、強気ケース(好景気)のどれになるか、我々には分からない。誰も分かっていないだろう。

・持つべきは品質の高い株(利益が出ている、フリーキャッシュフローが豊富、借金が少ない・・・)である。

・以前と変わらず、景気循環の後半にいると思っているので、(質の高い)公益、生活必需品をオーバーウェイト。これは経済状況(3つのシナリオのどれに向かうか)によって変化するので、準備が必要。

・今後6~12か月で最も心配なのは、債券市場(長期金利の上昇)。持続不能財政支出が続いており、(去年秋にあったように)それに債券市場が反対すれば、株も下がる。

だ、そうです。

 

一応間違いは認めたが「我々の顧客はS&P500目標なんか気にしていない。我々の顧客は高いαを出している」と、正当性を主張。

「3つのケース(景気後退、ソフトランディング、ノーランディング)のどこに向っているのか分からない」と言うのは勝手だが、「他の人も分かっていない」は言い過ぎですネ。

いまひとつパッとしないというか、後味の悪いインタビューでした。

分析もしっかりしている(←当たり前)し、シャベリも説得力があるのに、もったいない。

 

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