塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

ジム・ビアンコ、ジェレミー・シーゲル教授、リチャード・フィッシャーのCPIに対するコメント

塾長です。

昨日(米国7/13)は予想以上に高いCPIが出たにも関わらず、米国株はそれほど下げませんでした。またダマシでしょうか?

 S&P500、3,801(-0.45%)

 Nasdaq、11,247(-0.15%)

【米国市況】株続落、CPI受けて積極利上げ観測-ドル137円台前半 - Bloomberg

 

市場は次回FOMCで1.0%利上げがあると予想し始めているらしいので、株は再び10%程度下落してもおかしくない;
歴史的な100bp米利上げか、6月CPI受け市場の織り込み進む - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、95.92

 10年債、2.9040

 ドル円、137.5320

 Bitcoin、20,200

 

ドルが異常に上げている;
ユーロが1ドル下回る、欧州景気後退懸念で約20年ぶり等価割れ - Bloomberg

 

 

経済指標:

 6月 CPI[前月比]、1.3%(予想1.1%)

 同[前年同期比]、9.1%(8.8%)

 6月 CPIコア[前月比]、0.7%(0.5%)

 同[前年同期比]、5.9%(5.8%)

米CPI、前年同月比9.1%上昇に加速-FRBへの圧力強まる - Bloomberg

今回の統計は物価圧力の勢いが強く、かつ経済全般に広がっており、実質賃金に一段と影響を与えていることをあらためて確認する内容となった。米金融当局はこの結果を受けて、需要抑制に向けた積極的な政策方針を維持する見通しだ。中間選挙を控えて支持率が低下しているバイデン大統領や議会民主党にも一段の圧力がかかるとみられる。

 

ベージュブックも出た;
米地区連銀経済報告:「著しい」インフレ続くが、減速の兆候も - Bloomberg

 

 

金融政策:

ボスティックさんの発言;
アトランタ連銀総裁、6月CPIは懸念要素-あらゆる行動考慮へ - Bloomberg

ボスティック総裁は6月のCPI統計が自身の予想とは異なる内容だったとも述べ、物価圧力の広がりを理解するため詳細を検証すると語った。

彼は一昨日も昨日も発言しているけれど、今日のCPIをまったく知らなかったなんてハズは無いでしょう。

 

 

カナダ中銀、24年ぶり100bp大幅利上げ-今の引き締め局面でG7初 - Bloomberg

「経済は明らかに超過需要の状態にあり、インフレは高く広がりを見せ、インフレの高止まりがより長期化すると予想する企業や消費者が増えている」

中銀は追加の引き締めに備えるよう警告した。

カナダは先進国の中でも不動産価格の上昇が激しいので(コロナ前からの傾向)、1.0%利上げもヤムナシ・・・、いや、もっと早く上げておけば良かったのに。

この記事はお金を払わないと全文読めませんが、2000年を100としたG7における不動産価格推移(グラフ)が見れる;
Air starts to seep out of the bubbly Canadian property market | The Economist

 

 

財政政策:

バイデンさん、高CPIに対して「古いデータだ」と言っただけで、対策はうって来ませんでした;
バイデン氏、6月CPIは「古い」情報-ガソリンの値下がり指摘 - Bloomberg

対中関税引下げも無し。

米国はガソリン価格高騰を抑えるために戦略的石油備蓄(SPR)を放出していましたが、その一部が中国に渡っていた事が分かり※、右派が騒いでいるのが影響しているのかも???

※:Oil from U.S. reserves sent overseas as gasoline prices stay high | Reuters
Hunter Biden and the sale of U.S. emergency oil reserves to China - The Washington Post

Washington Postは「SPRは最も高い値を付けた業者に売ると法律で決まっている(中国企業とか、関係ない)から、中国や海外企業に売るのは仕方がない」と書いている。それをそのまま信じたとしても、SPR放出の目的は国内ガソリン価格引下げだったはず。目的を達成できない行動を取った、人気取りだけのために国家安全保障を蔑ろにした、という点だけでも批判を受けるべきでは?と思いますが、いかがでしょう?

 

 

地政学

そんなバイデンさん、今週は中東歴訪。まずはイスラエルへ;
バイデン氏が中東歴訪開始、イスラエル到着 安全保障で連携強化へ | ロイター

 

 

[これは単なるメモ]

最近、「オランダの農家が政府の地球温暖化政策に反対してストライキ(protest)を起こしている」的なツイートがたくさん流れてくるのだが、主要メディアは扱っていない。Reutersは「2019年の写真が使われている」として注意を促している;
Fact Check-Years-old photo from a Dutch farmers’ protest recirculated in 2022 | Reuters

何が真実なのだろう???オランダに友達はいないしなぁ。。。

 

 

個別株:

Netflixが長らく待たれていた広告付き低料金ストリーミングサービスを開始する。その広告枠配信をMicrosoftに任せるようだ;
ネットフリックス、広告付きサービスの提携先にマイクロソフト選定 - Bloomberg

グレッグ・ピータース最高執行責任者(COO)はアルファベット傘下のグーグルやコムキャストなど提携先候補と会合を持ったが、結局マイクロソフトがネットフリックスの広告枠販売などを一手に引き受けることとなった。

なぜMicrosoft???

GoogleComcastは競合相手でもあるので、提携先としては難しかったのかも。

完全に独自の推測ですが、Netflixは動画配信にAWSを使っている。ここにMSがAzureを安く提供しますよ、という条件を出してきたのかも?さらにゲーム領域でのパートナー関係に発展すれば・・・。と夢が広がります。

 

 

 

さて、高CPIに対するコメントは色々出ていますが、3つ取り上げます。ジム・ビアンコ、ジェレミー・シーゲル教授、元ダラス連銀総裁リチャード・フィッシャー;

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  • 市場は7月FOMC1.0%利上げを75%の確率と予想している。9月に0.75%利上げだ。
  • FEDは、彼らの仕事はインフレを抑制する事だと明確に言っている。それは、株式市場や経済成長よりも重要だ。
  • 今は(株にとって)good news is bad news。経済が強いデータが出れば、FEDの利上げの可能性は高くなる。

 

 

www.youtube.com

  • FEDは過去のデータを見て判断してきた。将来を見るべきである。特に住宅価格高騰がCPIに出るまで、時間を要する。既に住宅価格は20%上昇してしまった。それがCPIには6~8%という数字で出てきている。これは(CPIの住居費用の高止まりが)12か月続くだろうという事を示している。パウエルもこの事を分かっていると思う。7月は0.75%利上げをするだろうが、経済は減速しているのをよく見るべきだ。私は既にリセッション入りしていると考えている。マネーサプライはフラットになっている。これは過去50年間起こらなかった事だ。
  • 10年債の(CPIに対する)反応は、反射的に(利回りが)上昇した後、FEDの過剰な利上げを織り込んで下落した。(株式)市場は7月にボトムを付けるかも知れない。FEDが7月FOMCで「0.75%の利上げを決定した。多くの進展があった。CPIの数字はまだ高いだろうが、ほぼ金融引締めをし終えた」と言えば、それがボトムとなる。それは7月ではないかも知れないが、私はその日に株をロングしたい。
  • CPIは過去を表す。それよりも実際の経済がどうなっているのかを示すデータが重要だ。特にマネーサプライ。
  • (PER倍率が過去の平均に回帰するか?という質問に対して)1980年代初期に大きな変化があった。SECによって自社株買いが認められたのだ。現在は、自社株買いの方が、現金配当よりも規模が大きい。多くの投資家は、納税を遅らせられる自社株買いの方をを好む。もし自社株買いを配当だったとして計算すると、トレンドは変わっていない。

最後の点はCPIと関係ないのだが、最近は「企業収益が〇〇で、PER倍率が△△だとすると、S&P500は××になる」的な議論が多いので、書き出してみました。

 

 

www.youtube.com

  • 7月は1.0%ではなく、0.75%利上げだと思う。
    1.0%利上げする利点は、より強くインフレを抑えられる事。欠点は、再度市場を驚かせてしまう事。
    いずれにしても、このCPIは高すぎる。ゴール(2%)には遠すぎる。
  • 私はかつてFEDの中でタカ派と見られていたが、それでも0.75%を推すだろう。
    最終的に金利を3.5%に上げるのが当面の目標。パニックになって、過剰反応をしてはいけない。
  • 一番の問題は賃金上昇である。インフレが進んでいいるのだから、労働者は高い賃金を求める。それが物価を継続的に上げるようになってはいけない。この先どうなるか、誰も分からない。
  • CPIがピークを付けたかどうかはあまり意味がない。2%のゴールまでの距離が問題だ。FEDは連続的にCPIが下がっていくのを見る必要がある。CPIが9.1だろうが、8.2%だろうが、関係ない。労働者が賃上げを要求し続け、ネゴシエーションパワーを持っている状態だ。これが続くようだと、物価はサービスセクターによって上昇し、企業(業績)はプレッシャーを受ける。それを抑えなければならない。
  • 経済がスローダウンしているデータは出ているが、労働市場が強い限りは金融引締めは続く。
  • リセッションになるだろうが、問題はどれくらい深いか、広範囲に広がるか、である。Atlanta FEDの予測は良く外れるのだが、それでも浅く・大きなダメージにならない事を示している。

 

 

メスターさんのインタビューもあるが、時間が無いので割愛。「今後出る小売のデータや、ミシガン大学の調査結果を見て金融政策を判断したい」と言っている;

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まるで大阪のおばちゃんか、新宿ゲイバーのママさんのようなイデタチである。

 

 

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