塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【バリー・スターンリヒト】高金利は労働市場を弱めることができないだけでなく、インフレを作り出している。早く利下げしてくれ(懇願)。

塾長です。

昨日(米国6/5)はADP雇用者数が下振れ→利下げ期待で、株高&債券利回り低下。ただ、nVidiaが5.16%も上昇しているのは・・・、なぜ?

 S&P500、5,354(+1.18%)

 Nasdaq、17,187(+1.96%)

【米国市況】S&P500種今年25回目の記録更新、ドルは一時156円48銭 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、74.40

 10年債、4.2890

 ドル円、155.8990

 Bitcoin、71,168

 

 

経済指標:

 5月 ADP雇用者数[前月比]、15.2万人(予想17.7万人)

 5月 サービス業PMI、54.8(54.8)

 5月 コンポジットPMI、54.5(54.4)

 5月 ISM非製造業景気指数、53.8(51.1)

米ADP民間雇用者数、1月以来の低い伸び-製造業で大幅減 - Bloomberg

  製造業は2万人減と、昨年7月以来の大幅な減少。専門職およびビジネスサービスも過去1年余りで最も多くの雇用を削減した。鉱業と情報産業の雇用も減少し、娯楽およびホスピタリティーの雇用は昨年11月以降で最も低い伸びにとどまった。

 

 

金融政策:

■カナダは利下げ;
カナダ中銀、政策金利を4.75%に下げ-追加利下げも示唆 - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

■Lululemonなどが決算;
Lululemon (LULU) Q1 Earnings and Revenues Beat Estimates

「オフィス回帰でアスレジャーは終わり」などと言われていしたが、そんなことはなく、+9.78%(時間外)。

 

 

■〆は不動産王 Starwood Capital CEO バリー・スターンリヒト;

www.youtube.com

ーまずは経済のブレークダウンから伺いたい。

・明らかな事だが、人々が考えるより経済は強い。まず、経済の構造から話したい。これは私の親の世代の経済とは違う。だからパウエルは困っているのだ。こんにちの雇用市場を見てみよう。今年に入って、50Mの雇用が政府、医療&教育で作られた。それらは表の中で最大のバーである(注:画面にグラフを表示しながら説明している)。3番目に大きいのが約100,000の建設である。5%金利でアパート、オフィス、ロジスティクスの建設が減っていて、このような数字がでるはずはないのに。パウエルの金利は”この”労働市場には影響を与えていない。

 

ーそうは言っても、彼が利上げをしなかったらどうなっただろう?

・物価は独自に下がっていただろう。カネが使われ尽くすからだ。インフレの多くは、供給不足から起きた。

 

ー彼は財政支出とも戦っている。

・次のスライドに移ってくれ。彼が金利を上げはじめて以降、金利にまったく影響を受けない医療分野で3.2Mの雇用があった。2022年5月以降のことだ。

 次のスライドはまったくもって衝撃的である。これは財政支出に関連するものだ。医療分野と同様のパターンをたどり、建設は1Mの新規雇用を生み出した。2007、8年(の金融危機時)には、建設で1Mの失業があったのに。彼が5%も金利を上げたのに、なぜか?データセンターだ。Transportation Bill、CHIPS Act、Infrastructure Billのおかげだ。彼は最も金利に敏感な分野でレイオフを得ることができないでいる。間違った方向に向っている。彼の道具箱は機能しないということだ。

 

ー彼は失業を作ることが出来ないのですね。

・この分野で失業を作れないなら、サービス分野を追うしかない。小売、宿泊、ホスピタリティ、ビジネストレードなどだ。彼がこの分野を攻撃したら、恐慌になる。この分野は大きなカテゴリーである。彼がこの分野を撃ち落したら、シリアスな消費者(が駆動する)リセッションを作りだすことになる。彼はそれを止めることができないだろう。そうなれば大幅に金利を引き下げることになる。この結果は小さくない。政府が最大の犠牲者になる。

 BlackRockのリック・リーダーは高金利が高インフレを作っていると言っている。余剰貯蓄に対して$235Bの金利が付いている。かつては$17Bだった。$235Bもの余分な金利がサービスを買っている。かつて100ドルだった歌劇が300ドルになっている。モノは値下がりし、サービスが値上がりしている。彼の主張では、高金利がより高いインフレ率を作り出しているというのだ。これはとても興味深い。ご存じのとおり、政府の金利支払い額が防衛費を上回った。政府は$13Tに対して4%金利を払うのか、5%なのか。それが今年借り換えられる負債の額だ。その半分が今後2年に借り換えられる。それが政府が最大の犠牲者だという意味である。

 

ーパウエルには2つの責務がある。インフレ率と雇用だ。彼のできることには限界がある。

・議会がこのようにカネを使っていては、大変な仕事だ。政府がアクセルを踏んでいて、FEDがブレーキを踏んでいる。通常そうすれば爆発が起きる。エンジンが消耗してしまう。爆発は望まない。

 経済は生産性向上や雇用でパワーを受けてきた。しかし彼は注意深くあるべきだ。住宅市場において、4、5Mの住宅が不足している。CPIの最大の項目だ。彼はこれを大きくしている。住宅着工件数が減っているからだ。今、住宅の建設が少ないというのは、数年後に家賃上昇という形で顕在化する。金利が低ければ、建設を増やすことができる。

 彼は難しいことをやっている。そのうえ、地方銀行だ。それが2番目の犠牲者だ。

 

ー何かが壊れた時、FEDは利下げすると言われている。

地方銀行と商業不動産危機が来ている。来ているのだ。オフィスや、non performing loanが市場に出てきている。

 彼は世界に影響を与えてもいる。欧州全体にストレスがかかっている。彼らは米国のように利上げした。そして利下げしようとしている。

ーユーロが始まって以来、ユーロがドルに先立ち利下げするのは初めてのことです。

・彼らにはCHIPS ActやInfrastructure Billがないからだ。AI(が主導する)米国のデータセンタービジネスは気が狂っている(insane)。欧州はそれができない。彼らにはガス、石油、余剰電力がないからだ。欧州と米国の経済成長差は開くばかり。数十年にわたりAIが商業のマージンを拡大させるからだ。

 

ということで・・・、

FEDの金融引締めはインフレに対して効果を表していない。

 なぜなら労働市場が強いから。労働市場で強いのは政府、教育&医療、建設業。前者2つはそもそも金利の影響を受けないし、3つめは財政支出によるデータセンター建設のおかげ。

・さらには、BlackRock リック・リーダーのように、高金利による金利収入が高インフレを招いていると主張している人もいる。

・高金利により、政府の利払いが増加、地方銀行が痛み、商業不動産危機がやってくる。

 高金利は住宅着工件数を減らし、それは数年後に家賃上昇という形でインフレ率を上げてしまう。

FEDが(インフレを抑えるために)失業者を増やすなら、小売やホテルなどのサービス業でやるしかない。そうなれば消費者主導の大恐慌になる。それは制御不能だ。

 

と、FEDの金融引締め・高金利をあらゆる角度から批判していました。

その一方で財政支出に対しては批判していないし、政府は犠牲者だとさえ言っている。

多分、この主張でロビー活動(政治家周り&献金)をしているのでしょう。

経済好調なのに、パウエルが「そろそろ利下げするぞ」とメッセージを送っている理由は、こんなところにあるのかも???

 

 

 

ちなみに、Starwoodは不動産開発・投資の会社なので、高金利は逆風。彼は「FEDに早く利下げをして欲しい」というポジション。

Starwoodと言えば、最近こんなニュースもありました;
ブラックストーンの不動産投資信託、スターウッドの解約制限で打撃 - Bloomberg

る。スターウッド・リアル・エステート・インカム・トラストは先月、流動性逼迫(ひっぱく)に直面し、毎月の解約上限をそれまでの純資産総額の2%から0.33%に引き下げた。

 

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