塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジェフリー・ガンドラック】金利はピークをつけたが、高いまま。年末までに失業率が上昇し、FEDの言い回しが劇的に変わるはず。

塾長です。

昨日(米国6/12)のトップニュースは5月CPIとFOMC

 S&P500、5,421(+0.85%)

 Nasdaq、17,608(+1.53%)

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、78.34

 10年債、4.2950

 ドル円、156.7520

 Bitcoin、68,173

 

 

経済指標:

 5月 CPI[前月比]、0.0%(予想0.1%)

 同[前年同月比]、3.3%(3.4%)

 5月 CPIコア[前月比]、0.2%(0.3%)

 同[前年同月比]、3.4%(3.5%)

米CPIコア、2カ月連続でインフレ抑制示す-FOMCに朗報か - Bloomberg

  米労働統計局が発表する数値は小数第1位まで表示されているが、インフレの方向性をより包括的に把握するため、当局者らは細かい数字に注意を払うようになっている。小数第2位まで表示すると、コアCPI指数は前月比で0.16%の上昇になる。

 :

  ブルームバーグの計算によれば、エネルギー、住宅を除いたサービス価格は前月比で2021年9月以来のマイナスとなった。

 :

  サービスセクターでは幅広い分野でインフレが鈍化。中でもここ数カ月の価格圧力を上昇させてきた自動車保険は、21年以来の低下となった。航空運賃はほぼ1年ぶりの大幅下落。ケーブルテレビと衛星放送、動画配信サービスの価格はほぼ20年ぶりの大幅な低下を記録した。

 

 

金融政策:

■欧州、カナダとは異なり、米国は金利据置き;
FOMC、金利据え置き-24年の利下げ回数わずか1回と予想 - Bloomberg

【FOMC】予測はタカ派的だが議長会見は中立的-市場関係者の見方 - Bloomberg

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財政政策:

なし。

 

 

地政学

EUが中国車に高関税;
EU、中国からのEV輸入に最高48%の関税賦課へ-来月から - Bloomberg

  環境NGO「トランスポート・アンド・エンバイロメント」によると、EU内で昨年売れたEVのおよそ5台に1台が中国製だった。今年はこの数字が25%に上昇する公算だという。

  中国は報復措置の用意があることを示唆しており、農業や航空分野、大型エンジンを搭載した自動車が対象となり得る。中国政府はすでに一部の欧州産酒類の調査を開始しており、近いうちに結果が出る可能性がある。

まずはワイン、シャンパンからでしょうか?各国の本気度が試されますネ。

 

 

個別株:

Broadcom決算;

ブロードコム、AI需要が収益を大きく押し上げ-株価急伸 - Bloomberg

時間外+14.37%。

 

 

■〆は、FOMC2日目恒例、債券王ジェフリー・ガンドラック@CNBC。3部構成;

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ーまずは市場の確認から。株は上げを拡大。S&PNasdaqは最高値に向っている。Dowは場中最高値。FEDが利下げ回数予想を3回から1回に減らしたというのに。

 今日は何を聞きましたか?大きなものは今年の利下げ回数予想が3月時点で3回だったものが、1回への変更です。

・その通りだ。その事が歴史書に記録されるだろう。過去のFOMCでは、新たなアイディアが持ち出されてきた。あるミーティングではSuper Coreインフレーションだったり、他のミーティングでは6か月後の3か月間インフレ期待(6 month - 3 month annualized)だった。今回はSEPを変更した。しかし彼(パウエル)はQ&Aで注目すべきほど曖昧だった。基本的に彼が言ったのは「私には何が起きるか分からない」だ。彼は「労働市場が弱さを見せるのを待てない」とも言った。彼は壊れてから修復したくないのだ。私はそれを矛盾していると思う。もし労働市場が強く、安定していて、労働市場が弱くなるまで待たないというのなら、(今年の利下げ回数を)3回から1回にしたのとは一貫性が取れない。しかし市場は彼のバランスを取った行動に集中している。彼は多くの場合そうしている。労働市場については、弱まっているが、(金利を下げるほどには)弱まりきっていない、とか。インフレ率については、どの数字を取るかによってストールしているとも言える、とか。2%のインフレ率に戻すという考えは興味深い。彼はこの考えをプレス・カンファレンスの終盤で持ち出した。パンデミックが起きるまでCore CPIはほぼ真っすぐ2%だった。そしてスパイクがあった。それによって過去20年間のCPIが2.5%となり、Core CPIが過去10年でほぼ3%となった。インフレ率を見るのに、あなたには様々なやり方があるということだ。もし長期間インフレ率を2%に保つのをゴールとするならば、彼は(プレスカンファレンスで)これを持ち出したのだが、次の10年間、Core CPIを1%にしなければならない。暗黙的に我々はより高いインフレ率を受け入れている。彼は2.7%は悪くないと言った。PCEに言及したのだと思う。市場は利上げが完全にないものだと考えているようだが、それは甘すぎる。

 

ーあなたは以前、今年の利下げは1回だと言っていた。今もそうか?

・今年利下げがあるか、以前よりも自信がない。FEDは受け身モード(reactonally mode)に入ったようだ。データが暴れ始めれば、彼らはより早く、大きく動くだろう。彼は引き金を引きたくてウズウズしているようだ。インフレ率が利下げするに十分なほど下がるのか、しかし、もし何かあったら・・・。彼は可能性として、利上げするかも知れない。その可能性はある。

 

ー彼は今日CPIについて「誰もが予想するより良かった」と言った。それが彼の言葉だ。「良い進捗だ。良い結果を得ている」と。彼は利下げする場を作っているように聞こえる。

・11月1日以来、明らかに彼は利下げに傾いている。市場は利上げについて恐れたが、今は利下げに傾いている。今日は若干後ろに下がったように聞こえた。そのレトリックを見るためには虫眼鏡が必要だ。私は労働市場が弱まっていると思う。警報が鳴るような弱さではないが、失業率は上昇しているし、household surveyは非常に悪く見える。household surveyによると、今年に入ってからフルタイム・ジョブが減少しているのだ。しかし彼は、とても一貫性の無い経済によって生じるとても矛盾したデータに脱帽している。どうやらあるテーマが醸成されているようだ。それが何かというと、ニーズを基にした経済が崩壊している。必要なものはとても高価だからだ。下がらない。マネーサプライも同じ事。以前話したが、M2はパンデミック対応で急増した。そしてマイナスになり、リセッションは不可避だと言われた。しかし、マネーはパンデミック前のトレンドに比べると、まだとても多い。過剰貯蓄のテーマに注目している人々がいるが、M2は再び増加に転じた。未だにパンデミック前のトレンドを大きく上回っているのに。平等に経済に分散されていないだけだ。

 

 

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ー利下げはほぼ終わり、経済はここから弱まるのでしょうか?

・私のgame planは同じままである。すなわち、それは、2022年8月だっただろうか、このサイクルにおいて金利がピークに達した。2023年と言った方が良いかも知れない。そのとき私はインフレ率が下がり、金利も下がると思った。実際それが起こり、長期債利回りも、多分FFレートも頂点を見たと思う。しかし次に景気後退が起きた時、FEDはよりアグレッシブに行動すると予想する。それは問題である。インフレへの恐れと、長期債が過剰に供給されるという恐れから、長期債に大きなリアクションが発生するだろう。債券市場を助けているのは・・・、去年の10月、債券市場を痛めつけたのは、毎回のオークションで国債が大量発行され、債券市場は消化することができなかった。今は(供給が)減っていて、直近の供給過剰問題はそれほど悪くない。もし経済が弱まるその時が来れば、政府のリアクションが再度インフレを起こすのでは?という恐怖に陥るだろう。

 

ーあなたの話を聞いていると、パウエルのソフトランディング達成には懐疑的なようですね?市場はそれを期待しているようですが。まだリセッションになると思っていますか?

・そうだ。問題はいつか?だ。2年前、多くのリセッション・インディケーターが点灯した。しかし、政府支出や流動性のせいで、サイクルが狂っている。今日パウエルの話を聞いたところ、パウエル自身、今日は(以前に比べて)自信がなさそうに感じた。1年以内といったところだろうか。

 彼には去年11月、mojoがあった。今年初めのFOMCでも自信があったようだった。今回は、エコノミストが話をしているようだった。private equity guyのようだった。「こっちはこうだが、あちらはああだ」と、今日は何も言わなかったに等しい。

 

ー彼はバランスをとる必要があったのでは?

・そうだが、彼は過去のFOMCにおいて人々が考えるよりタカ派だったり、ハト派であったりした。今回は全てのoptionをオープンにしておきたいようだった。私には、彼らが本当に利下げに傾いているのか分からない。利下げに傾いている方に傾いているといったところか。

 

ーいくつかの投資アイディアについて伺いたい。ゴールドは?

・私は今年に入ってからゴールドに強気だ。

ーしかし、直近3年で最悪の日があった。

・そうだ。雇用統計の日のことだ。しかし、2,300というのは未だ強い。今年に入って、15%か、17%上昇している。少し休憩が必要だ。4か月で20%も上がったのだから。私は、世界経済、中央銀行、世界の債務の観点から、未だゴールドをドルコスト平均法で買うべきだと思う。1月のDoubleLine Roud Tableで、実資産として持つべきものだと選定したのだが、ここまで上がるとは思っていなかった。それが市場というものだ。

 

 

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FEDがどちらに傾いているか分からないのだとしたら、どのような投資の決断をしますか?

・我々が「高金利が長期間続く(higher for longer)」というテーマで投資をしてからしばらく経つ。higher for longerということは、債券市場の一部で良いリターンを得られるということだ。前にも言ったように、今日時点、BB bank loanはとてもリスクが低く、SOFRとのスプレッドが290bptもある。利回りが8%台だということだ。たとえFEDが1、2回利下げをしたとしても、リスクがとても低いことを考えればとても魅力的である。私がパウエルのQ&A聞いて重要だと思ったのは、この先しばらく8%利回りを得られるだという事だ。デフォルトするリスクはとても低い。債券市場は信じがたいほど安定的であった。イールドカーブを見ると、2年10年の金利差は-45bptのままである。10年債は3.9%から4.8%になったが、2年10年の金利差は動かなかった。今の10年債は4.5%くらいだが、(金利差は)同じレベルにある。市場は「私も何が起きるか分からない。究極的にはFEDは利下げしそうだ。」と言っているようだ。今日明らかに利下げの可能性は減った。(SEPの)利下げ回数が3から1になったのだから。

 

ーそうだとしたら、なぜ株の反応は上昇なのでしょう?S&PNasdaq終値ベースで最高値を記録しそうだ。

・今週、10年債金利が下がったからね。それが促進させた。今日出たCPIも(株にとって)痛くない。しかし株価が保たれるためには、利下げが必要だと思う。今後12か月先の企業利益予想はupgradeされた。14%も上昇した。それは大きな数字である。心配になる。しかし、それが今の(株式)市場の心理なのだ。

 

ー利下げが必要ののでしょうか?利下げがあると信じる必要があるだけでは?今日のパウエルの発言からすると、次のFEDの動きが利下げでないと信じる理由はなかったですよね?

・そうだ。今日の会見からすると、次の動きは利下げである可能性(odds)の方が高い。しかし、そのoddsは下がっている。私は、今から年末までにあいだに、FEDの言い回し(rhetric)が劇的に変わると思う。経済データが今までのように横に動く(sideway)とは思えないからだ。経済は弱まっている。失業率は4.4%になるだろう。それが彼の見方を変えるだろう。

 今年の初め、債券市場は7回利下げを織り込んでいた。信じられるか?0.25%を7回だ。狂っている。ほぼ不可能だ。しかし、それでも債券市場は大きく変わっていない。

 

今回、ガンドラックの考えで大きく変わったのは、「今回のサイクルで金利はピークをつけた」と言っている部分。以前は「金融危機以来金利は下落トレンドを続けていたのが、パンデミックで上昇に転じた。上昇がしばらく続くだろう」と言っていた。

 

その他を箇条書きにまとめると・・・、

FEDの次の動きは利下げである可能性は高い。しかし利上である可能性はあり、その可能性は以前より高まった。

FEDを含め、多くの人が経済データに混乱している。巨額財政支出で景気サイクルが歪められている。今日のパウエルは以前よりも(彼の経済見通しに)自信が無いようだった。

・経済は弱くなっている。時期は分からないが、リセッションになるだろう。年末までに失業率が上がり、FEDの言いまわしが劇的に変わるはずだ。

 次回リセッションになった時、FED(と政府)が過剰に反応し、長期金利が爆上がりするのを心配している。

・未だに「高金利が長く続く」とのテーマで投資をしている。お勧めは投資適格な債券と、実資産ならゴールドだ。

・いつまでも高金利が続けば(利下げが無ければ)株は下がる。利益予想が高過ぎる。

だ、そうです。

 

 

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