塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【エド・ヤーディーニ】過去3年間、誰もが景気後退を予想したが、来なかった。今後5年間、景気後退しないと考えてはいけない理由は無い。

塾長です。

昨日(米国11/13)の米国市場は株ヨコ、10年債利回り上昇。注目された10月CPIにサプライズなし。

 S&P500、5,985(+0.02%)

 Nasdaq、19,230(-0.26%)

【米国市況】ドル上昇155円台半ば、日本の出方に注目-CPI予想通り - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、68.04

 10年債、4.4510

 ドル円、155.3650

 Bitcoin、89,404

 

 

経済指標:

 10月 CPI[前月比]、0.2%(予想0.2%)

 同[前年同月比]、2.6%(2.6%)

 10月 CPIコア[前月比]、0.3%(0.3%)

 同[前年同月比]、3.3%(3.3%)

【米CPI】12月利下げ「まだ生きている」-市場関係者の見方 - Bloomberg

 

 

金融政策:

■カシュカリ、ムサレム、ローガン;

ミネアポリス連銀総裁、インフレのデータは正しい方向に進んでいる - Bloomberg

セントルイス連銀総裁、緩やかな利下げ想定-インフレ鈍化が続くなら - Bloomberg

ダラス連銀総裁、追加利下げ必要も慎重なペースで進める必要がある - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

米共和党、下院多数派を維持-ホワイトハウスと議会を支配 - Bloomberg

 

 

個別株:

Ciscoなどが決算;

シスコ、通期売上高に慎重な見通し-8~10月期業績は予想上回る - Bloomberg

時間外-2.30%

 

 

■〆は強気派エド・ヤーディーニ;

www.youtube.com

ー今日の主要株価指数は緑で終わりそうです。次のゲストはアニマルスピリッツの復活で、今後数か月のステージが整ったと言っている。

 ゴールポストが動いたということですね?

・そうだ。ジョン・メイナード・ケインズがアニマル・スピリッツという言葉を発明した。自然発生的な楽観主義(spontaneous optimism)である。2016年、トランプ1.0の時に見られ、トランプ2.0でも見ることができるだろう。市場は減税に興奮している。企業や低所得者層もそうだ。消費者セクターの助けになる。規制緩和に対する興奮もある。トランプが介入して、地政学危機が早く終結するという期待もある。それら全てを総合すれば、楽観的(upbeat)である。私はトランプが大統領選で勝つ前から楽観的であった。大幅な生産性向上のリバウンドがあり、それが今10年期の経済を駆動するからだ。

 

ーあなたは以前ユーフォリア(多幸感)があると言っていた。10段階評価で9だ、と。手に負えなくなる、と。そのメーターがこの政権で下がったのですか?今日、ネルソン・ペレツはユーフォリアがあると言っていた。

・私はメルト・アップのシナリオについて語ってきた。熱狂の2020年代になる確率が55%、メルト・アップになる確率が25%(注:残りの20%は1970年代のような地政学危機・財政赤字危機)。良いことが起こり過ぎて、FEDが不要な利下げをし、それが株のメルト・アップを引き起こすというシナリオだ。バリュエーション倍率は、誰もが同意するように、引き伸ばされている。思い出してほしいのは、過去3年間、酷いリセッションが予想され、それが起きなかったことだ。FEDが利上げしたのだから、リセッションが来ると思ったのは当然だったわけだが、最も予期されていたリセッションは起きなかった。この3年間でリセッションが起きなかったのだから、今10年期の残りでリセッションが起きないと思ってはいけない理由は無いだろう。より長く経済成長が続けば、人々はより高いバリュエーションを喜んで支払うようになる。それが今起きていることだ。しかし、メルト・アップ・シナリオの可能性を排除してはいない。

 

ーあなたは来年、再来年の企業利益予想を引き上げた。そのうえで、マルチプルも高まると予想するのか?

・そうだ。私は強気派だが、強気が不足していた。2022年10月、市場は底を付けた。我々は2週間で、それが底だと気づいたが、多くの人々は「forward PEが15なのだから、これが底だというのはあり得ない」と言っていた。結果的に、その時が底だった。私はその時、PEが20倍になると言った。人々は妄想だと言っていた。しかし、私の妄想は不十分だった。PEは21、22倍となった。そうだ、私は利益予想を引き上げた。リセッションにならない限り、このマルチプルは継続する可能性がある。

 

ー12月に利下げはありますか?

・私には分からない。9月FOMCでの利下げは0.25%幅で十分だと思ったが、彼らは0.50%幅利下げしてしまった。その後は不要だと思ったが、彼らは[11月FOMCで]利下げしてしまった。彼らは私の言う事など聞いていない(笑)。彼らは自身の意見を持っている。現実は、0.25%幅利下げした。どうやら[12月も]0.25%幅利下げしそうだ。データはそれをまったく支持していない。ところで、債券市場は[利下げを]遅らせてくれと懇願している。FEDは0.75%幅利下げしたのに、債券利回りは0.75%幅上昇している。私の友人である債券自警団は「もうFEDの利下げは必要ない」とシグナルを送っている。

 

ートリッキーだ。今日出たCPIはFEDが利下げするドアを開けたままにしたと言えるだろう。FEDは12月、もう1回利下げして、それで打ち止め。それでよいのでは?あと1回利下げしたところで、大きな違いはないのでは?

・CPIのどこを見るかによって違う。CPIは問題を抱えている。私はディスインフレ派で、CPIは2%に下がると思っていきたが、その一方で、Core Service CPIから住居費を除いたSuper Coreは4.5%、4.6%辺りで粘着的だ。Super Coreのコンセプトはパウエルが作りだしたものだが、急に重要ではなくなったようだ。

 あなたの質問に答えると、0.25%幅利下げしようが、しまいが、大きな違いはない。私は、今10年期の残りの期間、ナイスで喜ばしい強気相場が続いてほしいと望んでいるだけだ。私が望んでいるからといって、それが起きることにはならない。メルト・アップが起きるかも知れない。FEDはメルト・アップを感じ取るかも知れない。債券自警団は「刺激的な財政政策があり、さらなる財政刺激策があるかも知れない。FEDは金融刺激策を出す必要はない。2021年のリスク再来となるかも知れない。2022、2023年にFEDが戦う羽目になった巨大なインフレ問題が起きるかもしれないぞ」と。

 

ーあなたの今10年期の終わり時点(2029年末)、S&P500目標は10,000ですね?

・そうだ。

ー次回の出演を楽しみにしています。

まとめると・・・、

・今10年期(2020年代)は、熱狂20年代再来、1999年のようなメルト・アップ、1970年のような地政学・財政危機となるシナリオが考えられる。それぞれの確率は55%、25%、20%。

・過去3年間、ほとんど誰もがリセッションが来ると予想していたが、来なかった(=「逆イールドが発生したからリセッション」といった経験則を基にした景気予測はまったく当てにならない)。今後5年間(2020年代の終わりまで)、リセッションが無いと考えてはいけない理由は無い。

・リセッションが無ければ企業利益は上振れするし、経済成長が続けば高いマルチプルも受け入れることができる。2029年末(2020年代の終わり)、S&P500は10,000となる。

FEDが必要以上の利下げを行い、既に刺激的な財政政策に追加があれば、メルト・アップのシナリオとなる。債券自警団はすでに警告を発しているが、FEDは独自の考えを持って動いているようだ。物価高が再燃しても、俺は知らないぞ!

だ、そうです。

 

 

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